サウレスの定理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 10:24 UTC 版)
「時間依存ハートリー=フォック方程式」の記事における「サウレスの定理」の解説
スレイター行列式は、多体系の状態を既知の 1 粒子波動関数の情報から構築する、最も単純な方法の 1 つであるが、そのようにして作られた多体波動関数が本当に、可能な多体系の状態全てを含んでいるかの保証は全くなく(それどころか疑わしい)、そのためにそのスレイター行列式と直交しない状態を求める必要がある。そのための1つの定理がデイヴィッド・J・サウレスによるサウレスの定理(Thouless Theorem)である。 | Φ 0 ⟩ {\displaystyle |\Phi _{0}\rangle } をハートレー・フォック型波動関数、すなわちスレイター行列式とする。 | Φ 0 ⟩ = ∏ i = 1 A c i † | 0 ⟩ {\displaystyle |\Phi _{0}\rangle =\prod _{i=1}^{A}c_{i}^{\dagger }|0\rangle } : c i † {\displaystyle c_{i}^{\dagger }} は真空 | 0 ⟩ {\displaystyle |0\rangle } に対するフェルミオン生成演算子。A は粒子数。 すると、 | Φ 0 ⟩ {\displaystyle |\Phi _{0}\rangle } と直交しない任意のスレイター行列式 | Φ ⟩ {\displaystyle |\Phi \rangle } は、 | Φ 0 ⟩ {\displaystyle |\Phi _{0}\rangle } に対する粒子の生成演算子 a μ † {\displaystyle a_{\mu }^{\dagger }} 、空孔(ホール)の生成演算子 b i † {\displaystyle b_{i}^{\dagger }} を用いて次のように表せる。 | Φ ⟩ = exp ( i G ) | Φ 0 ⟩ {\displaystyle |\Phi \rangle =\exp(iG)|\Phi _{0}\rangle } G = ∑ μ i ( g μ i a μ † b i † − g μ i ∗ b i a μ ) {\displaystyle G=\sum _{\mu i}(g_{\mu i}a_{\mu }^{\dagger }b_{i}^{\dagger }-g_{\mu i}^{*}b_{i}a_{\mu })}
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