ジョー・シュミット (ラグビー選手)とは? わかりやすく解説

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ジョー・シュミット (ラグビー選手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/23 23:54 UTC 版)

ジョー・シュミットJosef Schmidt, 1965年9月12日 - )は、ニュージーランド出身のラグビー指導者。ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ(2013年 - 2019年)、ラグビーニュージーランド代表アシスタントコーチ(2022年 - 2023年)を歴任。

来歴

ノースランド地方カワカワ生まれ。パーマストン・ノース郊外ウッドヴィル育ち。ドイツ姓シュミット(Schumidt)”を持つが、先祖はドイツの出身ではなく、ポーランドの出身である。1875年に3世代前のシュミット家が現在のネーピアに移住したことがニュージーランドでのシュミット家の始まりである。

タラルア・カレッジ卒業後、教員養成校に4年間就学し教員資格を取得。パーマストン・ノース・ボーイズ・ハイスクール(PNBHS)に教諭として勤務し英語英文学、ラグビーを指導する。PNBHS 1st XV(1軍)ラグビーチームを指導し、1996年に29戦22勝、1997年に31戦26勝と2年連続でニュージーランド高校学校選手権大会4強に育て上げた。その後、ネイピア・ボーイズ・ハイスクール(NBHS)教諭 兼 NBHS 1st XVラグビーチームコーチ(1999年 - 2000年)を経て、教員生活終盤はタウランガ・ボーイズ・カレッジ(TBC)副校長 兼 TBC 1st XVラグビーチームを指導した。この経歴からスポーツ紙では「元教師」「元副校長」の役職名が用いられることが多い。2004年にブルースアシスタントコーチに就任するため教員生活から引退する。

ラグビー選手としては、ニュージーランド州代表選手権(NPC)に参戦するマナワツで29試合に出場。現役時代のポジションはWTB。1991年から1年半、アイルランドのアマチュアリーグに所属するムリンガーで選手 兼 コーチとして競技生活を送った経歴を持つが[1]ラグビーニュージーランド代表に選出された経歴はない。

ニュージーランド高等学校代表男子ラグビーチームアシスタントコーチを4期務め、2003年-2004年シーズンにNPCに参戦する「ベイ・オブ・プレンティ」コーチに就任。2004年ランフリー・シールドを獲得。2004年シーズンから2007年シーズンまでブルースアシスタントコーチを務め2007年シーズンはチームを4強に育て上げた。

修士学位取得のため休暇を取る予定でいたが、ニュージーランド出身のラグビー指導者でASMクレルモン・オーヴェルニュヘッドコーチを務めるヴァーン・コッターからの要請を受け渡仏。2007年シーズンからASMクレルモン・オーヴェルニュバックス担当コーチに就任[2]。2007年-2008年、2008年-2009年はフランス選手権トップ14で2位、2009年-2010年にトップ14で優勝を果たす。

2010年-2011年シーズンからプロ12に参戦するレンスターヘッドコーチに3年契約で就任。2010年-2011年シーズン、2011年-2012年シーズンと2期連続でハイネケン・カップ優勝。プロ12リーグ戦では2010年-2011年シーズンと2011年-2012年シーズンの2期連続で2位。この実績と娘の就学問題もあり、ニュージーランドへ帰国しスーパーラグビーヘッドコーチ就任が噂されたが、2013年4月29日、アイルランドラグビー協会はシュミットを第16代アイルランド代表ヘッドコーチに任命した[3]。契約は2016年末までの3年契約[4]。2012-2013欧州チャレンジカップ優勝。

2015年9月2日にアイルランド国籍を取得した。

2016年の南アフリカ遠征では、アイルランドラグビー史上初となる南アフリカ代表から1勝(アウェー戦)を挙げる(3戦1勝2負)。同年10月にラグビーワールドカップ2019閉会まで、アイルランド代表チームを指揮する契約延長に合意した。

2018年11月、ラグビーワールドカップ2019閉会後にコーチ業からの引退を表明した。

2020年2月、ラグビースペイン代表のテクニカル・アドバイザーに就任(「2020 ラグビーヨーロッパチャンピオンシップ」の大会期間中のみ)。同年10月には、ワールドラグビーに新設された「ディレクター・オブ・ラグビー」に就任するも、息子のてんかんの持病を理由に翌年に退任。

2021年12月、ラグビーニュージーランド代表の独立選考委員に就任。

2022年6月から同年7月に掛けて行われたラグビーアイルランド代表によるニュージーランド遠征では、ニュージーランド代表のコーチ陣が新型コロナウイルスの陽性で指揮できず、シュミットが臨時コーチとして第1戦を指揮し、アイルランドに勝利した。

2022年8月17日、ラグビーニュージーランド代表のアシスタントコーチ(攻撃担当)に就任。

ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ

2013年シーズン

アイルランド代表ヘッドコーチ着任初シーズンは5戦3勝2負。母国ニュージーランドと、オーストラリア代表戦では敗北。

2014年シーズン

シックス・ネイションズ5戦4勝1負で優勝。対アルゼンチン戦2戦2勝、対南アフリカ戦1戦1勝、対オーストラリア戦1戦1勝。

2015年シーズン

シックス・ネイションズ5戦4勝1負で優勝。

2016年シーズン

シックス・ネイションズ5戦2勝2負1分で3位。対ニュージーランド代表戦で2戦1勝1負。対オーストラリア代表選で1戦1勝。南アフリカ遠征で1勝(3戦1勝2負)。同年11月開催の北半球国際対抗戦では、111年に渡るアイルランドラグビー史上初となる対ニュージーランド戦で勝利(40対29)。テストマッチ18戦連続勝利のニュージーランド代表に土をつける(ニュージーランド代表はこの年初の黒星)。ワールドラグビーランキングは4位に上昇。

2017シーズン

シックス・ネイションズ5戦3勝2負で2位。11月開催の北半球国際対抗戦で3戦3勝。ワールドラグビーランキングは3位に上昇。

2018シーズン

シックス・ネイションズ5戦5勝で優勝。ワールドラグビーランキングは2位に上昇。対ニュージーランド戦では2勝目(ホーム戦では初)の勝利を挙げる。ワールドラグビー年間最優秀監督賞と最優秀チーム賞を受賞。

2019シーズン

シックス・ネイションズは5戦3勝2負けで3位。同年8月31日開催の対ウェールズ戦(アウェー)で勝利し、アイルランドラグビー史上初となる世界ランク1位に上昇。

主なタイトル

  • 2004年 - ランファリー・シールド獲得(ベイ・オブ・プレンティー史上初タイトル(アシスタントコーチ))
  • 2010年 - トップ14優勝(ASMクレルモン・オーヴェルニュ(アシスタントコーチ))
  • 2011年 - ハイネケン・カップ優勝(レインスター(ヘッドコーチ))
  • 2012年 - ハイネケン・カップ優勝(レインスター(ヘッドコーチ))
  • 2013年 - 欧州チャレンジカップ優勝(レインスター(ヘッドコーチ))
  • 2014年 - シックス・ネイションズ優勝(ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ)
  • 2015年 - シックス・ネイションズ優勝(ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ)
  • 2017年 - シックス・ネイションズ優勝(ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ)
  • 2018年 - ワールドラグビー年間最優秀監督賞受賞(ラグビーアイルランド代表ヘッドコーチ)

脚注

  1. ^ Leinster Club Joe Schmidt
  2. ^ Entretien Avec Joe Schmidt
  3. ^ ガーディアン(電子版)、2013年4月29日
  4. ^ インディペンデント紙(電子版)、2013年4月29日



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