西遊記の登場人物
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西遊記の登場人物(さいゆうきのとうじょうじんぶつ、英: List of Monkey characters)は、1978年から1980年にかけて日本テレビで放送されたドラマ『西遊記』『西遊記II』に登場する主な架空の人物の一覧と詳細である。原作となる古典小説「西遊記」とは、基本的な部分の設定や展開ではそれほど大きく離れていないが、細部には異なるところが多い。この記事では、ドラマ独自の設定に注意して記している。劇中の漢字不明の人名・物名はカナ表記のみとした。劇中で表明しない役名でも台本でわかるものは表記してある。
- ^ 第6話(理由は連続殺人容疑)、第15話(理由は傲慢と失言)、第16話(理由は殺人容疑)、パート2の第7話(理由は夢の中で師を蔑ろにして美女達と遊んでいたこと)、第26話(理由は三蔵の母である温嬌を打ち据えようとしたこと)
- ^ 第18話で実は二人乗りであることが明かされた
- ^ 毛をむしって小猿に変える技
- ^ 人間以外は、偵察のために虻に化けることが多い
- ^ 蟠桃園の桃で万年の長寿になっているだけでなく、72般の変化の術を心得ているので72個の命を持っているとされる。さらにこのドラマにはないが、原作では閻魔帳から抹消されているため、死期がなく、無限の寿命をもっている
- ^ パート1では八戒の九歯の杖をうけても無傷で、パート2では大気圏外から地球に落ちても頭はわれず、ノミも折れ、ノコギリも歯が立たず、何をやっても無駄だった
- ^ 悟空を罰するためのものではなく、悟空を戒め活かすためのもの
- ^ 原作によると花果山は東海神州の海の彼方にある
傲来 () 国の近くの大海にあるという火山島である。オープニングの映像はそれ。よって破門されたりすると、天竺とは逆方向の東の果ての故郷に帰ってしまう - ^ ドラマで孫悟空の名前の由来は登場しないが、原作では、もともと親もない石猿ゆえに姓名はなかったが、仙術の師匠の
須菩提祖師 () により、姓を孫とし、法名を悟空とするようにと、名前を与えられる。須菩提は釈迦如来の十大弟子の一人であり、実は悟空は釈迦の孫弟子にあたるのではないかと思われ、天竺での報奨でも三蔵の他の弟子とは扱いが違う。また孫行者 () というあだ名は、小坊主に似ているという理由で、三蔵がつけたもの - ^ 原作で「斉天大聖」と名乗るように唆したのは、独角鬼王という魔物で、悟空は天帝が与えた職務が役不足として逐電し、自ら斉天大聖を名乗った。ドラマではこのくだりはなく、天上界に行く前から斉天大聖を名乗っている
- ^
弼馬温 () のこと。 - ^ 原作によると、五行山ができたのは、人間の世界では、王莽が漢帝国を乗っ取った時、つまり西暦8年にあたり、三蔵法師が旅に出たのが、唐の太宗の治世の貞観13年であるので、それはつまり西暦639年である。よって厳密には悟空の刑期は六百三十年ほど。
- ^ 正しくは緊箍児だが、このドラマでは「金の環でキンコという」と説明され、単に「わっか」とか呼ばれている
- ^ 堺正章が別の舞台に出演していたためで、ドラマでは一切言及がない。
- ^ 戦うことを禁じられているというが、第18話ではそう言った矢先に防御のための武器として使用
- ^ ドラマでは玄奘は初登場シーンから「…はんにやはらみつた…」と唱えている。烏巣禅師からお経をもらった後ならわかるのだが
- ^ 本来は緊箍呪という呪文であるが、ドラマではお経として扱われている
- ^ 仙人が雲に乗れるのは雲よりも軽いからであり、ドラマのように悟空などにつかまっても人間は雲には乗れないことが原作では語られている
- ^ 右手で手綱を持つことが多いために、主に左手だが、徒歩のときは右手の場合もあり、左右の決まりはない。
- ^ プロデューサーの熊谷健らの発案で、女性の男役という、歌舞伎の逆にすることにして、清潔感、美しいひとみ、ボーイッシュな雰囲気であった当時デビュー間もない新人の夏目雅子を起用したと、熊谷本人が後のインタビューで答えている
