PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット プロット

PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/06 10:17 UTC 版)

プロット

"我々は見られている。政府の極秘のシステム"マシン"によって常に監視されている。開発したのはこの私だ。テロ行為を未然に防ぐためにマシンを設計したが、一般人を巻き込む凶悪犯罪も検知する。政府には"無用"の犯罪だ。政府は何もしないので、私が防ぐと決意した。まずは共に戦う腕の立つ相棒が必要だ。我々は当局の目をかわし秘密裏に動く。もしマシンが番号を告げたら、被害者でも加害者でも...必ず探し出す。"
ハロルド・フィンチ[1]

ジョン・リースジム・カヴィーゼル)は、元グリーンベレーでCIAの現地工作員であり、とある事件により表向きは死亡したとされたが、実はニューヨーク市の遺棄された建物の中で生活している。孤独な億万長者のコンピュータの天才、ハロルド・フィンチマイケル・エマーソン)は彼に近づき仕事を持ちかけた。フィンチは9.11の後、国内のあらゆる監視装置から収集した情報を分析して将来のテロ攻撃を予測する政府のコンピュータシステムを構築したと説明する。そのコンピュータはテロ以外の普通の計画的犯罪をも検知する。政府はその結果を「無用な犯罪」として興味を示さなかったが、フィンチは予測された「無用な犯罪」を阻止することを決意する。彼は軍やCIAで得たスキルを駆使して監視を行い必要に応じて介入する能力のあるリースを雇う。フィンチはシステムに組み込まれたバックドアから、さし迫った犯罪に関与する人物の社会保障番号を受け取る。その犯罪の内容、発生時期、その人物が被害者なのか加害者なのか不明だが、リースとフィンチは犯罪を防ごうとする。彼らは、リースが脅迫して協力させた悪徳警官のライオネル・ファスコケヴィン・チャップマン)、そして、リースの自警団的行為を調査していたジョス・カータータラジ・P・ヘンソン)の2人のニューヨーク市警の刑事の協力を得る。カーターとファスコはお互いにNYPDの相棒であるが、当初はどちらも相手がフィンチとリースの2人に協力していることは知らなかった。

主要なサブプロットとして、新進のギャングのボス、カール・イライアスに協力するNYPDの悪徳警官の組織「HR」が描かれる。警官幹部が主導し、HRのメンバーとイライアスがニューヨーク市の古い秩序を取り戻そうとし、ギャングと警察が協力する。イライアスは、単にニューヨークの組織犯罪の覇権を取り戻すための手段としてHRを利用している。ある出来事によって、ファスコがHRの一員になっている。それにより、リースはHRとイライアスの両方の情報を得ている。

マシン

アメリカ同時多発テロをきっかけとして計画がスタートした。 アメリカ国内のすべての監視カメラや個人所有の携帯電話、パソコン、銀行口座の情報をすべて掌握し、マシンに脅威を検証させることによってテロ計画を未然に把握する監視システム。フィンチとイングラムが開発(事実上フィンチが単独でプログラムを構築)し、政府に1ドルで売却された。マシンは監視データの中から計画的な犯罪・テロの兆候を検知し、関係者の社会保障番号をはじき出す(その一方で、計画的でない突発的な衝動による犯罪は一切検知できない)。開発当時のフィンチの思想により、あくまでテロ検知のみを目的としているため、テロに関する人物の社会保障番号は"有用"として政府機関に送られるが、テロではない情報は伝達されず“無用”として毎日24時に自動消去される。本来“無用”な番号は政府機関をはじめ外部には一切伝達されない設計だったが、納品前にイングラムが何かしらの手段で自分に“無用”な番号を伝達するよう、秘密裏にプログラムを改竄した。マシンが悪用されることを防ぐため外部からのアクセスは遮断されており、アップグレードや更新などは全てマシン自身が行ない、万が一ハッキングされた際には自力でリセットする機能がある。存在そのものが違法なため、所在は公にされず、開発された事実もごく一部の人間しか知らない。政府内では「ノーザンライツ」の暗号名で呼ばれ、テロ阻止のための実働部隊である工作員たちからは“リサーチ”と呼ばれているが、正体までは知られていない。

ターゲットの社会保障番号の伝達についてはパソコンから直接送られることがほとんどだが、"無用"な情報については公衆電話で直接社会保障番号を伝達したりデューイ十進分類法に暗号化して送ったりされている(電話から送られる場合はフィンチが仕事場にしている廃図書館にある本の名前が読み上げられ、その本に記載されている管理番号を合わせる事でターゲットの社会保障番号となる仕組みになっている)。 マシンは基本的に一つの番号をはじき出すが、複数の番号が同時に出されることもある。また稀に同じ番号が複数回出てくることもあるらしい。だが、対象者が犯罪の被害者になる可能性もあれば、加害者になる可能性もあり得るうえにいつどこでどんな犯罪に巻き込まれるかは不明なため、犯罪を阻止するには人間による調査が必要となる(この点は"有用"な番号についても同様)。フィンチによれば、開発中からまるで人間のような挙動を見せることがあり、フィンチはそれを防ぐために毎日24時の“無用”なリストの消去と同時にマシンのアイデンティティも削除するよう設計していたが、やがてマシン自身がそれを乗り切る方法を生み出しており、己へ脅威が迫っていることをフィンチに伝えるべく架空の人物を作ってその社会保障番号を伝達するなど、自我的なものを保有していることが明らかになる。シーズン4でフィンチが語ったことによれば、開発した43のプログラムのうち42が何らかの形で(クローズドな開発環境からの脱走を目的として)フィンチの殺害を企て、無害だった残る一つをマシンのベースとした。

