4H-ピランとは? わかりやすく解説

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ピラン (化学)

(4H-ピラン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 08:35 UTC 版)

2H-ピラン
IUPAC名2H-ピラン(許容慣用名)
別名α-ピラン
分子式C5H6O
分子量82.10
CAS登録番号289-66-7
SMILESO1CC=CC=C1
4H-ピラン
IUPAC名4H-ピラン(許容慣用名)
別名γ-ピラン
分子式C5H6O
分子量82.10
CAS登録番号289-65-6
SMILESO1C=CCC=C1

ピラン (pyran) は、化学式 C5H6O で表される、1個の酸素原子を含む6員環のエーテル化合物である。二重結合の位置が異なる異性体として2H-ピランと4H-ピランの2種が存在する。2H-ピランでは飽和炭素が2位に、4H-ピランでは4位にある。

化学では母体のピランはそれほど重要ではないが、さまざまな誘導体が生体物質として知られている。

「ピラン」の語はより飽和度の高い類縁体であるテトラヒドロピラン構造を表すのに使われることがある。たとえば6員環の単糖ピラノースと呼ばれる。すなわち、D-グルコースの6員環構造の別名はD-グルコピラノースである。

合成とさらなる不飽和化

グルタルアルデヒド塩化水素の共存下に加熱すると 4H-ピランが発生する[1][2]

4H-ピランを臭素化して得られる 3-ブロモ-4H-ピランにカリウム tert-ブトキシド18-クラウン-6 を作用させると、さらに不飽和度の進んだ 3δ2-ピラン(4H-ピランから 3,4位の水素がとれた環状アレン)が短寿命の化学種として発生する[2]

関連項目

脚注

  1. ^ Strating, J.; Keijer, J. H.; Molenaar, E.; Brandsma, L. Angew. Chem. 1962, 74, 465.
  2. ^ a b Engels, B.; Schoneboom, J. C.; Munster, A. F.; Groetsch, S.; Christl, M. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 287-297. DOI: 10.1021/ja011227c


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