『ジークフリートの死』と『神々の黄昏』の相違点
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「神々の黄昏 (楽劇)」の記事における「『ジークフリートの死』と『神々の黄昏』の相違点」の解説
当初の構想が二部作、さらに四部作へと拡大するなかで、1852年に『ジークフリートの死』はその前編に当たる『若きジークフリート』とともに手直しがされ、1863年に『ジークフリートの死』は『神々の黄昏』と改題された。とくに『神々の黄昏』では、『ジークフリートの死』よりも結末が悲劇的なものに変えられているのが特徴であり、これによってテクストにも大きな差が生じている。主な相違点は以下のとおり。 序幕「ノルンの情景」は『ジークフリートの死』では神託的であったが、『神々の黄昏』では音楽も行為もより劇的であり、テクストの分量も拡大された。 第1幕では、第2場の結びに「ハーゲンの見張り」のモノローグが追加された。さらに、第3場でブリュンヒルデを訪ねてくるのは、『ジークフリートの死』ではヴァルキューレたちであったが、『神々の黄昏』ではヴァルトラウテ一人に変更され、語りも長大なものとなった。 以降、第3幕の「ジークフリートの葬送行進曲」まではさしたる変更はないが、その後、葬送行進曲による舞台転換から、『ジークフリートの死』では2場に分かれていたものが、『神々の黄昏』では一貫した情景に統一された。『ジークフリートの死』でジークフリートがヴァルハルに迎えられ、神々の安寧が保たれるというハッピーエンドは、ブリュンヒルデによるジークフリートの事業の完遂、そしてヴァルハルの炎上によるラグナロク(神々の黄昏)の実現となった。
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