アレクサンドラ構文
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アレクサンドラ構文とは、国立情報学研究所の新井紀子が考案した、日本語の読解力を測定するためのリーディングスキルテストに含まれる問題[1]の構文を指した言葉である。具体的には以下の設問における構文のことをいう。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。
問:この文脈において、『Alexandraの愛称は( )である』の空欄に当てはまる最も適当なものを、
(1)Alex、(2)Alexander、(3)男性、(4)女性の中から選べ
一見すると簡単そうだが、新井の調査によれば、公立中学生の正答率は38%、進学校の高校生をサンプルとしても正答率は65%にとどまる[1][2]。文中の単語の意味は理解できても、それが文章になると理解できなくなる現象は機能的非識字と呼ばれる[3]。
ジャーナリストの河崎環によれば、一部の進学塾では現代文の受験テクニックとして「問題文の中から同じことを書いている一文を探しなさい」[3]と教えられており、正答率の低さはその弊害でもある[3]。アレクサンドラ構文の文章題に「女性の名Alexandraの愛称である」という一文があるため、『Alexandraの愛称は( )である』という設問に対して、「女性」と答えてしまうということである[3]。
脚注
- ^ a b 新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社、2018年、201頁。ISBN 9784492762394。
- ^ “「アレクサンドラ構文」とは?”. 2025年5月25日閲覧。
- ^ a b c d “中学生正答率38%の「アレクサンドラ構文」 “機能的非識字”にはリスクも? 「IQとは違いトレーニングで良くなる」鍛え方は=”. 2025年5月18日閲覧。
関連項目
- アレクサンドラ構文のページへのリンク