単位制とは? わかりやすく解説

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学年制と単位制

(単位制 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/12 03:56 UTC 版)

学年制(がくねんせい)とは、各学年での教育課程の修了を繰り返すことによって学習していく方式のことであり、単位制(たんいせい)とは、授業科目を単位と呼ばれる学習時間数に区分して修得していく方式のことである。

概要

一般的に、単位制は、授業科目ごとに取得できる単位数が決まっており、卒業時に必要単位数がそろっているかどうかで卒業を判定することが多い。授業科目の学習成果を単位として修得していく方式は、後期中等教育(高等学校の課程など)以降で行われている。

単位制での単位認定は、通年単位制とセメスター単位制に分かれる。通年単位制は1年間の授業科目の学習成果によって単位を認定する制度であり、セメスター単位制は半年間の期ごとの授業科目の学習成果によって単位を認定する制度である。

多くの高等学校では、単位制と学年制を併用しており、学年制の高等学校では学則で決められた以上の単位を落とすと原級留置となる。原級留置になると、落とした単位以外のいわゆる既修得科目の単位は修得保留扱い[注釈 1]となり、既修得科目の授業を改めて受ける必要がある。

近年、高等学校や中等教育学校の後期課程で、学年制は用いず、単位制のみを用いる教育が増加しており、このような教育は、特に「単位制による教育」と呼ばれる。なお、すべての高等学校と中等教育学校の後期課程は単位制を採用しており、「単位制高等学校」の呼称は、学年制による進級認定を行わずに学習成果の評価を単位制によって行なっているという意味である。この場合、通年単位制で単位認定がされることが多い。

単位制高等学校による教育は、学年ごとの教育課程の区分を設けずに行われる(ただし、「ホームルームの時間」のみ学年単位の編成で実施する高校もある)。学年制併用の高校と違って原級留置はないが、必要な単位数が修業年限内で修得できない場合は卒業延期になる。

一方、多くの大学では、単位制のみを用いていることが多く、期単位のセメスター単位制で単位認定がされることが多い。大学では、2年次修了時点で、大学が定めた一定の単位数以上を修得していない場合は、原級留置とされ、翌年度も2年次に留められることがある(大学通信教育では、この限りではなく、4年次で卒業要件がそろわなかった場合などは、5年次、6年次のように、便宜上呼称する場合がある。10年次まで在籍可能な大学の場合は、10年次の時点で卒業要件を満たせなかった場合は、「除籍」となるが、その場合でも、理由を申告の上で、3年次編入の要件を満たせる場合は、再入学が可能である)。

専修学校は従前、小中学校同様に授業時間数のみ決められており、単位制を導入できなかったが、2012年に設置基準が改められ、専修学校でも単位制の採用が可能になった[1]。

1単位に必要な学習時間

大学、短期大学、大学院、高等専門学校
日本の大学制度における単位取得にあたっては、1単位あたり45時間の学修を必要とする内容をもって標準と規定されている。この学修時間には、授業時間のみならず予習・復習や課題作成などの自主学習時間も含まれる。講義および演習形式の授業では、45時間のうち15時間から30時間程度を授業時間に充てることとされている。従来は「90分授業×13回」といった運用も散見されたが、15回の講義確保が厳格に求められるようになった。これに伴い、前期終了時期の繰り下げや年度末の繁忙期と後期試験の重なりを回避する目的から、1回あたり「105分×15回」の授業形態を採用する大学も増加している。
実験・実習および実技形式の授業では、学外での自主学習が困難な性質上、授業時間そのものが「30時間から45時間」と長めに設定されることが多いため、理系学部においては履修コマ数が多くなる傾向がある。なお、芸術分野における個人指導による実技授業については大学側が定める授業時間をもって1単位とすることが認められているほか、卒業論文・卒業研究・卒業制作等についても必要な学修量を考慮して単位数を算定できる。理系学部の卒業研究では連日研究室に滞在する実態があるものの、与えられる単位数は拘束時間に対して少ないとされる。特に実験行程の長いバイオ系や有機化学系の研究室では、長時間の滞在が日常化しやすい。
高等教育における1単位は、高等学校の1単位と比較すると学修量ベースで約1.54単位に相当するが、実際の授業時間ベースでは約0.77単位に留まる。これは高度に専門的な大学の講義を修得するにあたり、15時間(または11.25時間)の対面講義に対し、30時間(または33.75時間)におよぶ十分な予習・復習・課題等の自主学習が前提とされているためである。
大学通信教育
卒業にあたっては、面接授業(スクーリング)で、30単位以上の修得が必要。ただし、後述の事例のように、科目の単位数と面接授業扱いとなる単位数が別となる例もある(この例では、スクーリングを受けたにもかかわらず、レポート(通信指導による課題)の提出を別途必要とする)。
大学によっても異なるが、講義科目でのスクーリング受講の場合、1コマ80分として、講義5コマと60分の試験を以って、スクーリング単位1単位を修得する(単位そのものの修得[注釈 2]は、単位数分に相当する、別途のレポート提出の合格が要件となる)。この例では、科目の単位自体は2単位となるため、別途レポートの提出をしないと、単位そのものの認定はなされない(講義のコマ数だけでは、2単位を充足しているとはみなされないため)。あるいは、講義11コマと60分の試験を以って、スクーリング単位2単位を修得する(単位そのものの修得[注釈 3]は、単位数分に相当する、別途のレポート提出の合格が要件となる)。
ただし、レポートの提出がない講義科目の場合は、1コマ80分として、講義7コマと60分の試験のみを以って、単位そのものを認定したうえで、スクーリング単位も1単位修得となる。
実技・語学科目であれば、1コマ80分として、実技・語学11コマと試験(場合によっては、実技12コマとなる例もある)により、スクーリング単位が1単位修得となる。こちらも、スクーリングコマ数だけでは、単位修得に必要なコマ数を満たしていないため、補うためのレポート学習が必要となる。
なお、大学通信教育での卒業要件として、面接授業での単位修得が30単位以上必要であるため、相当分のスクーリング単位を要する。ただし、科目の単位数とスクーリング単位が同一とは限らないので注意が必要。
高等学校、中等教育学校の後期課程
1単位時間を基本的に50分とし、標準で35単位時間の授業をもって1単位とされている。学習時間に換算すると、29時間10分である。
専修学校
高等課程では高等学校に準じ、専門課程では大学に準じている。
高等専門学校
大学の単位計算に準じた授業科目は5年間で60単位まで取得することができる。2年制の専攻科(学士課程)については大学の単位計算に準じている。

卒業・修了に必要な単位数

各学校種別における卒業(修了)に必要な最低修得単位数は、法令等の設置基準により以下のように定められている。実際の要件単位数は、各学校の規程に基づきこれを上回る範囲で設定される。

  • 大学:124単位以上
  • 短期大学
    • 2年制:62単位以上
    • ​3年制:93単位以上
  • 大学院:30単位以上
  • 高等学校:74単位以上
  • 高等専門学校:167単位以上

脚注

注釈

  1. ↑ 単位制高校に転学・編入学をする場合、学年制の高校での既修得単位が認定されるので完全に無効にはならない。
  2. ↑ この例では2単位科目相当。
  3. ↑ この例では4単位科目相当。

出典

  1. ↑ 単位制の学生が入学,専修学校で全国初 - 京都コンピュータ学院 2020年8月1日閲覧

関連項目


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