ナガコガネグモ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 08:54 UTC 版)
習性
人家周辺から山麓までに生息し、明るい草原に多く、水田にも頻出する。あまり高くないところに中型の垂直円網を作る。クモは常に網の中央に頭を下に陣取る。隠れ帯をつけることが多い。他のコガネグモ類は足を伸ばす方向に沿ってX字状につけることが多いが、本種ではその形につけることは少ない。幼生ではジグザグに糸を張った馬蹄形が多く、亜成体では縦長の菱形となり、成体では縦に伸びたジグザグのリボン状が普通である[5]。
刺激を受けると、網を強く揺さぶる行動をとる[3]。
産卵は大きな卵嚢を形成する。雌は草の間に不規則網状の足場を作り、直径2-3cmにもなる西洋なし型、坪状の卵嚢をつける。上面はくぼんで壺の口を形成するが、その内側には丈夫な幕があり、内部は閉ざされている。壺内部には、クッションのような綿状の糸に包まれて、900個ほどの卵がまとめられている。
卵嚢について
コガネグモなど、同属の他の種では、より扁平な卵嚢を形成する例が多い。それらでは不規則な多角形のシート二枚の間に卵が納められる。産卵の際は、まず片面の膜を糸で作り、その上に産卵して、それを覆うもう一枚の膜を作るようにする。その点、この種の卵嚢は一見では異質である。
しかし、その産卵の過程をみると、雌グモはまず、壺の蓋に当たる幕を糸で形成し、その下面に腹部を押しつけ、産卵を行い、このようにして糸の幕にぶら下がったようになった卵塊に、下から糸を巻き付けることでクッションを作り、最後にそれを壺の壁に当たる膜で覆う。つまり、下側の幕が壺状に大きくふくらんではいるが、やはり二枚の幕に挟まれた形をなし、基本的には同じ構造といえる[6]。
- ナガコガネグモのページへのリンク