薬倍安心論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/28 23:02 UTC 版)
薬倍安心論争(やくばいあんしんろんそう、英: MediSafe controversy)は、2025年6月に香港で生じた、学生プロジェクト「MediSafe(中国語:薬倍安心)」の独創性とデータ取扱いをめぐる議論である。聖保羅男女中學の生徒・潘浠淳が関わったとされる同プロジェクトは、2024年から2025年にかけて複数の賞を受賞したが、のちに著作・開発体制や患者データの使用に関する指摘が報じられ、当局や関係機関が状況を確認した[1][2]。
概要
MediSafeは、処方薬と患者のアレルギー・慢性疾患・肝腎機能などを照合し、潜在的な処方ミスを示すことを目的としたウェブアプリと説明されている。受賞資料では大規模言語モデルやSQL、ベクターデータベースの利用が言及された[3]。
2025年6月、香港の大学生によるSNS投稿をきっかけに、二次情報源上でプロジェクトの独創性やデータ利用方法に関する疑問が取り上げられ、オンライン上で議論が拡大した[1]。その後、MediSafeの関連サイト表示や米国企業との関係に関する報道も現れ、記載の表現が時期により変更されたとする指摘が報じられた[1]。
反応
デジタル政策弁公室は、香港教育城および香港ICTアワードの品質保証パネルに対し確認を要請したと発表した[4]。香港資優教育学苑と香港新一代文化協会は、規定違反は確認されなかったとの共同声明を公表した[5]。一方、開発への関与をめぐる米国企業側の説明も報じられている[1]。
受賞
関連項目
- 学術的インテグリティ
- 医療における人工知能
- 個人情報保護
脚注
- ^ a b c d “Who created AI app MediSafe? Hong Kong student and US software firm stake claims”. South China Morning Post (2025年6月20日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ “中学生AI医療補助プラットフォームを巡る議論”. HK01 (2025年6月18日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ a b “2024 Student Innovation Grand Award – MediSafe”. Hong Kong ICT Awards. 2025年8月28日閲覧。
- ^ “名校中学生の受賞AIソフトに疑義、当局が全面調査を要請”. Headline Daily (2025年6月18日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ “二機関の調査結果:外部委託や私隠問題は確認されず”. Dot Dot News (2025年6月21日). 2025年8月28日閲覧。
- ^ “Medisafe”. Geneva Inventions (2025年4月9日). 2025年8月28日閲覧。
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