フルオロウラシル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/06 03:27 UTC 版)
併用禁忌
ソリブジン
ソリブジン(商品名ユースビル)日本商事製造販売・エーザイ共同販売)は、癌による免疫力低下で発生するリスクが高い帯状疱疹の治療薬として、1993年に上市された。代謝物がフルオロウラシルの代謝を阻害して副作用を強く出現させる。そのため、ユースビルが発売されて間もなく、5-FUの類を投与されていた癌患者を中心に15人の死者を出す一大薬害を引き起こした。
発生機序としてソリブジンは体内でブロモビニルウラシルに代謝される。このブロモビニルウラシルはフルオロウラシルの代謝酵素と結合して不可逆的に阻害することによりフルオロウラシルの蓄積が生じる。このことにより骨髄抑制などの中毒症状を引き起こす。
なお、「ソリブジン事件/薬害」と称される5-FUとの相互作用問題から、1993年にユースビルの自主回収後に承認が取り下げられ、製造打ち切りから相当期間が経過したため、1999年12月までに5-FUなど相互作用が関係する医薬品添付文書から併用禁忌を含めソリブジン(ユースビル)に関する記述は削除された。
TS-1
TS-1は、テガフールという5-FUのプロドラッグと拮抗剤の複合薬で、5-FU製剤を併用するとフルオロウラシルの代謝を阻害することとなり、血中濃度を上げる。
参考文献
- 「5-FU注250協和」医薬品インタビューフォーム・2006年1月作成(協和発酵工業)
- Cho SH, Kim JH, Park BK, et al. (1997). “The effects of Mesima-EX, the immunomodulator in curatively resected gastric cancer.”. J Korean Cancer Assoc. 29: 800-806 .
関連項目
- ^ The interactive pathway map can be edited at WikiPathways: “FluoropyrimidineActivity_WP1601”. 2016年5月1日閲覧。
フルオロウラシルと同じ種類の言葉
- フルオロウラシルのページへのリンク