エジプトへの逃避 (エルスハイマー)
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『エジプトへの逃避』(エジプトへのとうひ、独: Die Flucht nach Ägypten, 英: The Flight into Egypt)は、ドイツのバロック期の画家アダム・エルスハイマーが1609年頃に制作した絵画である。油彩。キャビネットのために制作された作品で、主題は『新約聖書』「マタイによる福音書」で語られている、ヘロデ大王の幼児虐殺から逃れようとする聖家族のエジプトへの逃避から取られている。ルネサンス芸術における夜空の最初の自然主義的表現であると考えられており[1]、宗教画と風景画の要素の革新的な融合と、きめ細やかな明暗の並置により、エルスハイマーの最も有名かつ賞賛された作品の1つとなっている。彼は『エジプトへの逃避』を制作した1年後に死去しているため、おそらく画家の遺作と思われる。エルスハイマーがローマで死去したとき、本作品は画家の寝室に飾られていた[2]。現在はミュンヘンのアルテ・ピナコテークに所蔵されている[3][4][5]。
- ^ a b c Deborah Howard 1992, pp.212–224.
- ^ a b Keith Andrews 1972, pp.594, 600, 603, 607.
- ^ a b “Die Flucht nach Ägypten”. アルテ・ピナコテーク公式サイト. 2023年4月19日閲覧。
- ^ a b c “Zum Elsheimer-Bild „ Die Flucht nach Ägypten“.”. アダム・エルスハイマー協会. 2023年4月19日閲覧。
- ^ “The flight into Egypt, 1609”. オランダ美術史研究所(RKD)公式サイト. 2023年4月19日閲覧。
- ^ “マタイによる福音書(口語訳)2章13節-23節”. ウィキソース. 2023年4月19日閲覧。
- ^ a b c Madlyn Millner Kahr 1993, pp.94–95.
- ^ a b Anna Ottani Cavina 1976, pp.139–145.
- ^ J. Parks 2007, pp.36–45.
- ^ Quoted in Linda Ben-Zvi; Angela B. Moorjani 2008, p.131.
- ^ Anne Hollander 1989, p.106.
- ^ Joaneath A. Spicer 1999, pp.105–132.
- ^ Siegel, Linda 1978, p.7.
- 1 エジプトへの逃避 (エルスハイマー)とは
- 2 エジプトへの逃避 (エルスハイマー)の概要
- 3 影響
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