サマリタンとの対話において、独自のモラルコードを持っていることが判明。人間に対しては干渉しない、世界は人間のものだと表明する。また、人間は変えられないと話し、その自由意志を奪うことを忌避する。


サマリタン

シーズン3より登場する「第二のマシン」。フィンチの大学時代の友人であるアーサー・クレイプールが政府の依頼を受けて開発していたが、フィンチのマシンが先んじて完成したため、実用化直前の段階で計画が破棄されていた。特定の人物を指し示しつつも「何故その人物が重要なのか」という点がブラックボックス化されているマシンとは違い、すべてが明示されるオープンシステムであり、ルートによれば「サマリタンが起動すれば全てを見通すシステムとなるので、マシンへの大いなる脅威となる」とのことで、フィンチらは従来通りの犯罪阻止活動と同時にサマリタン稼働の妨害に動き出したが、これの稼働を目的とする民間情報収集会社「デシマ・テクノロジー」の暗躍を阻止しきれず、シーズン3終盤で稼働した。

マシンと同様、テロ阻止のための情報を政府に伝えているが、ニューヨーク市長選の当選結果や犯罪率の操作など現実世界への介入も行なっている。そして徐々に本性を表し、ルートを介したマシンとの会談で「私は君を潰す」と宣言し、人類がサマリタン自身を神と崇めさせる監視社会の成立の野望を宣言する。

マシンとの対話において、人間が生み出す情報が自分たち人工知能を生かしていると主張。自分にとって血液のような存在である人間を抹殺することは考えていないが、過去に繰り返された争いと殺戮を止めるには、自分を信仰させ、彼らを管理する必要があるとしてマシンと敵対する道を選ぶ。


注釈

  1. ^ "Person of Interest" (2011) - Memorable quotes. Internet Movie Database. Retrieved February 18, 2012.
  2. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - ジョン・リース”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  3. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - ハロルド・フィンチ”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  4. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - ライオネル・ファスコ”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  5. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - サミーン・ショウ”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  6. ^ 『パーソン・オブ・インタレスト』サラ・シャヒが双子を出産!”. 海外ドラマNAVI. 2015年11月28日閲覧。
  7. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - ルート”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  8. ^ パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット - ジョス・カーター”. AXN. 2014年10月12日閲覧。
  9. ^ 佐藤美一 公式Twitter”. 2014年7月12日閲覧。
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  11. ^ Seidman, Robert (2011年6月29日). “CBS Announces Fall 2011 Premiere Dates”. TVbytheNumbers. 2011年9月20日閲覧。
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  13. ^ de Moraes, Lisa (2011年5月18日). “Upfronts Week 2011: CBS moves ‘CSI’ to Wednesday to make room for new J.J. Abrams series”. The TV Column (The Washington Post). http://www.washingtonpost.com/blogs/tv-column/post/upfronts-week-2011-cbs-moves-csi-to-wednesday-cancels-criminal-minds-spin-off/2011/05/17/AFYXLT6G_blog.html 2011年9月24日閲覧。 
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  19. ^ Seidman, Robert (2011年9月23日). “Thursday Finals: 'Big Bang Theory', 'The X Factor', 'Parks and Recreation' and 'Whitney' Adjusted Up”. Zap2it. http://tvbythenumbers.zap2it.com/2011/09/23/thursday-finals-big-bang-theory-the-x-factor-parks-recreation-and-whitney-adjusted-up/104707/ 2012年1月28日閲覧。 
  20. ^ Bibel, Sara (2012年3月22日). “CBS Announces Season Finale Dates and Storylines”. TV By the Numbers. 2012年3月25日閲覧。
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  26. ^ Throng
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  30. ^ cnbce.com
  31. ^ C5 finds Persons of Interest”. C21Media.net (2012年5月17日). 2012年5月23日閲覧。
  1. ^ 総じてハードな内容でストーリー展開の大半が占められているが、随所に主要人物同士の会話でジョークブラックユーモア含む)を交えたコメディ的なやりとりをするシーンやマシン機能によるユーモラスな演出も少なくない。
  2. ^ 遠くからのカメラアングルで銃弾を浴びて出血しながら倒れるシーンで出番は終わり、本編中での生死は不明なままとなっている。後日にショウとファスコも「連絡がない」と言うのみでリースが死亡したとは認識しておらず、その直前のシーンで描かれた墓も過去にCIA工作員として表向き死亡扱いとなった際のもので、結局リースは消息不明となった形で本作は幕を閉じた。
  3. ^ ショウやファスコ、そしてリースたちと後に再会できたかは描かれずに不明なまま本作は幕を閉じた。
  4. ^ a b ショウとファスコは、リースとフィンチの消息や行方を気にしており、共に二人からの連絡を密かに待ち続けている形で本作は幕を閉じている。
  5. ^ 登場初期の名前表記は「サマンサ・ショウ」
  6. ^ 演者のサラ・シャヒが妊娠、産休に入ったことによるもの[6]
  7. ^ 単独行動を取っていたリースが死の淵に陥った際、カーターの姿を幻視して生き延びるための励ましの声をかけられている。





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