ブッホ・コンツェルン コスモ・バビロニア

ブッホ・コンツェルン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 06:35 UTC 版)

コスモ・バビロニア

スペースコロニー・フロンティアIVでの「コスモ・バビロニア宣言」によって建国した新興コロニー国家。「バビロニア」は、人類史上初の成文法を成立させた古代バビロニアにちなんで名付けられた。ブッホ・コンツェルンの幹部たちが貴族として治め、その象徴(アイドル)となる女王としてロナ家の直系であるベラ・ロナを据えることをマイッツァーは考えていた。

『F91』で描かれたのは建国宣言までであり、それ以降の詳細は不明。『クロスボーン・ガンダム』の中では、象徴だったベラ・ロナが貴族主義を否定する宣言を行ったため組織が分裂して国が崩壊した、とだけ語られている。

クロスボーン・バンガード

ブッホ・コンツェルンの私設軍隊。コスモ・バビロニアの建国のための制圧、破壊活動を担う組織として設立された。

組織名は、中世の海賊旗に由来する「クロスボーン」に「尖兵」や「前衛」を意味する「バンガード」を組み合わせることで、「世直しを標榜し、実践する尖兵の軍隊」というようなニュアンスが込められている。一般市民の堕落とそれを是正しようともしない連邦政府の腐敗を正し、理想国家を実現するための尖兵として自らを規定し、コスモ・バビロニア建国の暁には解体し、人心の平安を守るための軍隊として再編されることが基本法に定められている。コスモ・バビロニア宣言以降はコスモ・バビロニアの国軍に移行した。

貴族主義に基づいて創設された軍隊であり、随所に古代の騎士を思わせる武器兵器や風習(巨大なビームフラッグを使って隊列を作るなど)が見られる。

ブッホ・コンツェルンが運営していた職業訓練校にそのルーツを持つ。ブッホ・コンツェルンの主事業であるジャンク業は、宇宙空間を漂流する様々な廃物の回収とその解体再生を中核としていた。それに伴う、時に遠方の僻地開発に耐えうる人材の育成の必要性から職業訓練校を運営していたが、これは同時に新時代を建設する実行力となる、優秀で旧来の思想に染まっていない若者たちを選抜する目的もあった。企業内で開発されたマシンの操縦訓練の枠を超えた軍事訓練が行われる一方、貴族主義思想の教育が行われ、やがて創設されるクロスボーン・バンガードの兵士としての鍛錬が秘密裏に行われていた。さらに、特に優秀な若者は連邦軍の士官学校にて正規の軍人教育を受けさせ、士官学校卒業者の義務である3年の連邦軍勤務も果たした上で帰還させた。給料と年金泥棒に堕している連邦軍人の退嬰を目の当たりにした若者達は、職業訓練校で教育された貴族主義思想をより強固なものとし、クロスボーン・バンガードの理想を体現する軍事指導者として育っていった。

学校の創設から始めて、全体的に質の高い兵力を揃える長期的な取り組みは奏功し、劇中でも当時の連邦軍将兵と比較して練度も士気も高く、コスモ・バビロニア建国時の戦闘では兵器の性能差と不意打ちの有利を差し引いても連邦軍を圧倒していた。コロニーを守るはずの連邦軍側は不思慮な攻撃により市民やコロニーにも被害を与え、戦闘地域を市街地などへ無闇に拡大し、果ては守るべき避難民達を盾にする所業に及ぶ体たらくは、指揮の徹底や迅速な命令遂行を為し、コロニーへの被害防止のため火器の使用を制限したクロスボーン将兵とはあまりに対照的だった。

増えすぎた地球圏の人口削減をも組織の目的とするが、鉄仮面ジレ・クリューガーのように手段を選ばない大量虐殺をすることを躊躇わない者もいれば、それに反発する者もいる。例えばザビーネ・シャルは鉄仮面の方針は快く思っておらず、バグによる大量虐殺を知った際には、計画を実行していた1人であるジレを射殺している。また、鉄仮面自身も劇中で「人類の10分の9を抹殺しろと命令されれば…」という発言をしたことと、それを実行に移すために強化人間となり精神を歪ませた旨の台詞を作中で述べているため、鉄仮面自身が大量虐殺を考案したという確証はない。このため単に命令されたから大量虐殺を行っただけという可能性もある。

このように、内部で方針が完全に統一されているとは言い難く、決して一枚岩の組織ではない。

所属部隊

ドレル大隊(15機)
カロッゾ・ロナの長男、ドレル・ロナが統率する隊。
ザビーネ大隊(15機)
クロスボーンバンガードのトップエース、ザビーネ・シャル指揮による隊。MSを黒く染め上げているところから、別名「黒の部隊(ブラックバンガード)」と呼ばれている。劇中でザビーネは「黒の戦隊」と称している。
アンナマリー小隊(3機)
アンナマリー・ブルージュが率いる偵察小隊。
ダーク・タイガー大隊(9機)
新機軸のMSテスト運用部隊。作品中での部隊長はシェルフ・シェフィールド大尉。ベルガ・バルスビギナ・ゼラ等をゼブラ・ゾーンで運用していた。この隊は赤く染め上げたMSを使用している。
その他
  • ゼルゲス大隊(15機)
  • ゼニス小隊(推定3機)
  • デス・ガンズ(3機)
  • 元連邦軍部隊(約30機)
  • その他(1機)

