GCSE 歴史

GCSE

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/25 06:17 UTC 版)

歴史

導入以前

GCSEが導入される以前には、学生は複数の科目についてCSE(Certificate of Secondary Education、中等教育修了資格)やより上級のOレベル(General Certificate of Education Ordinary Level、一般教育修了基本レベル)を単独あるいは組み合わせて受験していた。CSEはおおむねGCSEのグレードC-Gあるいは4-1をカバーし、OレベルはA*-Cまたは9-4に相当するが、CSEとOレベルは別個の学位証明制度であり、等級システムも異なっていた。このことは、Oレベルに合格できなかった下位42%の受験者(OレベルではなくCSEを受験していればCSEの上位グレードの学位認定が得られた可能性がある)と、より高い能力を発揮する機会がなかったCSE受験者の成績上位者(Oレベルの下位グレードの学位認定が得られた可能性がある)のいずれもが不利になるとして批判されていた。

後にOレベルのグレードはA-Eとその下のU(Ungraded、等級なし)に見直された。1975年以前は、等級システムそのものも認定機関ごとに異なっており、典型的には合格が1-6等級、不合格が7-9等級となっていたが、認定証には等級は記載されないようになっていた。

CSEは1-5まで等級付けされ、1が上位、5が下位となっており、5より下位にU(等級なし)が設けられていた。最上位の1はOレベルのグレードCと同等以上であり、この等級を持つ学生はOレベルの課程を取ればより高い学位認定を受けられたものとみなされていた。しかし、CSEとOレベルは別のシラバスに基づく別個の学位認定制度であったため、CSEの学位認定を受けた者がAレベルに挑戦するためには、CSEの学位認定をOレベルに「変換」するために個別の学習コースを取らなければならなかった。

GCSEの導入に先立つ1980年代に、この2つの認定を統合する試みが行われ、一部の科目で「16+」試験を実施して、CSEとOレベルの両方の認定書が授与された。 最後のOレベルおよびCSEの試験は1987年に行われた。

GCSEの導入

GCSEは1988年に導入され[3]一般教育修了上級レベル(日本における高等学校卒業程度認定試験に相当)や大学での学位取得など、後期中等教育や高等教育に進学せず、16歳で教育課程を卒業することを選択した人に対する国家資格として確立された。CSEとOレベルが統合されたことで、より多くの学生が同じ基準により評価されるようになった。ただし、試験問題には受験者の能力の高低に応じて用意された複数の問題から選ばせるものもあった。

導入時には、AからGで等級付けられていた。CはOレベルのグレードCまたはCSEのグレード1とほぼ同等に設定され、おおむねOレベルのグレードCおよびCSEのグレード1のそれぞれ上位25%が該当するものとされた。


  1. ^ 北アイルランドでは、11年生から始まり、11年生の終わりまたは12年生の終わりに試験が行われる。英国の他地域では4-5歳の生徒はレセプションと呼ばれて0年生と扱われるが、北アイルランドでは1年生と扱うので1年ずれている。GCSEは、以前のOレベル(一般教育修了基本レベル)およびCSE(中等教育修了資格)の代わりとして導入された。
  1. ^ “Covid: GCSE and A-levels in Wales cancelled for 2021” (英語). BBC News. (2020年11月10日). https://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-54888376 2020年11月30日閲覧。 
  2. ^ 初等中等教育と高等教育との接続の改善について(答申) 参考資料”. 平成11年12月16日中央教育審議会答申. 中央教育審議会 (1999年12月16日). 2022年5月8日閲覧。
  3. ^ Brooks, Ron (2014) [First published 1991]. “A decade and more of debate”. Contemporary Debates in Education: An Historical Perspective. New York: Routledge. pp. 21–23. ISBN 978-0-582-05797-5. OL 1863538M. https://books.google.com/books?id=MGagBAAAQBAJ&pg=PA21 
  4. ^ English Baccalaureate (EBacc)” (英語). GOV.UK. 2020年3月4日閲覧。
  5. ^ First teaching from 2015 and 2016 | Pearson qualifications” (英語). qualifications.pearson.com. 2017年11月29日閲覧。
  6. ^ First teaching from 2017 | Pearson qualifications” (英語). qualifications.pearson.com. 2017年11月29日閲覧。
  7. ^ First teaching from 2018 | Pearson qualifications” (英語). qualifications.pearson.com. 2017年11月29日閲覧。
  8. ^ WJEC GCSE Qualifications” (英語). wjec.co.uk. 2017年11月29日閲覧。
  9. ^ Qualifications” (英語). www.aqa.org.uk. 2017年11月29日閲覧。
  10. ^ Qualifications” (英語). www.eduqas.co.uk. 2017年11月29日閲覧。
  11. ^ Latest news and information on the GCSE reform programme – OCR” (英語). ocr.org.uk. 2017年11月29日閲覧。
  12. ^ CCEA (2014年2月12日). “General Certificate of Secondary Education (GCSE)” (英語). ccea.org.uk. 2017年11月29日閲覧。
  13. ^ Department for Education (2019年3月15日). “English Baccalaureate: eligible qualifications”. UK Government. 2019年9月7日閲覧。


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