PTOLEMYとは? わかりやすく解説

トレミー【Ptolemy】

読み方:とれみー

プトレマイオス英語名


Ptolemy

名前 プトレマイオス; プトレマエウス

クラウディオス・プトレマイオス

(PTOLEMY から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 21:18 UTC 版)

クラウディオス・プトレマイオス古代ギリシア語: Κλαύδιος Πτολεμαῖος, ラテン語: Claudius Ptolemæus, 83年頃 - 168年頃)は、数学天文学占星学音楽学光学地理学・地図製作学など幅広い分野にわたる業績を残した古代ローマの学者。英称トレミーPtolemy)。エジプトアレクサンドリアで活躍した。


注釈

  1. ^ 名高いアンティキラの機械も、一部バビロニアの理論に基づいているとされる。ヒッパルコス以降もバビロニア天文学は簡便な計算方法として生き残り、プトレマイオスの占星術書『テトラビブロス』に名残りを留める。また、バビロニア由来の天文定数は古代ギリシャ天文学にも引き継がれる。バビロニア天文日誌Asger Aaboe, Episodes from the Early History of Astronomy, New York: Springer, 2001, pp. 62–65. Alexander Jones, "The Adaptation of Babylonian Methods in Greek Numerical Astronomy," in The Scientific Enterprise in Antiquity and the Middle Ages, p. 99.
  2. ^ これは、これらの惑星の軌道離心率が小さい(軌道が円に非常に近い)からである。軌道離心率の大きな水星の場合は、月と同様の複雑な機構(prosneusis)を用いることを強いられている。
  3. ^ 出差とよばれる、主に太陽の重力の効果による円運動からのずれも説明できた。国立天文台の解説を参照。
  4. ^ アルフラガヌスの『天の運動と天文知識の集成』やイブン・ハイサムの『世界の配置』などがあり、それらは西欧でも中東でもよく読まれた。
  5. ^ 一連の議論については、例えば Claudius Ptolemy の後半や Evans, J. On the Origin of the Ptolemaic Star Catalogue - Part One, Journal for the History of Astronomy, Vol.18, NO. 3/AUG, P.155, 1987 や Gerd. G., The History of Ptolemy’s Star Catalogue,Springer, 1990 などを参照。これらの文献ではまた、プトレマイオスの他のデーターの取り扱いについても簡単なコメントがあり、体系的な誤差の処理の方法がなかったこと、全てのデータではなく取捨選択した結果のみがのせられていること、理論に合うデータを恣意的に選んでいる場合があること、またそれが必ずしも非合理的とも言えないことなどが指摘されている。
  6. ^ https://islamsci.mcgill.ca/RASI/BEA/Majriti_BEA.htm の第5パラグラフの中程を参照。東方の天文表を現地の経度に合わせて書き直す際に、経度の評価がなされた。
  7. ^ Diller, A., “The Ancient Measurements of the Earth”,Isis, 40, 1, No 119, 1949, 7–8. 本論文によると、エラトステネスの値とプトレマイオスの値の差は用いた「スタジオン」の違いに起因する可能性が高い。古代の地球の計測についてはウィキペディアのエラトステネスの項目なども参照。
  8. ^ この問題は「テトラコルドの分割」と呼ばれ、キタラという四弦琴の内側の二弦を調律する際に重要な問題であった[21]
  9. ^ 例えば、二次関数に正確に乗っている。また、二階差分が空気ー水、水ーガラス、空気ーガラスの3つの表ですべて共通の値。そして値に端数がない。
  10. ^ Smith(Smith 1996)は古代バビロニア天文学で用いられた手法だと推定している。また、Boyer(Boyer 1959)は入射角60度の場合を除いては理論計算だと述べている。
  11. ^ ただし、解法を初めて与えたのはイブン・ハイサム
  12. ^ ただし、光線と視線が同じ屈折や反射の法則に従うことは自明とされた。
  13. ^ ギリシア起源であることは確実とされるが、ヒッパルコス以前に遡る可能性は排除できない。
  14. ^ 現在、平面幾何のメネラウスの定理とよばれるものは、この定理の平面幾何版でメネラウス以前から知られていたと思われる。ここで指しているのは、この平面幾何の定理の球面幾何への拡張版で、現存する文献の中ではメネラウス『球面幾何』が初出。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l Jones, Alexander (16 October 2020). "Ptolemy (or Claudius Ptolemaeus)". Complete Dictionary of Scientific Biography. 2020年11月23日閲覧
  2. ^ a b c d O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “Claudius Ptolemy”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Ptolemy/ .
  3. ^ Katz, Victor J. (2009). A history of mathematics : an introduction (3rd ed ed.). Boston: Addison-Wesley. ISBN 0-321-38700-7. OCLC 71006826. https://www.worldcat.org/oclc/71006826 の"SIDEBAR6.2 Who Were the Alexandrian Mathematicians?”を参照。
  4. ^ 同様に、Netzも民族についての情報が得られるのは、例外的な場合に限られることを注意し、何人かの著名な「古代ギリシア」数学者が非ギリシア系である可能性を示す。 Netz, R., Greek Mathematicians: A Group Picture, in: Christopher Tuplin, T. E. Rihll., Science and mathematics in ancient Greek culture, Oxford: Oxford University Press. (2002). 本論文のp.199を参照。
  5. ^ a b c Plessner, M. (1960). "BAṬLAYMŪS". In Gibb, H. A. R.; Kramers, J. H. [in 英語]; Lévi-Provençal, E. [in 英語]; Schacht, J. [in 英語]; Lewis, B.; Pellat, Ch. [in 英語] (eds.). The Encyclopaedia of Islam, New Edition, Volume I: A–B. Leiden: E. J. Brill. pp. 1100–1102. {{cite encyclopedia}}: 引数|ref=harvは不正です。 (説明)