- ^ また別のプロデューサーの森川一雄は、「孫悟空が三蔵法師にほのかな恋心を抱く」という裏設定があったことが、三蔵を女優が演じることになった理由であると明らかにしている。またゴダイゴもその裏設定に従って「Don't Want to say I Love you」という曲を作っていたが、その裏設定はボツになり、曲も劇中で使われることはなかった
- ^ また新人女優であった夏目雅子も男声をしっかり演技しているので注目
- ^ 原作では、父の姓名は
陳蕚 () で、字は光蕋 () という。祖母は張氏。科挙に受かった英才で、母思いの優しい性格。鯉に変化した竜王を助けたので、恩返しされて死後に復活できた。 - ^ 正しくは「
錦襴 () の袈裟」。仙蛾の糸を神女が織ったもの。この袈裟を身にまとう者が仏に帰依するものならば、淪落 () を免れ、地獄道に落ちず、悪毒の難にあわず、虎狼の災いを避けることができるという法力がある。銀五千両の価値がある - ^ 正しくは「九環の錫杖」。銅鑲鉄造の九連の環のついた錫杖。地獄の門を突破する法力がある。銀二千両の価値がある
- ^ 女装ではない
- ^ つまりまだタクラマカン砂漠も天山山脈も越えていない
- ^ 役を得た当初は苦労が多かったようで、セリフもほとんどが「これ、悟空」など一言二言のみで、演技する場面どころか登場シーンそのものが少なかった。「夏目雅子—27年のいのちをたずねて」によると回を重ねるごとに視聴者から「三蔵法師をもっと出して欲しい」という要望が日本テレビに寄せられて、次第に出番が増えていったとのこと。
- ^ ただしドラマでは劇中には名前は登場せず。特典映像では岸部シローが語る場面あり
- ^ 本作パート1独自の設定。原作では悟空・八戒同様に雲に乗って空を飛ぶ能力がある。パート2では雲に乗れる
- ^ 妖怪帝国では合計6点で補欠合格。宿泊所は与えられず、炊き出しを恵んでもらう扱いだった
- ^ 第6話(相手は其美)、第18話(相手は愛愛)、第22話(相手は美宝)、パート2第10話(相手は翠玉)
- ^ 原作では「霊山の大将」という表現が随所でつかわれる
- ^ 西王母は壊されたのは「壺」といい、実際に壊れたものも壺のように見える。しかし第2話で沙悟浄は「盃」を壊したと菩薩に告白した。原作では天帝の宝である玻璃の盃であり、これを蟠桃会で手を滑らして割ってしまったという罪であった。悟空に原因があるというのは、このドラマ独自の設定。
- ^ 原作でも明らかに沙悟浄の罪は一番軽いが、与えられた刑罰は一番重い。原作の罰は、鞭打ち八百回して下界に落とし、妖怪の身に変えたうえに、七日に一度は鋭い剣を(天上界から)飛ばして脇腹を貫き続けるというもので、飢えと寒さで旅人を喰らうしかなかったとされる。菩薩に会うまで数百年経ったとすると、沙悟浄は何万回も剣で突かれていた計算になる。(悟浄が天上界を追放された時期は原作では不明)
- ^ 原作では、厳密には砂漠の妖怪であり、沙悟浄が河童という設定は日本独自のもの。英語版では原作に従ってサンディの英名になっている
- ^ ただし魚を食うのは出家した身としてはおかしい
- ^ 原作ではこの役割は空を飛べる八戒である
- ^ パート2の最終話などで母親の存在もうかがわせるが、どこのどういう人物かは登場せず
- ^ 岸部シロー本人が苦手だそうで、蛇とからむシーンは失神寸前だったそうである
- ^ 沙悟浄の説明によると妖怪は歯の数が多いほど知能が高いとのこと
- ^ 原作では沙悟浄の発言が極端に少ないので、悟空が言ったことになっている
- ^ 第12話(理由は窃盗)
- ^ ドラマでは「しんぴょう老公」が自ら鍛えたものというが、「しんぴょう」が何を差すか不明。原作では太上老君が鍛えたとされる神器で、「まぐわ」の形状をしているので農機具のようだと馬鹿にされる
- ^ 悟空よりも少ない36般の変化の術を心得る。が、自在に化けるのは不得意。
- ^ 銀斗雲というらしい。形状や色はパート1と2では異なる。あまり使わないのでエンジンの調子が悪いとの事。
- ^ 妖怪帝国では計24点で三級妖怪。部屋を与えられ、醜女でもてなされた
- ^ 第2話(相手は翠蘭)、第3話(相手は真真、愛愛、憐憐とその母)、第8話(相手は麗燕)、第11話(相手は唯晩怪)、第16話(相手は春嬌)、第17話(青竜将軍の幻術に惑わされて)、第22話(相手は美爛)
