iso646.h
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 04:16 UTC 版)
標準Cライブラリ(libc) |
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一般 |
その他 |
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iso646.hとは、標準Cライブラリのヘッダーの一つである。演算子の代替つづりをマクロとして提供する。
代替つづり
iso646.hをインクルードすることによって、以下に示すマクロを使用できるようになる。それぞれが演算子と対応している。[1]
代替つづり | 演算子 |
---|---|
and | && |
and_eq | &= |
bitand | & |
or | || |
or_eq | |= |
bitor | | |
xor | ^ |
xor_eq | ^= |
compl | ~ |
not | ! |
not_eq | != |
iso646.hの利用例
iso646.hを利用する場面はほとんどなく、利用する場合の理由は、ISO646バリアント文字セットでCの記号が記述できなかったためである。[2] 現在はUTF-8などに移行しているためこのヘッダーを利用する必要はない。
ここではあえてiso646.hを利用した記述の例を記述する。
条件分岐の演算
以下のソースコードはiso646.hを利用したand(どちらも成立していればtrue)のサンプルである。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
if(((2 + 3) == 5) and ((4 - 3) == 1))
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
上記のソースコードは以下のソースコードと等価である。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
if(((2 + 3) == 5) && ((4 - 3) == 1))
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
ビットごとの演算子
以下はiso646.hを利用したor演算のサンプルである。 bitorとなっている部分をbitandに変えればand演算になる。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
if((1 bitor 2) == 3)
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
上記のソースコードは以下のソースコードと等価である。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
if((1 | 2) == 3)
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
代入演算子
以下のソースコードははiso646.hを利用したor演算のサンプルである。
or_eqとなっている部分をand_eqに変えればand演算になる。 また、or_eqをxor_eqに変えるとxor演算を行うソースコードになる。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
int x = 1;
x or_eq 2;
if(x == 3)
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
上記のソースコードは以下のソースコードと等価である。
#include <iso646.h>
#include <stdio.h>
int main(void)
{
int x = 1;
x |= 2;
if(x == 3)
{
puts("SUCCESS");
}
return 0;
}
C++におけるiso646.h
C++ではiso646.h(ciso646)は存在するもの、上記のマクロはすべて予約語となっているため、インクルードしても何も変わらない。 そのため、C++ではiso646.hを利用する必要は全くない。
C++では、ciso646は、std名前空間に属する。[3]
注釈
関連項目
外部リンク
- iso646.hのページへのリンク