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G.I.ジョー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/05/28 13:33 UTC 版)

(アクションマン から転送)

G.I.ジョーは、米国ハズブロー社が販売している男児向け玩具。アクションフィギュア本体ならびにその付属品・関連商品を指す。人形の大きさは約12インチ(29cm前後)で、スケール換算するならばおおむね1/6ということになる。

目次

概要

1963年当時、米海兵隊を舞台にしたTVドラマ『The Lieutenant』(1963〜1964年)をきっかけに企画され、マテル社の女児向け着せ替え人形バービー(1959年発売)の仕様をヒントにして、着せ替え可能な男児用可動人形として1964年に発売された。当時のバービーは首・肩等の極一部のみが可動するボディだったが、ヒジ・ヒザ等まで含む全関節を可動にするアイデアは、木製のデッサン用人形がヒントである。

商品名に採用された『G.I.Joe』のネーミングは、米国に古くから広まる“米軍兵士”を示す一般名詞的な呼称である。G.I.は“Government Issue”の略で、意味は政府の支給(品)/官給品、“Joe”は米国でごく一般的・代表的な男子名。“G.I.”のみでも米兵を指す俗称として使用されている。商品開発中にたまたまTVで放映されていた映画『G・I・ジョウ』(The Story of G.I. Joe, 1945年)を観たスタッフにより採用された。

日本における展開

米国で人気を博したG.I.ジョーは各国に輸出されることになる。イギリスでは1966年から『アクションマン』の名でライセンス生産されているが、日本では同じく1966年に三栄貿易株式会社によって輸入され、その後、1969年には新たに権利を得たタカラが引き続き販売を行なった。

当時日本でも放映されていたアメリカの連続TVドラマ『コンバット!』の人気もあり、兵隊をモチーフにした玩具は一定の人気を得ており、その時期に輸入品として登場したG.I.ジョーは、当時の玩具としては破格のリアルさと高級感、豊富なオプションによる世界観の広がりなど、子供達に大きなインパクトを与える存在だった。

反面、玩具としてはサイズが大きいうえ、フィギュアは1500円前後、12インチサイズのG.I.ジョーが乗ることのできるジープなどは5000円を超える高額商品であり、精密で高級であることは大きな魅力であると同時に簡単に手の届かない存在である感覚を強め、当時の子供にとっては基本的に高嶺の花的な存在であり、自然と経済的に豊かな層がターゲットの商品となった。

そのためタカラでは、1970年に日本向け商品展開としてブランド名を『ニューGIジョー』に改め、顔の造形を日本の子供向けに一新し、着せ替えにも「スポーツジョー」としてボクサーやプロレスラーをラインナップし、日本の子供にとって親しみやすい方向に改良を加えた。

この当時、タカラ独自のサービスとして、G.I.ジョーのテレフォンサービスがあった[1]。それはタカラの広告等で告知された番号へ電話をかけると「やぁ! 君か、僕がG.I.ジョーだ」と日本語で声が聞けるというもので、いわずと知れた同社の“リカちゃん電話”を応用したものである。

また、当時大流行の“変身”を取り入れた「正義の味方」シリーズを展開、この路線変更は当たり、やがてタカラは、ミリタリー色を廃し、SF色とTVヒーローへの変身のバリューを前面に押し出した、変身サイボーグ(1972年)シリーズを生み出し、この新たなシリーズへ販売をシフトした。

変身サイボーグによって12インチアクションフィギュアは日本でも子供たちに受け入れられる商品となったが、変身ブームの収束やオイルショックなどの経済状況の変化により、変身サイボーグシリーズの後継であるアンドロイドA(1975年)を最後に、より小型のフィギュアであるミクロマンにシフトする。

その後およそ10年の間、日本での展開を停止していたG.I.ジョーだが、1980年代前半に『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や、コンバットマガジン誌等の記事をきっかけに、G.I.ジョー再評価の盛り上がりがあり、1984年、それに応じたタカラによる新たな12インチミリタリーシリーズの『コンバットジョー』が発売されることになった。しかし、大きなブームとはならず、このシリーズは極短命に終わっている。

“なつかしのアイテム”として一般的な知名度もそれなりにあり、1960〜1970年代のビンテージモデルに関しては『テレビ探偵団(1986〜1988年)』『開運!なんでも鑑定団(1994年〜)』等々で、プレミアムアイテム[2]として扱われることもあった。

変遷

1960年代末期、ベトナム戦争が終結に向かい反戦ムードが高まる中、本家ハズブロー版のG.I.ジョーも“戦争”から“冒険とスポーツ”へとテーマを変えたAT(アドベンチャーチーム)シリーズへと移行することになるが、1970年代中頃にはそのATシリーズG.I.ジョーも最期を迎えることになる。

