飯田龍太とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 作家 > 歌人 > 歌人 > 飯田龍太の意味・解説 

飯田龍太

飯田龍太の俳句

あをあをと年越す北のうしほかな
いきいきと三月生る雲の奧
かたつむり甲斐も信濃も雨のなか
どの子にも涼しく風の吹く日かな
なにはともあれ山に雨山は春
なびく秋草地を踏みしめて顔合す
ふるさとの坂八方に春の嶺
ふるさとはひとりの咳のあとの闇
またもとのおのれにもどり夕焼中
わが息のわが身に通ひ渡り鳥
ビルの屋上暑氣水平に麥熟れて
一月の川一月の谷の中
三伏の闇はるかより露のこゑ
元日の掌に鉄管の水ひびく
冬の雲生後三日の仔牛立つ
冬晴れのとある駅より印度人
冬深し巨船ひたすら南溟へ
冬耕の父母見下ろしに子が帰る
凍光や帰省す尿を大胆に
凧ひとつ浮かぶ小さな村の上
初夢のなかをわが身の遍路行
千里より一里が遠き春の闇
圓き川音切る人參の色やすらか
墮市街の灯もあたたかし波を染む
夏の雲湧き人形の唇ひと粒
大寒の一戸もかくれなき故郷
大鯉の屍見にゆく凍の中
天つつぬけに木犀と豚にほふ
天寿おほむね遠蟬の音に似たり
女中遠鳶眺めては睡からん
娼婦らにはや寒く張る西の空
子の皿に塩ふる音もみどりの夜
存念の色定まれり山の柿
尼寺の陽の熱量のうとましさ
山河はや冬かがやきて位に即けり
帰り花咲けば小さな山のこゑ
幸福肌にあり炎天の子供逹
強霜の富士や力を裾までも
手が見えて父が落葉の山歩く
新緑の山道をゆく死の報せ
日向の老婆に廐廂の新しさ
早乙女に雲の上なる夕景色
春すでに高嶺未婚のつばくらめ
春の夜の氷の国の手鞠唄
春の嬰兒家の兩側に雀群れ
春の鳶寄りわかれては高みつつ
春晝の潮蒼々と妻子絶つ
春暁の竹筒にある筆二本
春耕の田や少年も個の數に
春風に飛ばしてならぬ子とたばこ
 

飯田龍太

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 17:09 UTC 版)

飯田 龍太(いいだ りゅうた、1920年大正9年)7月10日 - 2007年平成19年)2月25日)は、山梨県出身の日本俳人飯田蛇笏の四男で[1]、蛇笏を継ぎ俳誌「雲母」を主宰。戦後の俳壇において森澄雄とともに伝統俳句の中心的存在として活躍した。句集に『百戸の谿』(1954年)、『童眸』(1959年)、『遅速』(1991年)など。


  1. ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 76頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j 『飯田龍太展』、p.76
  3. ^ 有泉貞夫 「俳人蛇笏・龍太と戦争(改稿)」『私の郷土史・日本近現代史拾遺』 110-112頁。
  4. ^ 飯田龍太・村上護 「わが俳句を語る」『俳句文庫 飯田龍太』13-14頁。
  5. ^ [1] 笛吹市教育委員会会議録令和6年3月定例会
  6. ^ 『現代の俳人101』 101頁。
  7. ^ 『定本現代俳句』 479-480頁。
  8. ^ 『森澄雄 飯田龍太集』解説、366頁。
  9. ^ 丸山哲郎 「わが師、わが結社」『俳句文庫 飯田龍太』184-185頁。
  10. ^ 『定本現代俳句』490-491頁。
  11. ^ 『飯田龍太の彼方へ』 7-15頁。
  12. ^ 『飯田龍太の彼方へ』 135-140頁。


「飯田龍太」の続きの解説一覧



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「飯田龍太」の関連用語

飯田龍太のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



飯田龍太のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
現代俳句協会現代俳句協会
Copyright(C) 現代俳句協会
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの飯田龍太 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS