メナウリオン メナウリオンの概要

メナウリオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/20 20:10 UTC 版)

概要

長さは2.7-3.6メートルであった[2]。強度を確保するため、柄はオークミズキの若木一本から切り出して作ることが多かった。そしてその先に、45-50センチメートルの長い刃が取り付けられた[3]

用兵

6世紀のヨハネス・マララス英語版は、『クロノログラフィア英語版』第6巻で「ウィナウロン」(vinavlon)に言及している。これは後世のメナウリオンと同じものを指していると考えられているが、マララスの文中では騎兵の武器とされている。

メナウリオンの使用法は、ニケフォロス2世フォカスの軍事論文『プラケプタ・ミリターリア』や、Nikephoros Ouranos英語版レオーン6世の『タクティカ英語版』、10世紀の有名な論文『Sylloge Tacticorum英語版』に記されている。「メナウリア」(メナウリアトイ、単数ではメナウリアトス)を持った兵士は戦列の後方に配置され、敵騎兵が突撃してきたときだけ前進を命じられた[4]Sylloge Tacticorumでは突撃を受ける前に「メナウリアトイ」の配置を十分済ませておくとしているが、ニケフォロス2世フォカスはこの戦術を強く批判している[5]。もう一つの用兵として、味方の歩兵陣の側面で、投槍兵とともに斜めに布陣する方法も示されている。この場合、彼らは直接的の側面に攻撃を仕掛けることが期待された[6]。また東ローマ式の重歩兵陣の間に配置され、敵から軽歩兵を守る役割も担った。野営地では出口を守備した[7]

コンスタンティノス7世ポルフュロゲネトスは『儀式の書英語版』において、膨大な数の「メナウリア」を製造するよう命じている[8]

外部リンク


  1. ^ Timothy Dawson; Angus McBride (2007). Byzantine Infantryman: Eastern Roman Empire c.900-1204 (Volume 118 of Warrior Series). Osprey Publishing. p. 58. ISBN 978-1-84603-105-2 
  2. ^ Nikephoros Ouranos, Taktika, 56.8
  3. ^ Kazhdan, Alexander, ed (1991). Oxford Dictionary of Byzantium. Oxford University Press. p. 2192. ISBN 978-0-19-504652-6 
  4. ^ Nikephoros Phokas, Praecepta Militaria, I.10
  5. ^ Nikephoros Phokas, Praecepta Militaria, I.9
  6. ^ Nikephoros Ouranos, Taktika, 56.13
  7. ^ Nikephoros Phokas, Praecepta Militaria, V.34
  8. ^ Constantine VII Porphyrogenitus, De Ceremoniis Aulae Byzantinae, II.44


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