随伴現象説 問題点

随伴現象説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/31 03:24 UTC 版)

問題点

随伴現象説に関する問題点としては、次の二つがよく知られている。 ひとつめは次のようなものである。

  • 意識が物理現象にたいして何の影響も及ぼさないなら、そんな意識などあってもなくても、どちらでも良いのではないか?

この考え方を如実に表したのが、哲学的ゾンビの話である。 意識というものがこの世にある必要を問うという哲学的問題につながるが、同程度に必要の無いものは、この世にいくらでもあるのであり、実用上の問題は無い。

もうひとつの問題点は

  • 意識が物理状態に対して何の影響も及ぼさないなら、なぜ私達は意識やクオリアについて、語れているのか?

というものである。随伴現象説によれば、意識・クオリアの世界から物理現象の世界へ影響を与えることは決してない。意識・クオリアの世界にある情報を脳細胞はいったいどのようにして仕入れてきたのか?この問題は現象報告のパラドックスと呼ばれている。 随伴現象説を忠実に採用するならば、全てのクオリア及びクオリアの変化には、必ずそれに対応する物理状態及び物理状態の変化が必ず存在するわけであり、意識の世界だけで起きた反応というものは全く存在しないので、現象報告のパラドックスは存在しない。

私達が意識について語るとき、話し手の口が動き、空気が振動し、聞き手の鼓膜が揺さぶられる。これらは全て物理現象であり、私達が意識やクオリアについて「語れている」のは、意識の世界だけで起きた反応というものは存在せず、意識に対応する物理的状態の変動が必ず存在するからであると、随伴現象説では説明するのである。




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