ファーンボロー空港 事件、事故、インシデント

ファーンボロー空港

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 18:02 UTC 版)

事件、事故、インシデント

1952年ファーンボロー航空ショーにて展示飛行を行った、デ・ハビランド シービクセンのプロトタイプ機が墜落し、乗員2名(ジョン・デリー、トニー・リチャーズ)を含む31名が死亡した(ファーンボロー航空ショー墜落事故)。これを機に、イギリス国内の航空ショーの安全規制が変更された[13]

1984年9月4日、同じく航空ショー中にSTOL能力の展示を行っていたデ・ハビランド・カナダ DHC-5が着陸操作中に滑走路に衝突した。これによって機首がつぶれ、プロペラが故障し、機体は滑走路上でスライドして止まった。しかし、搭乗員2名と乗客はいずれも無事で、負傷者も出なかった。事故調査の結果、強風下におけるパイロットエラーが原因であると結論づけられた[14]

空港拡張計画・反対運動

ファーンボロー空港はもともと年間発着数上限2万8千回、週末の発着数上限2,500回に制限されていた。2005年10月、空港を運営するTAG社は地元自治体に対して週末の発着数上限の引き上げを申請した。この申請は即時却下されたが、2008年3月、イングランド政府によって認められた。その後2009年には年間発着数上限を5万回まで引き上げる申請を地元自治体に申請し、これも却下された。また、これは政府からも却下された。2011年2月、国の統合理事会は2019年までに年間発着数上限5万回を認めることを決定した[15]。この姿勢は、地方政府担当大臣のエリック・ピックルズがTAG経営者同席のロビイングディナーに参加した後、緑の党から問題視された[16]

2010年時点で23,511回だった年間発着数は2014年には23,944回に増加した[17]。しかし、2014年2月にはTAGファーンボローは顧客の予測可能性を上げるため、サウス・ダウンズの標高程度まで飛行高度を下げることを申請した[18]。この申請に対し反対者側は、これによってより多くのフライトが西側へダイバートすることになり、衝突の危険性が高まるうえ、騒音や二酸化炭素排出量が増加すると主張した[19]。TAG社の提案に対するコメント期間は延長された[18][20]。2018年7月、民間航空局はこの申請を認めたが、その実施は2020年までずれ込んだ。その後、2018年には年間発着数は29,958回となった[17]

航空ファンへの対応

スポッティングを楽しむ地元航空ファンとの関係を強化するため、ハンプシャー警察は新しいルールを設定した。当初は空港管理者によって運用されていたが、現在はプロジェクト・ペガサスの後援により運用されている[21]

このメンバーシップに入っても、一般人より何か特別な権利が与えられる訳ではないが、このルールによって警察と航空ファンの緊密な連携が可能になった。また、このスキームで定期的に空港ツアーが計画され、制限エリア内での撮影や、TAGアビエーション代表との座談会なども開かれている。


  1. ^ Farnborough – EGLF
  2. ^ Airfield Specifications”. Farnborough Airport. 2024年2月9日閲覧。
  3. ^ Appendix B: Rushmoor Borough Maps”. Rushmoor Borough Council. p. 2/11. 2022年9月4日閲覧。 - The map shows the airport in Rushmoor.
  4. ^ "Rushmoor Local Plan Review (1996-2011)." Rushmoor. Adopted August 2000. 125 (1/39). Retrieved on 30 September 2010.
  5. ^ Wragg, David W. (1973). A Dictionary of Aviation (first ed.). Osprey. p. 129. ISBN 9780850451634 
  6. ^ Farnborough – Towns and Villages in Hampshire”. Visit Hampshire. 2012年8月31日閲覧。
  7. ^ Fowler, Omar (2005年8月4日). “BBC – WW2 People's War – 1940”. BBC Online (bbc.co.uk) (London: BBC). OCLC 40412104. オリジナルの2014年4月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140416031055/http://www.bbc.co.uk/history/ww2peopleswar/stories/82/a4778382.shtml 2014年4月10日閲覧。 
  8. ^ Barracks and Airport provide location for Bond film”. Get Hampshire (2008年10月30日). 2011年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月31日閲覧。
  9. ^ a b Barracks and Airport provide location for Bond film”. Get Hampshire (2008年10月30日). 2011年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月31日閲覧。
  10. ^ Additional information”. 航空事故調査局(AAIB). 2008年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月2日閲覧。
  11. ^ DIRECTORATE OF ENVIRONMENTAL SERVICES REPORT NO.PLN0548 SECTION C”. ラシュムア・バラ・カウンシル (2005年7月20日). 2010年10月19日閲覧。
  12. ^ New headquarters for rail accident investigators”. Government of the United Kingdom (2012年11月8日). 2023年2月20日閲覧。
  13. ^ "On This Day – 1952: Dozens die in air show tragedy." BBC News, 6 September 1952.
  14. ^ Aviation-Safety.net accident synopsis, C-GCTC”. 2011年3月17日閲覧。
  15. ^ TAG Farnborough Website”. 2011年3月10日閲覧。[リンク切れ]
  16. ^ Brighton and Hove Greens lead the way in refusing to be bullied into freezing council tax”. イングランド・ウェールズ緑の党 (2012年1月25日). 2024年2月7日閲覧。
  17. ^ a b Rushmoor Borough Council”. 2019年10月11日閲覧。
  18. ^ a b TAG Farnborough Airspace Change Proposal”. 2014年4月16日閲覧。
  19. ^ Alton Herald. (2014-03-27). http://www.altonherald.com/News.cfm?id=10516&headline=Safety%20fears%20over%20airspace%20plans 2014年4月16日閲覧。. 
  20. ^ TAG's ACP Consultation web-site”. 2014年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月25日閲覧。
  21. ^ Project Pegasus Scheme details”. 2015年6月17日閲覧。


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