3.75インチサイズへの移行

その後、アメリカでも日本同様大型のアクションフィギュアからコレクタブルな小型のアクションフィギュアに消費動向がシフトし、1982年、休眠状態だったG.I. ジョーもブリスターパッケージの3.75インチサイズが主力製品となって復活する。このシリーズは『G.I.JOE A REAL AMERICAN HERO』という名称で、それまでの無名兵士を再現するリアルミリタリーフィギュアとしてのG.I.ジョーではなく、各キャラクターが固有の名前と設定を持つハズブローオリジナルのヒーローとして新たに設定されたコンテンツである。 このシリーズは発売とほぼ同時にマーベルコミックスによりコミックス化され、その後1985年にはTVアニメーション化もされた。このTVアニメーションは、日本では『地上最強のエキスパートチーム G.I.ジョー』のタイトルで1986年からテレビ朝日系列で放送され、商品のCMも同時期にTV放映されている(余談だが、60年代当時のG.I.ジョーフィギュアが米国製品でありながら実際の生産の一部が日本で行われていたのと同じように、このアニメーションも実際の製作の一部は日本の製作プロダクションによるものである)。1992年にはコナミからアーケードゲーム化して発売され、2009年には同作品の実写映画(G.I.JOE THE RISE OF COBRA)が公開された。

以降、ハズブローのG.I.ジョーといえばA REAL AMERICAN HEROシリーズということになるのだが、その後も、たびたびリアルミリタリースタイルの無名兵士版G.I.ジョーフィギュアのシリーズが復活することもあり、同じメーカーによる同じG.I.ジョーの名称ながら、内容の違うシリーズが両立することもあった。

12インチサイズの復活

アクションフィギュアの主流が小型サイズへと移行したあとも、米本国では1991年[3]に『HALL OF FAME』シリーズ(オリジナルのコンセプトである無名兵士の「ジョー」ではなく、A REAL AMERICAN HEROシリーズのキャラクターの12インチ化)、1994年に『30th SALUTE』(GIジョー生誕30周年記念/オリジナル版の復刻)、1995年に『WWII 50TH ANNIVERSARY COMMEMORATIVE』(第二次大戦50周年記念/オリジナル版の復刻)と何度か12インチサイズのシリーズの復活があったのだが、いずれも日本での正式な扱いはなく、入荷は並行輸入のみであった。

上記3種のシリーズがいずれもHALL OF FAME用に製作された、コミックスヒーローをイメージした過剰にマッチョで可動性能も低いボディ[4]を流用したため、オリジナルのイメージからは遠いものだったのだが、1996年、ついにオリジナルスタイルの正当な復活をイメージさせる、全く新しい12インチフルアクションボディを採用した『クラシックコレクション』シリーズが発売される。このシリーズは毎年10〜20点の新製品を出しながら順調に続き、再び12インチサイズのリアルミリタリー路線が安定して発売されるようになる。その後、2000年前後を境にしてドラゴンモデルズ社などの新たなライバルの影響か、クラシックコレクションのシリーズ名を外し、よりリアルなディティールへと進化したが、2005年前後の製品を最期にアフガン紛争イラク戦争に対する厭戦感の広がりと入れ替わるように、再びリアルミリタリーのシリーズは停止することとなる。

12インチサイズの現状

2011年、12インチサイズの無名兵士版G.I. JOEのシリーズが復活した。従来製品の組み替えによる比較的シンプルな内容で、コレクター向けというよりも低年齢層を指向した入門的なラインナップである。現在までに6種発売されている。


  1. ^ このサービスは、G.I.ジョーのシリーズ終了後は変身サイボーグにも受け継がれることになる。
  2. ^ インターネットにより、ファン同士がショップを通さずにコレクションを取引することが常態となって以降、ビンテージトイのプレミアム価格は格段に下がる傾向にあり、G.I.ジョーにおいても現在実際にプレミアム価値を持つのは60〜70年代における初期の製品のみで、しかも状態の良いものに限られる。
  3. ^ ちなみに、この年米国は(多国籍軍の中心として)湾岸戦争に突入しており、HALL OF FAMEシリーズ第一弾の製品も湾岸戦争における米兵士のスタイルをモデルにしたものである。
  4. ^ このボディは、おなじハズブロー社による『スターウォーズ』シリーズや『スターティングラインナップ』シリーズの12インチサイズラインに流用されている。
  5. ^ 欧米では、第二次大戦時のドイツ兵を子供向きの玩具とすることに抵抗があったことは想像に難くない。米G.I.ジョーでのドイツ兵は国防軍兵士一種のみ。英アクションマンはG.I.ジョーよりも長期間シリーズが続いたこともあり、兵士、将校二種、戦車兵、戦闘機パイロットと多数のドイツ兵士が製品化されているが、いずれも国防軍スタイルで、ニューGIジョーが、子供向けの製品でありながらSS将校までを製品化したのは日本ならではの状況だろう。
  6. ^ 変身サイボーグのボディは、オリジナルG.I.ジョーのトーキングボディから流用しているため、通常のボディより若干胴体が大きい。
  7. ^ 当時の雑誌(マッシブ・アクション・フィギュアVOL2)に掲載された担当者のコメントによると、一時期は同じくハズブロージャパンで扱われていたスターウォーズシリーズを上回るほどの反響があったとのこと。


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