EARTH MARTとは? わかりやすく解説

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EARTH MART

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/05 23:04 UTC 版)

EARTH MART(アースマート)
EARTH MART
日本人1人が生涯に消費する平均的な卵の量の殻を使用した「巨大な卵のシャンデリア」
通称・略称 EARTH MART
正式名称 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)シグネチャーパビリオン EARTH MART
開催時期 2025年4月13日 - 10月13日
会場 大阪府大阪市此花区夢洲
主催 2025年日本国際博覧会協会
企画制作 オレンジ・アンド・パートナーズ 電通 電通ライブ 乃村工藝社 SPECIAL REQUEST
プロデューサー 小山薫堂
公式サイト
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EARTH MART(アースマート)は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)におけるテーマ事業「シグネチャーパビリオン」の一つ。放送作家・脚本家の小山薫堂がプロデューサーを務める[1]

「いのちをつむぐ」をテーマに、食を通じて「いのち」の循環や未来のあり方を問い直す体験型パビリオンであった[2]

概要

大阪・関西万博の全体テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を、8人の専門家がそれぞれの視点で具現化する「シグネチャープロジェクト」の一環として建設された[3]

パビリオンのコンセプトは「食を通じて、いのちを考える」。スーパーマーケットという日常的な空間をモチーフに、来場者が「買い物」という行為を擬似体験しながら、食品の背景にある物語や自然の恵みを再発見する構成となっている[4]

  • 前半は、食がいのちであることを見つめ直す「いのちのフロア」。日本人1人が生涯に消費する平均的な卵の量(約2万8,000個)の殻を使用したシャンデリア風のオブジェや、世界各国の家族が1週間に消費する食料をレシートの形式で表現したインスタレーションなどが展示された。
  • 後半は、食の未来をより良くするヒントを展示する「未来のフロア」。調理工程を再現する調理技術を紹介するキッチン、冷凍粉砕パウダー技術を用いた新食品提案など、将来的な実用化が想定される展示などが行われた。
  • エンディングは、来館者が食卓を囲む形で、食をテーマにした映像を鑑賞する構成。入退館時の映像を含め、「いただきます」という言葉の持つ意味や、食の尊さを学ぶ演出がなされた[5]

建築

パビリオン外観

建築設計は隈研吾、隈研吾建築都市設計事務所が担当した[6]

  • 特徴: 外観には日本の伝統的な「茅葺(かやぶき)」を採用。日本の森の自然循環にとって重要な役割をはたしていたといわれる「茅」を材料として、自然との調和を象徴している。茅は、全国5地域から集められ、何層にも重なる茅葺き屋根で構築された。このデザインは「市場のようなにぎわい」を表現したものとされる。
  • 茅提供協力地域: 熊本県阿蘇市、静岡県御殿場市、大阪府大阪市淀川区、滋賀県近江八幡円山町、岡山県真庭市蒜山高原

展示内容

パビリオン内は主に「過去・現在」から「未来」へと続く食の物語で構成されている[7]

プロローグ

プロローグ(Prologue)は最初の空間。パビリオンのテーマである「いのちをつむぐ」からスタートする。

展示No. 展示名 展示内容
01 プロローグ 「いのちと食の循環」をテーマにした物語をアニメーションで映像化し、巨大スクリーンにて上映

いのちのフロア

いのちのフロア(Marketplace of Life)は、食がいのちであることを見つめ直し、来場者ひとりひとりに他のいのちや自然に対する感謝の気持ちが生まれることを目指すゾーン。

展示No. 展示名 展示内容
02 いのちの色 日本人が食べる主要な食材300種・816カットの写真を瓶に閉じ込めたショーウィンドウ
03 野菜のいのち 長崎県雲仙市の一人の農家の野菜畑から一年の営みの中で生まれた野菜を展示
04 いちばん食べられる魚 1匹のマイワシは一生の間に約10万粒の卵を産むが、私たちが食べるイワシはその中のたったの3匹という旅を展示
05 家畜といういのち 豚・牛・鶏、3つの牧場・農場で「いのちが生まれる瞬間」をカメラに収めた
06 一生分のたまご 日本人ひとりが一生で食べる卵の数約28,000個をシャンデリアとして展示
07 いのちのはかり はかりに食品サンプルを載せると、その食品の背景にある自然と人の営みの物語が表示される
08 いのちのショーケース 世界の人々がいただく主な食べものと年間消費量(いのちの数/年)をスライド展示
09 世界の食卓 「地球家族シリーズ」にて撮影された世界の国々の家族と食卓のポートレイト
10 いのちのカート 日本人が食べる10年分の食糧体積を表現した巨大オブジェ
11 いのちのレジ レジカウンターのモニターに自分の顔を写すとランダムに動物や野菜に変身する
12 世界のレシート 各国で暮らす実在の家庭の1週間分の食糧(種類・量)をレシート風に表現

