1/N展開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/13 00:26 UTC 版)
1/N展開 (1/N expansion) は、主に量子論的場の理論で用いられる非摂動論的近似法の1つ。数学的観点からは摂動法の1種だが、物理学では非摂動論的近似法に属する[1]。QCDのクォークの閉じ込め問題の解決を期待して1970年代に開発、研究が進められたが、この問題の解決という観点からは期待はずれな結果に終わった[2]。
- ^ 物理学において摂動展開と言った場合、暗黙の了解として結合定数を摂動パラメータとする摂動展開を指す。 一方、展開の摂動パラメータは結合定数ではないので、摂動の各次数には、結合定数を展開パラメータとした場合、結合定数の無限次まで展開した計算結果が一部とは言え含まれているだろうと考えられる。このことから、非摂動的と呼ばれる。
- ^ a b 崎田文二・吉川圭二共著, 径路積分による多自由度の量子力学, 岩波書店, 1986, ISBN 4 00 005313 2
- ^ E. Witten, "Baryons in the 1/N Expansion," Nucl.Phys.B160:57,1979.
- ^ 九後汰一郎著, ゲージ場の量子論II, 培風館, ISBN 4 563 02424 4
- ^ S. Coleman, Aspects of Symmetry, Cambridge University Press, 1985, ISBN 0 521 31827 0
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