  6. ^ Abu Ma’shar, De magnis coniunctionibus, ed.-transl. K. Yamamoto, Ch. Burnett, Leiden, 2000, 2 vols. (Arabic & Latin text); 4.1.4.
  7. ^ Jones 2010, p. 68‘Ptolemy’s Doctrine of the Terms and Its Reception’ by Stephan Heilen
  8. ^ Bernal, Martin (1992). “Animadversions on the Origins of Western Science”. Isis 83 (4): 596–607 [602, 606]. https://eclass.uoa.gr/modules/document/file.php/PHS316/3.%20Bernal%20Animadversions%20on%20the%20Origins%20of%20Western%20Science.pdf 2020年11月23日閲覧。. 
  9. ^ J. F. Weidler (1741). Historia astronomiae, p. 177. Wittenberg: Gottlieb. (cf. Martin Bernal (1992). "Animadversions on the Origins of Western Science", Isis 83 (4), p. 596–607 [606].)
  10. ^ a b Murschel, 1995
  11. ^ Albert Van Heiden, 1985, pp.15-27.
  12. ^ ラテン語訳成立年代については、下記リンク参照。 https://ptolemaeus.badw.de/work/141
  13. ^ Langermann, Y. Tzvi. “Arabic Cosmology.” Early Science and Medicine, vol. 2, no. 2, 1997, pp. 185–213. のpp.185-186を参照。
  14. ^ Swerdlow, N.M. 2005. Ptolemy’s theories of the latitude of the planets in the Almagest, handy tables, and planetary hypotheses. In Wrong for the right reasons, ed. J.Z. Buchwald, and A. Franklin, 41–71 (Springer)を参照。『惑星仮説』では「軌道の物理的な説明をする」とのみあり、モデルを観測に合うように改善したとは書いていない。しかし、Swerdlowは『惑星仮説』のモデルは、観測を重ねて改良を続けた結果だと推測している。その根拠として、従円の傾斜と現代知られている軌道面と黄道面の間の角度がよく一致していることを挙げている。
  15. ^ Mozaffari, S.M. Planetary latitudes in medieval Islamic astronomy: an analysis of the non-Ptolemaic latitude parameter values in the Maragha and Samarqand astronomical traditions. Arch. Hist. Exact Sci. 70, 513–541 (2016).
  16. ^ 古代の『アルマゲスト』の受容については、Pedersen, Olaf, ed,2011 pp.13-14に簡潔な説明があり、また、Pingree, David. "The Teaching of the Almagest in Late Antiquity" Apeiron, vol. 27, no. 4, 1994, pp. 75-98 に詳しく論じられている。古代の天文学の進展については、Saliba, G., “Greek Astronomy and the Medieval Arabic Tradition: The Medieval Islamic Astronomers Were Not Merely Translators. They May Also Have Played a Key Role in the Copernican Revolution.” American Scientist, vol. 90, no. 4, pp. 360–367, 2002の p.360 に以下のように評されている:"Seven centuries passed before Ptolemy's writings reached the Islamic world, and there appears to have been relatively little development of the science during the intervening period.”
  17. ^ Langermann, 前掲, p.200
  18. ^ a b c テスター 1997, pp. 77–78.
  19. ^ a b ハルモニア論 2008, I.I.
  20. ^ 山本 2008, pp. 308–326.
  21. ^ a b ファーガソン 2011, p. 149.
  22. ^ a b 山本 2008, pp. 300–302.
  23. ^ 山本 2008, pp. 302–303.
  24. ^ ハルモニア論 2008, I.X.
  25. ^ a b c 山本 2008, pp. 344–345.
  26. ^ ハルモニア論 2008, III.XI-XVI.
  27. ^ a b c d ファーガソン 2011, pp. 262–267.
  28. ^ a b 山本 2008, pp. 287–289.
  29. ^ テスター 1997, p. 314.
  30. ^ Ross & Plug 1998.
  31. ^ Boyer 1959.
  32. ^ Ross & Ross 1976, pp. 377–395.
  33. ^ Sabra 1987, pp. 217–247.
  34. ^ a b Smith 1996
  35. ^ Alexander Jones. Peripatetic and Euclidean Theories of the Visual Ray. Physis 31 (1994) 47-76 (Pdf)
  36. ^ 『ギリシア数学史』 1998, p. 337.


「クラウディオス・プトレマイオス」の続きの解説一覧


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「PTOLEMY」の関連用語

PTOLEMYのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



PTOLEMYのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのクラウディオス・プトレマイオス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS