ARC Raiders
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/18 07:35 UTC 版)
| ジャンル | |
|---|---|
| 対応機種 | |
| 開発元 | Embark Studios |
| 発売元 | Embark Studios |
| 音楽 |
|
| 人数 | マルチプレイヤー |
| 発売日 | 2025年10月30日 |
| ゲームエンジン | Unreal Engine 5 |
『ARC Raiders』(アークレイダース)は、2025年10月30日にスウェーデンのEmbark Studiosが開発・販売した三人称視点のオンライン専用エクストラクションシューターゲームである。
いわゆる『タルコフ』ライク[1]のゲームであり、プレイヤーは戦闘不能になると所持品を全て失うリスクのある中、物資を収集し生還を目指す。
舞台は2180年の地球であり、環境破壊によって大半の社会が消滅している。地上には機械生命体「アーク(ARC)」が現れ、人々は地下の仮設共同体「スペランザ」で生き延びていた。資源は限られており、ならず者のガンマン「レイダー(Raider)」は生き残りをかけ、物資を持ち帰るために地上を探索する[2]。
地上が滅びた謎を解くために探索するアドベンチャーゲームの要素もある[1]。
ゲームシステム
本作の基本はPvPvE[注 1]のエクストラクションシューターである(脱出シューター、『タルコフ』ライクとも呼ばれる[1])。ステージを探索し資材を集め、脱出することを目的とするが、ダメージを受けて戦闘不能になった場合、所持していたアイテムを全て失う。他プレイヤーが倒れて瀕死状態となった場合は救出するか、とどめを刺して所持していたアイテムを奪うことができる。
プレイヤーはソロまたは2〜3人のパーティを組んでマッチメイクを行い、探索ステージ上のランダムなスタート地点に配置される。ステージ上にはプレイヤーのほかに強力な敵NPCの「アーク」が存在する。探索やステージ上の滞在時間に応じて経験値を獲得し、拠点でスキルの獲得が可能。
プレイヤーは脱出地点である貨物エレベーター、地下鉄駅、エアシャフトや、専用アイテムが必要なハッチからのみステージを脱出できる。脱出地点は時間経過や他プレイヤーの使用によってシャットダウンされ、使用不能になる。また、端末を起動した後、利用可能になるまで待機する必要があり、その際に鳴る警報によって周囲の敵やプレイヤーを引き寄せる危険がある。
パーティーチャットや近接チャットにはボイスチェンジャー機能が用意されている[3]ほか、エモートで他プレイヤーと交流することが可能だが、攻撃を仕掛けるか見逃す・協力するかは自由である。
マッチメイキングにはプレイヤーの長期的な行動傾向が反映され、対人戦を積極的に行うプレイヤーは同様の傾向を持つプレイヤーと、友好的に行動するプレイヤーは比較的好戦性の低いプレイヤーとマッチングしやすくなる[4]。これらの指標は択一ではなく連続的な指標であり、先に攻撃したプレイヤーが攻撃を外した場合でも、攻撃の意図が判断されるシステムになっている[5]。
「遠征」ではワイプ(レベルやアイテムなどの進捗のリセット)を行うことが可能で、プレイヤーはバフやボーナスを獲得する[6]。
開発・発売
本作を開発したEmbark Studiosは、DICEのCEOを務めたパトリック・ソダーランドらによって2018年に設立されたスウェーデンのゲーム開発会社である。同社はネクソンからの出資を受け、2019年に子会社となり、2021年に完全子会社化された [7][8]。
本作は2021年12月のThe Game Awards 2021の授賞式で発表され、2022年のリリースを予定していた[9]。
2022年8月、Embark Studiosは開発中の別作品「Project Discovery」(後の『THE FINALS』)を先に発売するため、本作の発売を2023年へ延期すると発表した[10]。
2023年5月には、PvEのCo-op(協力型)シューターとして開発してきたシステムを、PvPvEのサバイバル脱出シューターにジャンル変更することと、同年夏にクローズドアルファテストを実施することが発表された[11]。
2024年8月、本作を2025年に発売すると発表し、基本プレイ無料から買い切り型に変更すると発表した[12]。同年10月、クローズドテクニカルテストを実施[13]。
2025年4月、2次テクニカルテストを実施[14]。同年6月の「Summer Game Fest 2025」で発売日を2025年10月30日と発表した[15]。同年10月、オープンテスト「サーバースラム」を実施[16]。
2025年10月30日、PlayStation 5、Xbox Series X/S、PC(Steam、Epic Games Store)向けに発売。
プロデューサーのダニ・ヴィテリによると、本作のポストアポカリプス風ステージは南イタリアをモチーフにしているという[1]。
本作の音楽は、パトリック・アンドレン、ヨハン・セデルクヴィストが共同で作曲した[17]。両名は過去にもDICEの開発した『バトルフィールド1』『バトルフィールドV』の音楽を共同で手掛けている[18][19]。
評価・受賞歴
本作は批評家からおおむね好意的な評価を受け、レビュー収集サイトのMetacriticでは100点満点中、PC版が86点[20][注 2]、PlayStation 5版が85点[21][注 3]、Xbox Series X/S版が88点[22][注 4]を記録した。
累計販売本数は2025年11月に400万、2026年1月に1240万、同年5月には1600万本を突破した[23][24][25]。また、2026年1月には最高同時接続数96万人を記録した[24]。
日本の一部プレイヤーの間では、ゲーム内で遭遇した他プレイヤーに対しエモートの「Don't Shoot(ドンシュー/撃たないで)」を使うことが話題となり[26]、本作のプレイヤーは「ドンシュー民」「ドンシュー界隈」と呼ばれ、公式もこれをプロモーションに使用した[27][28]。
本作では制作支援に生成AIが使用され、声優の収録音声を基にした音声合成も一部で用いられた。この音声については、複数のレビューで品質が批判された[29]。Embark Studiosのパトリック・ソダーランドは、発売後に一部の台詞を人間の声優によって再収録したと説明している[30]。
受賞歴
| 受賞年 | 賞 | 部門 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 | The Game Awards 2025 | ベストマルチプレイヤーゲーム賞 | 受賞 | [31] |
| Steamアワード 2025 | ゲーム・オブ・ザ・イヤー | ノミネート | [32] | |
| 最も革新的なゲームプレイ賞 | 受賞 | [33] | ||
| 2026年 | 第29回 D.I.C.E. Awards | ゲーム・オブ・ザ・イヤー | ノミネート | [34] |
| アクションゲーム・オブ・ザ・イヤー | ノミネート | |||
| オンラインゲーム・オブ・ザ・イヤー | 受賞 | [35] | ||
| 音響デザイン部門 | ノミネート | [34] | ||
| ゲームデザイン部門 | ノミネート | |||
| 技術部門 | ノミネート | |||
| 第22回 英国アカデミー賞ゲーム部門 | ベストゲーム賞 | ノミネート | [36] | |
| 音響部門 | ノミネート | |||
| マルチプレイヤー部門 | 受賞 | [37] | ||
| 音楽部門 | ロングリスト選出 | [38] | ||
| 新規知的財産部門 | ノミネート | [36] | ||
| 技術部門 | ノミネート |
脚注
注釈
出典
- 1 2 3 4 “『ARC Raiders』合同インタビュー。『タルコフ』ライクの進化を目指す新作PvPvEシューター”. 電ファミニコゲーマー (2024年11月27日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “世界観 アークレイダース”. ネクソン. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “人気沸騰中PvPvE脱出シューター『ARC Raiders』には「ゲーム内ボイスチェンジャー」搭載。戦場で見知らぬ相手とも“ボイチェン近接ボイチャ”できる”. AUTOMATON (2025年10月31日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』の好戦性測るマッチングシステムでは「どっちが先に撃ったか」もバレている。“プレイヤーの意図以外”はいろいろ分析”. AUTOMATON (2026年1月13日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』の「PvP好きor温厚派」判別マッチングシステム、“撃たれたから自衛した”のが区別されるように改良。濡れ衣好戦プレイヤー判定にメス”. AUTOMATON (2026年5月21日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』の「したい人だけワイプ」システム、100万人以上がワイプを選んだと判明。初回から高い参加率、でもまだ改善目指す”. AUTOMATON (2026年1月10日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “Notice on Acquisition of Additional Shares (Conversion into Subsidiary) of Embark Studios AB” (PDF) (英語). NEXON Co., Ltd. (2019年7月1日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ABOUT NEXON”. ネクソン. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “宇宙から押し寄せるロボット軍団に立ち向かう基本プレイ無料の協力型TPS『ARC Raiders』発表。2022年のリリースを予定”. 電ファミニコゲーマー (2021年12月10日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “An update on our games” (英語). Embark Studios (2022年8月9日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “元DICEの開発者ら手掛ける『ARC Raiders』ジャンルをPvPvEサバイバル脱出シューターに変更しアルファテスト開催へ”. Game*Spark (2023年5月17日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “大型PvPvEシューター『ARC Raiders』、「基本無料」から「買い切り型」に路線変更。開発者いわく“課金要素じゃなくゲームの中身にこだわりたい”ので”. AUTOMATON (2024年8月21日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “協力型アクションシューター「ARC Raiders」,10月24日から実施するテクニカルテストの参加者受付を開始”. 4gamer.net (2024年10月23日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “メカ兵器に支配された終末世界の「タルコフ」ライクなゲーム『ARC Raiders』2次テクニカルテストが4月30日から開催決定”. 電ファミニコゲーマー (2025年4月17日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』が10月30日にリリースと発表”. 電ファミニコゲーマー (2025年6月7日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』誰でも参加可能なテストが本日(10/17)22時より開催。参加者にはサービス開始後に使用できる限定リュックがプレゼント”. ファミ通.com (2025年10月17日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ARC Raiders (Original Video Game Soundtrack)” (英語). Embark Studios (2025年11月7日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “「バトルフィールド 1」サウンドトラック、レコード版を発売”. ea.com. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “Battlefield V (Original Soundtrack)”. Apple Music (2018年). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ARC Raiders for PC Reviews” (英語). metacritic. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ARC Raiders for PlayStation 5 Reviews” (英語). metacritic. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ARC Raiders for Xbox Series X/S Reviews” (英語). metacritic. 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “脱出シューター『ARC Raiders』世界累計販売本数400万本を突破。同時接続者数は全プラットフォーム合計70万人超を記録”. Game*Spark (2025年11月11日). 2026年7月18日閲覧。
- 1 2 “脱出型PvPvEシューター『ARC Raiders』全世界累計販売本数が1240万本を突破”. 電ファミニコゲーマー (2026年1月13日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “『ARC Raiders』累計販売本数が“1600万本”を突破。ネクソンが過去最高の四半期売上収益・営業利益を達成”. 電ファミニコゲーマー (2026年5月14日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ドンシュー!『ARC Raiders』Steam版が初セールで20%オフ!人を信じられなくなる脱出シューター超新星”. Game*Spark (2025年12月19日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “話題の“ドンシュー”「ARC Raiders」爆売れ 全世界1240万本突破、同接96万人記録の大ヒット”. 週刊アスキー (2026年1月13日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “ドンシュー界隈キャンペーン”. ARC Raiders Japan【公式】 (2026年1月13日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “Arc Raiders' use of AI highlights the tension and confusion over where machine learning ends and generative AI begins” (英語). PC Gamer (2025年10月31日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “Embark Studios head Patrick Söderlund explains how Arc Raiders was made on "a quarter of the budget" of a AAA title” (英語). GamesIndustry.biz (2026年3月13日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “エクストラクションシューター「ARC Raiders」,「The Game Awards 2025」でベストマルチプレイヤーゲーム賞を獲得”. 4gamer.net (2025年12月12日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “The Steam Awards 2025”. Steam (2026年1月4日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “「Steamアワード 2025」,11カテゴリの受賞作品を発表。ゲームオブザイヤー賞と高難易度ベストゲーム賞を「Hollow Knight: Silksong」が受賞”. 4gamer.net (2026年1月4日). 2026年7月18日閲覧。
- 1 2 “第29回「D.I.C.E. Awards」ファイナリスト発表!『Clair Obscur: Expedition 33』と『Ghost of Yōtei』がGOTY含む最多8ノミネート”. Game*Spark (2026年1月9日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “DICE Awards 2026 Winners: The Full List” (英語). IGN (2026年2月13日). 2026年7月18日閲覧。
- 1 2 “Bafta games awards 2026: Clair Obscur and Dispatch lead the nominations” (英語). The Guardian (2026年3月12日). 2026年7月17日閲覧。
- ↑ “「ARC Raiders」が2026年英国アカデミー賞ゲーム部門のマルチプレイヤー賞を受賞!”. GAMER (2026年4月20日). 2026年7月18日閲覧。
- ↑ “'Indiana Jones and the Great Circle,' 'Ghost of Yōtei' and 'Split Fiction' Among Best Game Contenders in 2026 BAFTA Games Awards Longlist” (英語). Variety (2025年12月9日). 2026年7月18日閲覧。
外部リンク
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