イングマール・ベルイマン 監督としての特徴

イングマール・ベルイマン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 09:30 UTC 版)

監督としての特徴

一般的に、イングマール・ベルイマンは20世紀を代表する映画監督の一人とみなされている。2002年に『Sight & Sound』が行ったアンケート調査によれば、ベルイマンは映画監督が選ぶ映画監督ランキングで第8位にランクインした[22]デンマークの映画監督であるビレ・アウグストは、黒澤明フェデリコ・フェリーニに並ぶ三大映画監督として、ベルイマンの名前を挙げている[23]ウディ・アレン[24][25]クシシュトフ・キェシロフスキなど、ベルイマンに影響を受けたと告白する映画監督は枚挙に暇がない。

『第七の封印』や『沈黙』のような、形而上学的とも言われる代表作から難解な作家とも評されるが、一方で(時に難解なテーマを伴ってはいても全体的には)わかりやすい作品も多い。また、女性を主役に据えた作品が多いのも特徴である。ベルイマンは正式な結婚を少なくとも5度行っており、そのような自身の女性遍歴を反映したかのような作品も数多く見られる。

ベルイマンの映画は舞台劇的と評されることが多いが、ベルイマン本人はあるインタビューの中で、自作の映画『ある結婚の風景』を舞台化するときに、構成やセリフのほとんどを書き換えなければならなかった例を挙げて、映画と舞台は別物であると訴えている[26]。ちなみに演劇では主にウィリアム・シェイクスピアアウグスト・ストリンドベリを好んで取り上げ、自らの劇団を率いて日本で大胆な解釈に基づく『ハムレット』とストリンドベリの『令嬢ジュリー』、三島由紀夫の『サド侯爵夫人』を上演したこともある。


注釈

  1. ^ Ingmar Bergmanのスウェーデン語による発音については、外部サイトを参照のこと。[1]

出典

  1. ^ 13th Cannes Film Festival”. Fipresci.org. 2020年1月4日閲覧。
  2. ^ 8th Berlinale”. Fipresci.org. 2020年1月4日閲覧。
  3. ^ 大辞泉』の「ベルイマン」の項目より
  4. ^ Ingmar Bergman RIGHT PRONUNCIATION 2018年5月4日参照。
  5. ^ 小松 2000, pp. 12–13.
  6. ^ 小松 2000, p. 19.
  7. ^ 小松 2000, p. 25.
  8. ^ 小松 2000, p. 31.
  9. ^ 小松 2000, p. 38.
  10. ^ 小松 2000, pp. 62–63.
  11. ^ a b c d スウェーデンの巨匠 映画監督イングマール・ベルイマンの葬儀が行われる”. www.afpbb.com (2007年8月19日). 2021年7月2日閲覧。
  12. ^ 小松 2000, p. 65.
  13. ^ 小松 2000, p. 118.
  14. ^ 小松 2000, p. 129.
  15. ^ 小松 2000, p. 154.
  16. ^ 小松 2000, pp. 172–173.
  17. ^ 小松 2000, p. 218.
  18. ^ 小松 2000, p. 188.
  19. ^ イングマール・ベルイマン - 高松宮殿下記念世界文化賞”. www.praemiumimperiale.org. 日本美術協会. 2021年7月2日閲覧。
  20. ^ 山根聡 (2006年8月8日). “ベルイマン監督 20年ぶり新作映画撮っていた”. 産経Web(産経新聞 ENAK) (産経デジタル). http://www.sankei.co.jp/enak/2006/glace/aug/kiji/08cinemaBailman.html 2024年4月20日閲覧。 
  21. ^ スウェーデンの巨匠 映画監督イングマール・ベルイマン死去”. www.afpbb.com (2007年7月30日). 2021年7月2日閲覧。
  22. ^ The Greatest Films of All Time… in 2002” (英語). BFI (2021年5月18日). 2023年12月21日閲覧。
  23. ^ BBC NEWS、“Film director Bergman dies at 89”、2007年7月30日。(参照:2009年9月11日)
  24. ^ Richard Corliss、“Woody Allen on Ingmar Bergman”、2007年8月1日。(参照:2009年9月11日)
  25. ^ 故イングマール・ベルイマン監督へ、米映画界から賞賛の声”. www.afpbb.com (2007年7月31日). 2021年7月2日閲覧。
  26. ^ G・ウィリアム・ジョーンズ編/三木宮彦訳「ベルイマンは語る」青土社 p142 5行目「……映画用のシナリオを舞台用の台本にアレンジしたのですが、結局シナリオからはセリフを五つもらっただけだし、舞台化そのものも失敗作に終わりました。」
  27. ^ 13th Cannes Film Festival”. Fipresci.org. 2020年1月4日閲覧。
  28. ^ 8th Berlinale”. Fipresci.org. 2020年1月4日閲覧。
  29. ^ https://www.afpbb.com/articles/-/2262073?cx_part=search 「故イングマール・ベルイマン監督へ、米映画界から賞賛の声」AFPBB 2007年7月31日 2019年11月3日閲覧


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