段驎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/10 14:46 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動段 驎(だん りん、生没年不詳)は、鮮卑段部の人物。『晋書』石勒載記では段忽跋隣と、『魏書』では段羽鱗と表記される。『資治通鑑』には記載が無い。段務勿塵・段渉復辰の従兄弟にあたる。
生涯
彼の詳細は不明だが、段部において相当な実権を持っていたと思われる。
318年1月、大人の段疾陸眷が病死すると、彼の子は幼かったので、代わって叔父の段渉復辰が位を継いだ。
薊城を統治していた段匹磾(段疾陸眷の弟)は兄の死を聞き、段部の本拠である令支に向かった。この時、段匹磾は密かに段末波(段匹磾の従弟)と段驎を殺して国権を掌握しようと目論んでいたが、その側近が段末波にこの事を密告したので、段末波は段渉復辰へ討伐を勧めた。段渉復辰はこれに同意して兵を派遣し、北平まで進んできた段匹磾を阻ませた。この時、段末波は隙を突いて段渉復辰を襲撃し、段渉復辰とその子弟を尽く誅殺すると、代わって段驎を単于に擁立した[1]。さらに、段驎らは段匹磾を撃ち破って全滅に近い大損害を与えた。段匹磾はかろうじて薊城へ逃れた。
これ以降、段驎・段末波は段匹磾と互いに攻め合うようになり、段部の部衆は離散してしまう事となった。いつ段驎が没したのかは不明である。
参考資料
脚注
- ^ 『資治通鑑』では、段末波自ら単于を称して自立したと記載されている。『魏書』にはどちらが即位したか記述が無い。
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