チョコバナナ (雑誌)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/23 07:32 UTC 版)
チョコバナナ盛り上げ隊
「チョコバナナ盛り上げ隊」とは、同誌の売上・知名度を上げようとする読者の宣伝活動の総称である。
CBを月刊誌にしたい、あるいは投稿者たちの作品で漫画雑誌を作りたいという目標は早くから掲げられていたが、赤字経営のままでは無理だった。一番かかるのは人件費だが、4巻を最後にスタッフをリストラしてしまうほどの苦境だった。そこで、ほぼ自然発生的に「同誌の売上を伸ばす(赤字脱却)」「知名度を上げる(この素晴らしい本を広めたい)」「手に入れやすい本にする(バックナンバーを書店に置いてもらう)」ための活動が、複数の読者によって始められた。
具体的な方法は以下の通り。
- 友人・知人に広める。さくまも「私の40過ぎの仲間達も恥ずかしそうに(CBを)買ってくれます」と言っていた。さくまの場合、自分から送りつけるケースもあったという(相手はピエール瀧など)。
- 駅の伝言板、書店のペンの試し書きなどに「チョコバナナ買ってね!」と宣伝を書く。ただし、出版社なども一緒に書いておかないと、食べる方のチョコバナナと間違われる。
- 漫研・同人サークルなどで購入する。一冊買えばメンバー全員に広がる。
- 県立・市立などの図書館に注文して置いてもらう。現在でも、図書館によっては倉庫などに保存してある(閉架)場合もあると思われる。
- 書店で「注文して」購入する。店員に覚えてもらえば、仕入れが増える。既に置いてある場合でも、あえて「チョコバナナありますか?」と店員に聞く。これを実行したところ、わざわざ店員が倉庫から持って来てくれたので、「既に持っているにも関わらず買ってしまった」という経験をした者が、さくまを含め何人もいるとか。読者自身が売る側(店員)に回るパターンもあり。
- 書店で目立たないところにあった場合、よく見える、目立つところに置き直す。一例としては、アンソロジーや同人誌のコーナーから、アニメ・ゲームのコーナーへ。
- 他誌に宣伝ハガキを投稿する。そのバリエーションとして、「他誌用のイラストの一部に、さりげなくチョコバナナの文字を入れる」「ペンネームにチョコバナナ(CB)の文字、名誉会員番号を入れる」というのもあり、口コミで噂が広がるようにした。川添真理子が『ファンロード』等で行った活動は特に有名。
- コミケ等の同人誌即売会のイベントで、自分たちの本と一緒に売り場に置く。
- 電車等、不特定多数の人が集まる場所で、さりげなくCBを読む。
- 『怪物パラ☆ダイス』の主題歌「ランデヴー」のシングルを買ったり、有線でリクエストしたりする。さくま自身もFM沖縄の番組「ポップンロール・ステーション」にゲスト出演、CBや「怪パラ」の宣伝とともに「ランデヴー」を流してもらった。
これらの積極的な活動に対して、さくまは「日本で一番心優しい読者が集まってる本だ」「みんながこの本を何とか出せるようにという思いがひしひしと伝わってくる。私はみんなになんて応えたらいいんだろうなぁ」と感謝の意をたびたび示した。また、「ブレイクした暁には、エピソードに事欠かない本だぞ」ともコメントしていた。
そしてさくま自身も「負けてられない」と、「チョコバナナ編集長」の肩書きをひっさげて他メディアに宣伝活動に赴いた。「桃鉄」等ゲームの紹介記事のインタビューでCBの話をした他、主なものをあげると、
- 『近代麻雀オリジナル』で負けまくりつつ宣伝。当時はまだ左手が動かず、しかも15年ぶりの対局だったとのこと。
- コンパイルの発行する「ディスクステーションVol.15」に出演。同号ではCBが読者プレゼントとなった。
- 「輝く日本の星!」の企画「手塚治虫を作る」に審査員として出演。同番組には名誉会員も多数参加した。オーディションの参加者全員にCB8巻が参加賞として送られた。
- 『じゅげむ』97年9月号ですぎやまこういち、堀井雄二、岡本吉起、西尾仁志らと座談会。編集部に「ジャンプ放送局」フリークがいて、CBを宣伝する前に自主的に取り上げてくれたとのこと。
- その他、取材を受けたときの自分の写真の脇にCBをさりげなく写す。
- ショッカーO野他、友人達も宣伝・営業活動に協力してくれたという。
これらの活動は一応は実を結び、「バックナンバーを置いてくれた」「新刊が平積みで置いてあった」「入荷した分が売り切れた」などの報告が、全国から多数寄せられた。しかし、結局最後まで売上は赤字のままだったらしい。
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