印刷工学科とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 印刷工学科の意味・解説 

印刷工学科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/25 01:02 UTC 版)

印刷工学科(いんさつこうがっか)は、過去使用されていた大学の学科名。印刷工学(いんさつこうがく)とは『「印刷」に関する工学 [Graphic Technology (印刷技術)]』の学的領域 (discipline) 名である。

概要

製版のための表面処理、製版のための画像処理、その前段階の「版組(組版)」、「写真(製版)」、「写植」、自動制御、電子製版のための電子計算機応用、同コンピューターに拠る画像処理とコンピュータソフトウェア、画像や文字の製版(コンピュータグラフィックスを含む)、グラフィックデザイン、イメージサイエンスを基礎とし、凸版、平版、オフセット印刷、凹版(グラビア)、無版のインクジェットプリンティング(コンピュータ画像処理後の電子的印字と画像形成)、シルクスクリーン等の画像再現処理に関する総て、そのためのインク(画像形成材料)の研究、印刷機械学、搬送と給紙学、製本工学、色彩工学、印刷適性を包括する工学領域名である。従来の「写真(工学)」と密接であることから「印写工学」とも、「メディア工学」とも総括的に呼称されてきた。

学的基礎は、物理化学(Physicalchemistry)、機械工学、高分子学、コロイド化学、応用物理、表面処理であり、コンピュータ電子回路と情報処理、自動制御の分野にもまたがり、その基礎教養科目には、量子力学、応用化学全科目(写真化学、応用有機材料、電気化学、放射線化学、有機合成化学)の科目が設置され、且つ選択必修科目となっている。化学・機械・応用物理・物性物理・物性化学の境界領域の工学であり、工芸の分野にも属する。2002年頃迄、活版凸版印刷がその基幹領域であったが、活字分野が廃され(ドイツのハイデル印刷機の製造停止)、フィルムを中間媒体としないデジタル製版(直接製版)の進捗に拠り、現在は、嘗ての活字印刷主流からコンピュータ製版にその基幹が殆ど移行し、無版印刷の領域も拡大し、「印刷工学」の学的領域が「Graphic media technology (画像メディア工学)」の学的領域に包括され、当初「印刷工学科」は「画像工学科」に改称されるも、その後、「メディア工学」等の各応用分野の包括名称に再度改称されている。

なお、最初に「印刷工学科」の学科名を採用した高等教育機関は「東京高等工芸学校(戦時中に東京工業専門学校と改称)」で、その後継の「千葉大学工学部」に継承される。

また私学の「東京写真大学工学部(現在は東京工芸大学工学部に改称)」、「育英工業高等専門学校(現在はサレジオ工業高等専門学校に改称)」にも継承される。

現在では、各大学(高等専門学校)とも、それぞれ嘗ての学的内容(基礎科目)はそのまま継承しながらも、この学科名を踏襲している大学、高等専門学校、高等学校は無いが、これに替わる決定的な学的領域(discipline)名が無いので、依然として「印刷工学:Graphic Technology (科)」の名称は、"Graphic Technology" (印刷工学)の分野では継承され続けている。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「印刷工学科」の関連用語

印刷工学科のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



印刷工学科のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの印刷工学科 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS