シフトキー 「シフトキー」の成り立ちと多様化

シフトキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/28 01:47 UTC 版)

「シフトキー」の成り立ちと多様化

当初のタイプライターでは、構造上1つのキーには1つの文字しか割り当てることができず、そのため、初期のタイプライターは大文字しか打ち出せなかった。そんな中、1878年にレミントン社によって「シフト動作」が考案された。プラテン下に配置していた印字機構を前後方向に一組増設し、シフトキーをタイプするとプラテン側が前後にずれる[1]。これにより、シフトキーによる文字の打ち分けが可能となった。このシフトキーは、文字キーの最下段の両端に1つずつ設けられ、小指で押すこととされた。なお、この「シフトキー」はレミントン社の特許であるため、特許が切れるまでは他社のタイプライターではシフトキーを採用できず、多種多様な文字を打ち出すために大量のキーを用意するか(和文タイプライターがそうである)、打ち出せる文字を制限するかしかなかった。

コンピューター用のキーボードも当初はタイプライターを流用したため、シフトキーの位置・機能・挙動はそのまま引き継がれた。コンピューター用のキーボードが作られ、シフト動作がハードウェア(キーボード)側ではなくソフトウェア (OS) 側で行われるようになると、タイプライターから踏襲されていた「シフトキーを押しながら文字キーを押す」以外の方式も可能となり、タイプライタ方式ではない挙動で機能する様々なシフト方式が考案された。シフト動作をするためのキーの制約もなくなり、専用のキーボードを用いたり、ソフトウェア的に変更したりして小指の外側下方位置以外のキーを用いたシフト方式も考案された。

日本では、コンピュータによる漢字かな混じり文入力の黎明期に生まれた親指シフト配列により親指によるシフトと同時打鍵方式が一般に紹介されたことが契機となって、様々なシフト位置・シフト方式が試されるようになった。

様々なシフトキーが試された今日の視点から見ると、文字キーとシフトキーの境目も必ずしもはっきりしたものではない。例えば、かな系配列における濁点キーは通常文字キーと考えられているが、論理的には「濁点シフトキー」と見なすことができる。逆に通常シフトキーと捉えられている親指シフト配列における反対側シフトキーを濁点キーと見なすことも可能である。本項ではシフトキーの範囲を一般より広く捉えて述べる。

以下では、シフトキーの機能を「シフトキーがある位置(担当する指)」と「シフトの挙動」に分けて記述する。これらは互いに独立しており、動作上矛盾しない限り組み合わせて使用することができる。

なお、タイプライターと同様の動作をするシフト方法を本項ではタイプライター方式と呼ぶことにする。








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