天珠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 08:18 UTC 版)
概要
チベットに於いてはこれらのビーズはジーもしくはズィと呼ばれ、世界的にはジービーズとして通用する。
中国や台湾を中心に東洋の一部地域ではジービーズとは直接的な繋がりのない造語である天珠と呼ばれることもあるが、現在のチベットと中国との関係を踏まえ、また植民地時代の地名が各国のオリジナルの地名に戻されている世界の時勢に習い、チベットで古来より呼ばれ続けてきたジーという名称がチベットの人々が築いた文化を尊重する上でも望ましい姿であると言えるだろう。
現状ではジービーズの起源は紀元前5世紀前後と推定され、出土品が現在のアフガニスタン北部からパキスタン北部に集中している。また、ジービーズ誕生以前から存在するナトロン等で加工されたエッチドカーネリアンはジービーズの技術的基礎を築く上で大きな影響を与え、さらに、古代中東地域やユーラシアで広く護符等として流通した瑪瑙ビーズ(チベットではルックミなどと呼ばれる)はジーの思考の源になったともいえる要を有していると言われる。
ジービーズには様々な文様が存在するが、これらの文様がどういう意味を成すのかは現在の考古学上明確な判断は全くできていない。つまり文様云々を誇張し、客観的根拠もなくその文様がそれぞれ意味を成すような発言は過剰であり、過去の歴史を事実と共に検証し、伝えていくことが何より重要である。
また近年では法螺天珠や蒙天珠と言った歴史的観点からも同一性が無く脈絡の無い天珠まがいの物が多く出現している。
ギャラリー
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産地
紀元前後から続くオリジナルのジービーズは西はアラビア半島から東はマレー半島にまで出土品が確認されており、当時ユーラシア大陸の広範囲に渡り流通していた護符であるといわれる。
よくチベットで誕生などと言われることが中国や日本など一部で言われているが現在の考古学では確固たる事実は認められず、古代チベットの文化水準やその他周辺地域の文化発展状況を鑑みれば、原状ではチベットでの生産は懐疑的と言わざるを得ず、ローマやエジプト等の古代ビーズの発生を参考にしてみてもやはり古代に生産された一部がチベットにも渡ったというのが定説である。
老天珠と老礦天珠の二つに分けられる
老天珠とは様々な科学的手法により石の鑑定をしなければいけない。しかし老礦天珠(ろうこうてんじゅ)の場合その多くは「古い地層のメノウやギョクズイ」を使い今の時代に作られた物(現代天珠)であり、売り手側もこの辺りを認識せず「老」と付いているだけで老天珠として販売をしているところも散見される。そういった側面からもしっかりと区別する必要がある。なお天珠の産地に関してはその原石がどこで採掘された物かで産地とする場合と、どこで加工されたかで産地を決める。この二つの方法があるようだ。
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