セッド 神話

セッド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/08 09:52 UTC 版)

神話

不浄の三神の筆頭にして狂える神ラグナグラー (Ragnaglar) によって暴行を受ける前は、セッドは名も知られぬ小神の一人に過ぎなかった。ラグナグラーは幼いころに嫉妬深い巨人たちによる拷問を受けて気がふれており、セッドはその代償をラグナグラーの代わりに一族の長であるとともにラグナグラーの弟でもあるオーランスに求めた。

兄の所業を恥じ、また一族の長として公正であろうとした若い日のオーランスはセッドの訴えを認め、ラグナグラーを正式にセッドの夫として一族に迎え入れ、さらに一族に対する面当てにも等しい暴行の女神となることを認めざるを得なかった。

ラグナグラーとセッドの子孫が、ブルーとして知られるヤギの頭と蹄を持つ半獣半人の一族である。ブルーはほとんどが雄であり、セッドによる加護のもとで他の生物を孕ませて繁殖することができる(なお。相手が男性であっても孕ませることは可能であり、時には植物や鉱物との間で繁殖することすらある)。ブルーの幼体は母体を食い破ることによってこの世に生まれ出る。

後に小暗黒期と呼ばれる混乱の最中に、セッドはラグナグラーとその妾である暗黒の精霊マリアと語らって世界に混沌の侵入を手引きし、不浄の三神として神話に呪われた名前を残すことになった。このとき世界に侵入してきた混沌により引き起こされた破壊と殺戮の嵐は、後に大暗黒として知られることになる。

大暗黒期にセッドはカイガー・リートールに打ちのめされて生皮を剥がれた。グローランサの神話では以降、ブルーは求心力を失い、大規模な軍事的、政治的集団を作ることができなくなった、とされる。

しかし、非人類としては今なおブルーは全世界規模で一般的な混沌の勢力であり、必然的にセッド信仰も全混沌神中最大の勢力を誇るといえる。








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