ヴァン・ヘルシング 原作における活躍

ヴァン・ヘルシング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 03:57 UTC 版)

原作における活躍

ヴァン・ヘルシングが作中に登場するのは物語中盤の第10章(名前だけなら第9章)である。

精神科医ジャック・セワードは、自身の患者であり、求婚したこともあった19歳の美しい女性ルーシー・ウェステンラが原因不明の眠り病に冒されていることに対し、オランダにいる恩師ヴァン・ヘルシングに手紙を書いて助けを求める。かつてヘルシングはセワードに命を救われた過去を持っていたため、師弟以上の交友関係があり、手紙を受けたヘルシングは過去の恩を返せるとしてすぐにイギリスへとやってくる。

ルーシーを診察したヘルシングはこれが吸血鬼の仕業だとすぐに見抜く。この吸血鬼とはドラキュラ伯爵のことであるが、この時点では彼らはまったくドラキュラのことを知らない。ヘルシングは吸血鬼が嫌うというニンニクの花を彼女の家の至るところに飾り、さらにはニンニクの花で作った花輪も彼女につけさせ、常に首筋を隠すよう忠告する。しかし、普通であれば荒唐無稽な話のため、混乱を避けるために吸血鬼対策とは周りに教えなかったことが仇となり、家の使用人がニンニクの花を片付けてしまい、最終的にはドラキュラによってルーシーは死ぬ。

ヘルシングは、ルーシーの仇を討ちたいセワードや彼女の婚約者ゴダルミング卿、モリスらに助力することを決意し、仲間たちに吸血鬼について説明する。やがてルーシーの友人ミナを通して、ジョナサン・ハーカーの日記を読み、ドラキュラの存在を知る。一方でルーシーが吸血鬼化したことにも気づき、彼女の墓を暴いてこれを証明し、仲間と共にこれを討つ。

ジョナサンの日記からドラキュラの計画を看破したヘルシングは、彼が自身のアジトに運び込んだ故郷の土を浄化することで逃げ道を防いでいき、最後に討伐する策を立てる。計画は途中まで上手く進むが、ドラキュラは報復としてヘルシングらを出し抜いてミナを襲い、彼女に吸血鬼化の呪いをかける。一転して窮地に立たされるも、ヘルシングはドラキュラとミナがテレパシーで繋がったことを逆用し、催眠術を使ってドラキュラの居場所を探知する。

追い詰められたドラキュラは、一足早くトランシルヴァニアへ逃亡するが、ヘルシングらはそれも察知する。ジョナサンの案内でトランシルヴァニアに向かったヘルシング一行は城へ向かうドラキュラの先回りに成功する。ヘルシングたちは二手に分かれることにし、ヘルシングはミナと共にドラキュラ城へ向かい、女吸血鬼3人を討伐し、仮にドラキュラが戻ってきても城に入れないよう浄化を行う。その後、ヘルシングはジョナサンとモリスがちょうどドラキュラを討伐したところに合流する。

最後に7年後のことに言及したヘルシングの手記が示され、関係者は全員幸福な生活を送っていることが明かされる。








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