未来のフロア

未来のフロア(Marketplace of the Future)では、古来からある食の技術から最新のフードテックまで、異なる視点から食の未来をより良くするヒントを展示するエリア。

展示No. 展示名 展示内容
13 未来を見つめる鮨屋 鮨職人・小野二郎氏が、品種改良技術や養殖技術によって育てられた未来の魚を握る映像展示
14 進化する冷凍食 様々な食材を凍結粉砕することで作られた長期保存することのできるパウダーを展示
15 味を記憶し、再現できるキッチン 誰かのレシピを調理データとして時代を超えて継承することができる録食システムを展示
16 みんなが幸せになる未来のお菓子 国内外の子供たちから「みんなが幸せになるお菓子」のアイデア募集し、約34作を再現して展示
17 EARTH FOODS 日本が培った食材、食品、食の知恵・技術の中から25を選定し展示。パッケージデザイン、コンセプト料理も展示
18 UMEBOSHI ~BANPAKU-ZUKE~ 2025→2050 2025年に和歌山県で収穫された梅を使い館内で梅干しを漬けた。来場者には25年後にそれを実食できる引き換えチケットを配布

エピローグ

エピローグ(Epilogue)は最後の空間。来場者同士が巨大な食卓のようなテーブルを囲む。

展示No. 展示名 展示内容
19 エピローグ 地球の食資源を皆で分け合いながら、食事を囲み、分け合うことの喜びを伝えるメッセージ映像

制作・運営

制作体制

  • 主催: 2025年日本国際博覧会協会
  • 全体統括: オレンジ・アンド・パートナーズ
  • 実施製作・運営: 電通電通ライブ
  • 展示製作: 乃村工藝社
  • 映像演出: SPECIAL REQUEST
  • アートディレクション: Tamotsu Yagi Design
  • 建築設計: 隈研吾建築都市設計事務所
  • 施工: 大成建設
    • JOINT DESIGN: 大成建設、隈研吾建築都市設計事務所
    • 構造: 大成建設、構造計画研究所
    • 設備: 大成建設、森村設計
    • 積算: 大成建設、二葉積算

スタッフ

  • テーマ事業プロデューサー: 小山薫堂
  • 建築設計: 隈研吾(隈研吾建築都市設計事務所)
  • アートディレクター: 八木保(Tamotsu Yagi Design)
  • 野菜展示: 奥津爾(オーガニックベース、オーガニック直売所タネト)
  • 野菜提供: 岩崎政利(種をあやす農家)
  • 家畜撮影: タキミアカリ(家畜写真家)
  • 世界の食卓撮影: Peter Menzel(報道写真家)
  • 鮨職人: 小野二郎(すきやばし次郎)
  • 冷凍技術: 古川英光(山形大学)
  • 料理協力: 速水もこみち(俳優)
  • 料理協力: 佐藤政彦(わいんぱぶ ためのぶ)
  • 料理協力: 脇屋友詞(Wakiya 一笑美茶樓)
  • お菓子審査: 服部幸應(服部栄養専門学校)
  • お菓子審査: 鎧塚俊彦(Toshi Yoroizuka)
  • お菓子審査: 森本千絵(アートディレクター)
  • お菓子審査: 佐々木希(女優)
  • EARTH FOODS検討委員: 小泉武夫(農学博士)
  • EARTH FOODS検討委員: 村田吉弘(菊乃井)
  • EARTH FOODS検討委員: 門上武司(あまから手帖)
  • EARTH FOODS検討委員: 辻芳樹(辻調理師専門学校)
  • EARTH FOODS検討委員: 外村仁(Food Tech Studio – Bites!)
  • EARTH FOODS検討委員: 野村友里(eatrip)
  • EARTH FOODS検討委員: 石川伸一(宮城大学)
  • EARTH FOODS検討委員: 大屋洋子(食生活ラボ)
  • 料理開発: Lionel Beccat(ESqUISSE)
  • 料理開発: Santiago Fernandez(MAZ)
  • 料理開発: 石坂秀威(SEA VEGETABLE)
  • 料理開発: 加藤峰子(FARO)
  • 料理開発: 桑木野恵子(里山十帖)
  • パッケージ協力: パッケージ幸福論
  • 特別出演: 松本潤(嵐)