モビルスーツ、モビルアーマー


艦艇

ザムス・ガル

ZAMOUS GARR[15]

クロスボーン・バンガードの宇宙旗艦(宇宙戦艦[16])で、鉄仮面の座乗艦[17]。ブリッジを含む本体(ラフレシアを搭載[15])、左右のMSデッキおよびカタパルト、艦首部(ガル・ブラウ)の4つに分離が可能[17]。ブリッジを本体に収納することも可能であり、乗員の安全性を高めている[17](これはほかの艦にも共通する)。艦長はジレ・クリューガー[18]

ガル・ブラウは無人殺戮兵器「バグ」の運用母艦となるが、起動には膨大な電力の供給を必要とする[16]。本体との接合部の凹部が親バグのカタパルトとなる[17]

武装は2連装主砲×5、2連装副砲×2、2連装機関銃×6[16]

ザムス・ギリ

ZAMOUS GIRI[15]

主力宇宙戦艦[19]。砲門の数が多く、ジェネレーター出力なども優れることから[18]強力な火力をもち、艦隊戦でその威力を発揮する。ブリッジはザムス・ガルよりかなり狭く、クルーの数も約半分となっている。MSの搭載数は多くなく、カタパルトも1本であり、MSデッキのハッチがカタパルトの開始点となる[19]

武装は2連装主砲×4、2連装機関砲×4、2連装機銃×2[16]

ザムス・ジェス

ZAMOUS GESS[15]

宇宙巡洋艦[19]。ザムス・ギリ以上の航続力と推進力をもつ[19]。MSの搭載数は多く、空母の役割も果たす[20]。艦の前後にカタパルトを装備し、短時間で多数のMSを展開可能。前部のMSデッキ下面にハッチがあり、MSが帰還する際に使用される[19]

武装は2連装主砲×2[16]

同型艦
ザムス・ゼナ
小説および漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場。ダーク・タイガー大隊が、ゼブラゾーン付近でのベルガ・バルスやビギナ・ゼラの新型MSの運用試験の母艦としている。
ザムス・アダ
漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』に登場。シュティン・バニィール率いる部隊の母艦となる。

ザムス・ナーダ

ZAMOUS NAHDA[18][20] / ZAMOUS NADA[15]

駆逐艦。全長はザムス・ガルの約1/3で、火力もあまりないが、その機動性を発揮する奇襲や偵察・護衛を主任務とする。小型であるためカタパルトは装備されていないが、後部の上下左右に4基のMS発射台をもつ。また、収納したブリッジをそのまま緊急脱出用ランチとして分離・射出が可能となっている[19]

武装は2連装主砲×2[16]

宇宙海賊クロスボーン・バンガード

漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場。

宇宙世紀0120年代後半、ベラ・ロナによって活動を再開したクロスボーン・バンガード。「宇宙海賊」を名乗っているが、その目的は地球侵攻を企む木星帝国の野望を阻止することにある。

ベラを含む反貴族主義派は0128年、旗艦「バビロニア・バンガード」の処女航海中の事故により、公式には全員が死亡したとされるが実際には生還しており[21]、その事故(事件)は自分たちの陰謀に気づいた者を暗殺するという、木星帝国によるものであった[22]。修復したバビロニア・バンガードを「マザー・バンガード」として母艦とし、サナリィより実戦テストを兼ねてクロスボーン・ガンダムシリーズを譲り受け、木星帝国に対してゲリラ活動をおこなう。当初は木星側の公式発表のみが報道されていたため、地球圏では「ガンダムタイプのMSを使って木星の輸送船を襲う宇宙海賊」として認識されている[23]

反貴族主義者が母体となっているため、旧クロスボーン・バンガードとは理念が全く異なるが、貴族主義国家の復活を目論む[24]ザビーネが叛乱を起こした際には、彼にそそのかされ同調した者も何名かいる[25]。なお、叛乱はトビアの機転により鎮圧され、ザビーネのみ逃走して木星帝国に投降している[26]

主な関係者


主な所有兵器


宇宙海賊クロスボーン・バンガード残党

木星戦役終戦後、トビア・アロナクスなど戻る場所が無い者たちが中心となり、宇宙海賊としての活動を継続。規模は小さくなったが、木星戦役中に貴族主義者が離脱をするなど様々な試練を経た上でも残った仲間だけに、アットホームな団結力を持つ。

普段は運送・廃棄物処理・デブリ回収業会社「ブラックロー運送」として活動し、合法的手段で解決できない問題が発生した際にのみ海賊となる。エンブレムも「宇宙海賊クロスボーン・バンガード」時代までとは違い、ハート型のどくろと交差した2本の半月刀となっている。

『クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』序盤のサナリィ月面実験所における戦いでフリント全機を失い、唯一残ったX1もその後の木星帝国強襲作戦「鋼鉄の7人」で未帰還となったため、海賊組織としての戦力は喪失。残ったメンバーは「ブラックロー運送」としての活動のみを継続していた模様。

『クロスボーン・ガンダム ゴースト』の時代のブラックロー運送はオンモが会長に就き、デブリ回収技術での特許と、回収したMSをレストア(あくまでも「作業機」として使えるレベル)し販売することで急成長。MS本体の製造は出来ないものの、装備品などの兵器開発を独自に行える程の大企業として有名になっている。カーティス(=トビア)が率いる特殊部隊『蛇の足(セルビエンテ・タコーン)』からの依頼で、補給のために「ブラックロー運送」のマークのついた補給艦が登場している[27]が、会社の前身を知らない社員が大多数となっているため、本来はどの勢力にも協力せず、中立を表明しているにもかかわらず、蛇の足に協力していることが企業内でも問題とされている。

主な関係者
  • トビア・アロナクス
  • ベルナデット・ブリエット(テテニス・ドゥガチ)
  • オンモ
  • ウモン・サモン


主な所有兵器
  • リトルグレイ(母艦)


クロスボーン・バンガード(新生)

木星帝国強襲作戦「鋼鉄の7人」の17年後、奪われた宇宙細菌『エンジェル・コール』への対応を目的として地球に派遣された特殊部隊『蛇の足(セルビエンテ・タコーン)』が別名として名乗った組織名。その行動が木星圏にとっての利益を損なう反逆行為と認識されかねないため、その存在を極力隠し、あえて反逆者の仮面をかぶるため、木星共和国ユピテル財団当主テテニス・ドゥガチの判断で、「クロスボーン・バンガード」を名乗ることになった。隊長はかつてのクロスボーン・バンガードを知るカーティス・ロスコで、本人は「新生クロスボーン・バンガード」と称した。

表向きは宇宙海賊でありユピテル財団は関与しない集団だが、実質は木星共和国に属する組織であり、またかつてのクロスボーン・バンガードとの直接的な関係も無いが、隊長のカーティスの人脈があり、以前のクロスボーン・バンガードであったブラックロー運送の協力も取り付けている。そのエンブレムは『蛇の足』の名に因み、どくろの周りに足を持った2匹の蛇がいる、というものになっている。

なお、『蛇の足』という名称は「(本来ヘビに足は無いので)存在しないもの」という意味合いで、表面上は存在していない部隊という事を示している。

主な関係者


主な所有兵器




  1. ^ MS大図鑑5 コスモ・バビロニア建国戦争編 1991, p. 57.
  2. ^ B-CLUB 69号 1991, p. 24-25.
  3. ^ MS大図鑑5 コスモ・バビロニア建国戦争編 1991, p. 40.
  4. ^ クロスボーン1 1995, p. 65.
  5. ^ クロスボーン4 1996, p. 93.
  6. ^ クロスボーン2 1995, p. 104.
  7. ^ TwilightAXIS6 2017.
  8. ^ TwilightAXIS16 2017.
  9. ^ a b TwilightAXIS9 2017.
  10. ^ 漫画TwilightAXIS3 2019, p. 42.
  11. ^ TwilightAXIS5 2017.
  12. ^ マイッツァー自身が劇中でセシリーに、戦いでは一般人は恐怖を感じれば逃げる事が許されるが貴族にはそのような行為は許されないという具体的な例を語っている。
  13. ^ 『機動戦士ガンダムF91』劇中、戦闘で一般市民に犠牲者を出した「連邦の将兵」についてマイッツァーが、「これが絶対民主主義に則った軍の実態だよ」と批判をする。ただ、民主主義そのものを難じているのではない。また「人権は平等だ」とも言っている。
  14. ^ 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』でのザビーネ・シャルの台詞より。
  15. ^ a b c d e F91オフィシャルエディション 1991, p. 86.
  16. ^ a b c d e f データコレクションF91 1998, p. 97-98.
  17. ^ a b c d NT100% F91 1991, p. 52.
  18. ^ a b c F91パーフェクトファイル 1991, p. 115-117.
  19. ^ a b c d e f NT100% F91 1991, p. 54-55.
  20. ^ a b ラポートDX F91 1991, p. 30-31.
  21. ^ クロスボーン1 1995, p. 66.
  22. ^ クロスボーン1 1995, p. 85-88.
  23. ^ クロスボーン1 1995, p. 17-18.
  24. ^ クロスボーン3 1996, p. 85.
  25. ^ クロスボーン3 1996, p. 80-83.
  26. ^ クロスボーン3 1996, p. 96-101.
  27. ^ 『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』3巻、66頁。





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