ムトゥリク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/13 01:40 UTC 版)
経済
第一次・第二次産業
ムスキスの経済においてはビスケー湾が大きな役割を持っている。歴史的にムスキス経済の主要な推進者となっていたのは漁業であり、缶詰工場に原料を供給していた。2000年代末から漁業部門は世界的な経済危機の影響を大きく受けており、現在も稼働している漁船は数隻しか残っていない。農村地域における農業は農家の自給自足および地元で消費される農作物を生産しており、余剰作物は地域の市場で販売される。少数の家畜も存在する。農村地域ではマツや他の針葉樹を用いた林業も行われている。
漁業部門への補助はまだ展開されている。歴史的に町の主要な産業だった缶詰工業は、地域内で販売される金属製品の工房に仕事を与えている。サトゥララン川沿いの平地は開発可能な土地を提供している。自治体内の主要な企業には、缶詰工業のユリタ・エ・イホス(Yurrita e Hijos)株式会社[1]、医療器具製造のメテク・モトリク(Metec Motric)株式会社[2]、身体障害者などを雇用しているカテアレガイア工房[3]などがある。
第三次産業
ムトゥリクの第三次産業は極度に観光業に依存している。ムトゥリクにはいくつかのキャンプ場や多数のレストランがあり、近隣のデバを訪れる観光客の食事もまかなっている。大都市住民にとって人気のバカンス地にもなっている。
波力発電所
2011年7月8日にはムトゥリク波力発電所が商用発電を開始。この波力発電所は世界初の防波堤設置型波力発電所であり、マルチタービンを持つ[4][5]。2008年にはポルトガル北部のポヴォア・デ・ヴァルジン近郊で世界初の商用波力発電所が稼働を開始しているが、技術的・経済的な問題によって2009年に営業を停止していた[5]。
ムトゥリクの波力発電所の建設はバスク州政府産業省エネルギー局が主導し、欧州委員会による資金援助を受けて670万ユーロの予算で開始された[5]。波の振動による圧力から空気振動を発生させ、空気振動でタービンを回転させる振動水柱型発電法が採用されている[5]。2012年時点では計16のタービンが年間60万kW/hを発電しており、600人分の消費電力を賄っている[5]。稼働開始から1年間で3,000人が波力発電所の見学に訪れており、観光スポットの一つにもなっている[5]。2010年代において波力発電はまだ発展途上の再生可能エネルギーではあるが、ビスケー湾沿岸の他都市のモデル事例となっている[6]。
- ^ “Yurrita e Hijos S.A”. Yurrita.com. 2013年9月6日閲覧。
- ^ [1] Archived 2011年2月6日, at the Wayback Machine.
- ^ “KL. katealegaia”. Grupokl.com. 2013年9月6日閲覧。
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2010年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月8日閲覧。 EVE
- ^ a b c d e f “カンタブリア海に浮かぶ波力発電所、世界初の成功”. Novajika (2012年3月27日). 2015年11月1日閲覧。
- ^ “再生エネルギーへの切り替えを進めるスペイン”. 駐日EU代表部公式ウェブマガジン (2013年7月10日). 2015年11月1日閲覧。
- ^ Poblaciones de hecho desde 1900 hasta 1991. Cifras oficiales de los Censos respectivos.
- ^ Cifras oficiales de población resultantes de la revisión del Padrón municipal a 1 de enero.
- ^ “Reultados elecciones municipales Motrico 2015”. スペイン内務省. 2015年6月13日閲覧。
- ^ “Reultados elecciones municipales Motrico 2011”. スペイン内務省. 2011年6月19日閲覧。
- ^ “Reultados elecciones municipales Motrico 2007”. スペイン内務省. 2011年6月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年6月19日閲覧。
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