コンブ 分類と生態

コンブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 01:35 UTC 版)

分類と生態

海岸に打ち上げられたカラフトコンブ (Saccharina latissima)

コンブ科Laminariaceae Bory de Saint-Vincentには次の13属があり[5]マコンブなどが属するカラフトコンブ属、ネコアシコンブなどが属するネコアシコンブ属[6]や、カナダからチリに分布するジャイアントケルプの属するMacrocystis 属などがある[7][8]

  • Arthrothamnus Ruprecht ネコアシコンブ属[9]
  • Costulariella Petrov & Gussarova
  • Cymathere J.Agardh[5] ミスジコンブ属[10]
  • Feditia Yu.Petrov & I.Gusarova
  • Laminaria J.V.Lamouroux コンブ属[11](ゴヘイコンブ属[12]
  • Macrocystis C.Agardh
  • Nereocystis Postels & Ruprecht
  • Pelagophycus Areschoug
  • Phyllariella Y.E.Petrov & Vozzhinskaja
  • Postelsia Ruprecht
  • Pseudolessonia G.Y.Cho, N.G.Klochkova, T.N.Krupnova & Boo
  • Saccharina Stackhouse[5] カラフトコンブ属[13](コンブ属[12]
  • Streptophyllopsis Kajimura[5] クロシオメ属[14]

コンブ科の海藻は、日本列島では北海道沿岸を中心に三陸海岸などにも分布し、寒流親潮海域を代表する海藻であり、また重要な食用海藻であるだけでなく、大きな藻場を形成し多様な生態系を保つ働きもある。

コンブは胞子によって増殖する。コンブの胞子は大きさは5 µm程度であり、2本の鞭毛を持ち、海中を泳げるので、特に「遊走子(ゆうそうし)」と呼ばれる。遊走子はコンブの表面から放出され、海中の岩などに着生する。着生した遊走子は発芽して「配偶体」という微小な植物体になる。1個の遊走子から1個体の配偶体ができ、雄と雌の配偶体がある。雌雄の配偶体それぞれに精子が作られる。この卵と精子が受精し、受精卵が生長すると巨視的な「胞子体」、つまりコンブとなる。

近縁種

コンブ科と同じコンブ目に属する近縁な種としては、ワカメなどが属するアイヌワカメ科[15](チガイソ科[12])や、コンブの原始的な形と言われるツルモ科があり[16][17]、また、アラメカジメなどが属するレッソニア科が挙げられる[12][18]


  1. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  2. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版)
  3. ^ 吉江由美子、「海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究」 『日本水産学会誌』 2001年 67巻 4号 p.619-622, doi:10.2331/suisan.67.619
  4. ^ 米原万里『旅行者の朝食』にはソビエト連邦で深刻な食料品不足の時ですら誰にも買われず商品棚を満たしていた缶詰に「昆布のトマト煮」という物があったと書いてある。
  5. ^ a b c d Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2013年). “Family:Laminariaceae”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 2013年6月6日閲覧。
  6. ^ コンブ科 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月7日閲覧。
  7. ^ 大野正夫 「16 世界の海藻資源の概観」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.318-319.
  8. ^ Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2013年). “Macrocystis C.Agardh, 1820: 46”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 2013年6月6日閲覧。
  9. ^ ネコアシコンブ属 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  10. ^ ミスジコンブ属 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  11. ^ コンブ属 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  12. ^ a b c d e 吉田忠生・吉永一男 (2010) 日本産海藻目録(2010年改訂版), 藻類 Jpn.J.Phycol. (Sorui) 58:69-122, 2010 2013年6月9日閲覧。
  13. ^ カラフトコンブ属 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  14. ^ クロシオメ属 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  15. ^ ワカメ BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  16. ^ コンブ目 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月7日閲覧。
  17. ^ 川井浩史「海の森をつくる海藻, コンブ類のはなし」『プランタ』第82号、研成社、2002年7月、55-62頁、NAID 40005535422 
  18. ^ レッソニア科 BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人海洋研究開発機構構築 2013年6月9日閲覧。
  19. ^ https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/
  20. ^ https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/03_import/04_suisan/download/20220726_02.pdf
  21. ^ https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kokusai/index.html#r
  22. ^ a b “羅臼天然コンブ 霧中の初水揚げ 「流氷の影響それほどない」”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2014年7月15日). http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/551355.html 
  23. ^ 2.7 海藻類”. 国土交通省. 2020年2月9日閲覧。
  24. ^ 読売オンライン北海道発2004年8月2日 [リンク切れ]
  25. ^ 蔵囲昆布について 奥井海生堂
  26. ^ 川嶋昭二 「6 コンブ」『有用海藻誌』 大野正夫 編、内田老鶴圃、2004年、初版、ISBN 4-7536-4048-5、pp.59-60.
  27. ^ a b c d e f g h i 吉田忠生、鈴木雅大、吉永一男「日本産海藻目録(2015年改訂版」『藻類』第63巻第3号、2015年11月10日、144頁、NAID 40020642430 
  28. ^ zuleta42 (1570138200). “やわらかい福岡うどんはなぜ美味い?三大チェーンが語る「コシよりも大切なもの」”. メシ通 | ホットペッパーグルメ. 2019年10月19日閲覧。
  29. ^ 元北海道立函館水産試験場長 川嶋昭二. “形態的特徴から見た北海道産コンブの分類学的考察” (PDF). 北海道大学総合博物館. 2011年5月13日閲覧。
  30. ^ 早煮昆布は、その製造工程で出汁の成分は流れてしまうため、出汁を取るには向かない。
  31. ^ 総務省統計局の家計調査(2人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(平成23年(2011年)~25年(2013年)平均)で消費金額では富山市が2205円、消費量では青森市が668 gで1位だった。
  32. ^ 大阪府立大学ハーモニー博物館 発酵塩昆布 2013年6月11日閲覧。
  33. ^ a b 食品成分ランキング”. 2016年3月2日閲覧。
  34. ^ 日本で市販されている食品中のヨウ素含有量”. 日本衛生学雑誌. p. 729 (2008年9月). 2016年3月4日閲覧。
  35. ^ 「日本人の食事摂取基準」(2010年版)6.2.5 ヨウ素 (PDF) 厚生労働省
  36. ^ 布施 養善 「ヨウ素をめぐる医学的諸問題-日本人のヨウ素栄養の特異性」 『Biomedical Research on Trace Elements』Vol. 24 (2013) No. 3 p. 117-152
  37. ^ 軟水と硬水について
  38. ^ 硬水・軟水で料理の味が変わる
  39. ^ 軟水、硬水はどのように使い分けされているのでしょうか。
  40. ^ 橋爪一男「「ラミナリア」桿」『醫科器械學雜誌』第17巻第3号、日本医療機器学会、1939年9月20日、65-66頁、NAID 110002532213 
  41. ^ 宮部雅之「国産「ラミナリア」(「ヤポラミア」に非ず)に就て」『The Journal of Japanese Medical Instruments』第15巻第9号、Japanese Society of Medical Instrumentation、1938年3月20日、299-304頁、NAID 110002532165 
  42. ^ パピルス」『紙パ技協誌』第45巻第5号、紙パルプ技術協会、1991年、605-608頁、doi:10.2524/jtappij.45.6052018年1月14日閲覧 
  43. ^ 北海道昆布館”. 昆布館. 2018年1月15日閲覧。
  44. ^ a b c d Wikisource 李時珍『本草綱目』 草之八
  45. ^ 爾雅 釋草 199
  46. ^ 日本ひじき協議会わかめ健々学々
  47. ^ 武則要秘録
  48. ^ 奥井隆『昆布と日本人』日本経済新聞出版社〈日経プレミアシリーズ〉、2012年、初版、ISBN 978-4-532-26177-1、p.71
  49. ^ 奥井隆『昆布と日本人』日本経済新聞出版社〈日経プレミアシリーズ〉、2012年、初版、ISBN 978-4-532-26177-1、p.72
  50. ^ 宮本義己『歴史をつくった人びとの健康法』(中央労働災害防止協会、2002年、129-130頁)


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