協賛企業

シルバーパートナー

ブロンズパートナー

パートナー/サプライヤーパートナー

イベント

EARTH MARTがプロデュースする大阪・関西万博シグネチャーイベントとして、会期中に2つのイベントが実施された。

EARTH MART DAY
2025年10月5日(日)EXPOホール シャインハットにおいて「EARTH MART DAY」を開催した。テーマは「食の未来を輝かせる日」。食文化と食の進化を見つめ、より良き未来を考えるためのステージプログラムと、ホール前広場では食育広場GOOD FOOD PARKを展開した。
  • 1部「未来の種は、いまにある。ONE DISH, ONE WORLD」supported by クボタ
  • 2部「RED U-35 2025 FINAL」supported by ぐるなび RED U-35 2025 コンソーシアム
EARTH MART FORUM
2025年10月10日(金)11日(土)客船・飛鳥IIの船内において、日本中の食の探究者たちが集う食の未来会議「EARTH MART FORUM」を開催した。
  • EARTH MARTとグローバルビジネス誌『Forbes JAPAN』が、社会課題に向き合い、食に希望が持てる未来を創ることを目指し「食の未来を輝かせる25人」を発表した。

受賞

2025年、一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD)および一般社団法人日本空間デザイン協会(DSA)が主催する「日本空間デザイン賞2025」の「エキシビション・イベント空間部門」において金賞を受賞[8]、さらに最高賞である「KUKAN OF THE YEAR」も受賞した[9]

2025年、国際的なコンペティション「ワールド・エキスポオリンピック(World Expolympics)」の主要部門である「企業・テーマ館(Best Corporate/Theme Pavilion)部門」において金賞を受賞した[10]

2026年、ドイツのiF International Forum Designが主催する国際的権威のあるデザイン賞「iF DESIGN AWARD(iFデザインアワード)」において「Interior Architecture / Installationsカテゴリー」を受賞した[11]

2026年、世界的権威のあるインテリアマガジンFRAMEが主催する国際的な空間デザイン・インテリアデザインの賞「FRAME AWARDS」において「ゴールド賞」と「Honorable Mention賞」を受賞した[12]

2026年、建築、インテリア、ビジュアルデザイン分野の国際的なデザイン賞「SKY DESIGN AWARDS」においてショートリストに入賞した。

脚注

  1. EARTH MART(小山薫堂プロデューサー)”. 大阪・関西万博公式Webサイト. 2025年日本国際博覧会協会 (2024年4月1日). 2026年4月24日閲覧。
  2. 小山薫堂プロデュース|テーマ「いのちをつむぐ」|EARTH MART|【特集】万博の目玉、シグネチャーパビリオン”. KOBECCO 月刊神戸っ子. 服部プロセス 神戸っ子出版事業部 (2025年5月). 2026年4月24日閲覧。
  3. テーマ事業「シグネチャープロジェクト(いのちの輝きプロジェクト)」”. 大阪・関西万博公式Webサイト. 2025年日本国際博覧会協会. 2026年4月24日閲覧。
  4. EARTH MART(小山薫堂プロデューサー)”. 大阪・関西万博公式Webサイト. 2025年日本国際博覧会協会. 2026年4月24日閲覧。
  5. 大阪万博EARTH MART、食のありがたみ体感のパビリオン”. 日本経済新聞. 日本経済新聞社 (2025年8月). 2026年5月20日閲覧。
  6. 大阪・関西万博 2025 テーマ館「いのちをつむぐ – EARTH MART」”. 隈研吾建築都市設計事務所 (2025年4月). 2026年4月24日閲覧。
  7. EXPO 2025 EARTH MART+”. 大阪・関西万博 2025 (2025年4月). 2026年4月24日閲覧。
  8. ⽇本空間デザイン賞2025 ⾦銀銅賞 速報版 (PDF). 日本商環境デザイン協会 日本空間デザイン協会. 2026年4月24日閲覧。
  9. ⽇本空間デザイン賞2025 KUKAN OF THE YEAR”. 日本商環境デザイン協会 日本空間デザイン協会. 2026年5月10日閲覧。
  10. The Experiential Design Authority Announces World Expolympics Winners”. THE EXPERIENTIAL DESIGN AUTHORITY (2025年9月). 2026年4月24日閲覧。
  11. Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan EARTH MART experiential design”. iF DESIGN AWARD (2026年4月3日). 2026年4月24日閲覧。
  12. FRAME - SIGNATURE PAVILION EARTH MART AT EXPO 2025 OSAKA”. FRAME WEB (2026年4月). 2026年5月10日閲覧。

参考文献

外部リンク




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