- ^ 原作の罰は、つち打ち二千回
- ^ 原作では、天帝の命令で豚になったわけではなく、地上では生まれ変わってまっとうに生きようとしたところ、事故で黒豚の胎内に宿ってしまい、母豚をかみ殺して生まれた。群れのほかの豚も殺し、黒豚の妖怪となって、人間を喰って暮らしていた。明らかに彼はすべての大罪を犯していることがわかる
- ^ 原作では
卯二姐 () という女の婿養子になった。この女は死んで遺産を手にしたが、食に困り、人間を喰らって生活していた - ^ 原作とドラマでは戒めの趣旨が異なる。原作における八つの戒めは五葷三厭を避けるという食事制限で、猪悟能は菩薩に会って以来、それだけは守って精進料理しか食べていなかった。これに感心した三蔵がつけた名が猪八戒である。ドラマで三蔵が諭すのは仏教の八戒であり、猪悟能も鶏肉をむさぼるなど肉食をしていたし、自堕落であったことが想像される。ただ道中でも肉食をする場面がしばしばある
- ^ 三蔵一行は全員が僧侶のはずだが、ドラマでは三蔵以外は平然と肉食をしばしばする。
- ^ パート1の第22話。相手は人間ではないが、美爛
- ^ 八戒はパパになる気であったようだが、分数妖怪は感謝しつつも、一切肯定的な返事はしていなかった
- ^ 悟空はパート1の最終話で、悟浄はパート2の初回で、玉竜は観世音菩薩に鎖を切られたときに、罪を許されていた
- ^ 豚の顔は特殊メイクの試作で、役者が誰だか分からないというのでボツになったもの。耳だけが採用された
- ^ ドラマでは特に言及ないが、三太子つまり三男である。彼の父親である西海竜王・
敖閏 () は悟空が防具を奪った相手 - ^ このドラマでは台本にも「玉竜」とある
- ^
蛇盤山 ()鷹愁澗 () - ^ 原作では菩薩の力で変身させられた
- ^ 原作では「竜の尿」という事で、悟空が調合したインチキ丸薬に数滴混ぜただけで、立派な薬として効果を示した事がある。
- ^ 霊霄殿と同じ。金闕雲宮霊霄殿とも
- ^ 原作では
蟠桃大会 () であるが、ドラマでは小会となっている。 - ^ これはドラマ独自の展開。原作では宴会に潜入した悟空は、仙人の酒や珍味を食い荒らし、持ち逃げして地上に去った。天帝は追っ手を差し向けるが、ことごとく返り討ちにあう。
- ^ 原作では天上界の離恨天は兜率宮で金丹を練っていた
- ^ 原作では天帝の妹が俗心をおこして下界にくだり、楊氏に嫁して産んだ子供とされる
- ^ 梅山の六兄弟(康・張・姚・李の四大尉と郭申・直健の二将)も台本では登場したがカットされた。
- ^ 天帝よりも上位にも見えるが、釈迦如来は西王母の蟠桃会に賓客として呼ばれる立場で、上下関係はない
- ^ 鬼子母に命を投げ出させて慈愛を教えた後で、両名とも生き返らせたが、鬼子母に殺された何千という子供については言及なし。
- ^ ドラマでは「托塔天王」の子と名乗るが、正しくは托塔李天王。原作では托塔李天王と
哪吒三太子 () は悟空の討伐に派遣されて、散々打ち負かされている - ^ 原作やこのドラマの宣伝用製作資料には女郎蜘蛛とあるが、ドラマ内では土蜘蛛となっている
- ^ ドラマ内では天婚と呼ばれたが、正しくは撞天婚。偶然を天意として選ばれた相手と結婚する習慣
- ^ 本人の自己紹介による。弁天はヒンドゥー教の女神が仏教に同化したもの。元来は腕が4本あるが、外見は屏風の弁天さまと変わらなかった
- ^ 原作では、船頭であり、温嬌の美貌にむらむらと悪心を起こし、その夫である陳光蕋を殺して川に捨て、江州長官に成りすました
- ^ ドラマでは童子の姿だが、原作では妖魔で、悟空に一瞬で打ち殺される
- ^ 原作では、前世が
披香殿 () に侍る玉女で、奎星 () と夫婦になるために王女として生まれ変わったことになっている。黄袍怪は奎星の生まれ変わり - ^ 原作では子供は二人
- ^ もともとの台本では「…もしお顔を見せてくれたら、あんたのいいなりになってあげる」「ほんとうか?」「ウン、目をつぶってあのお坊様のお顔を想像してればサ」と、大胆な会話が用意されていたが、さすがに変更になった。
- ^ 樹皮の繊維は和紙の原料。蛍のように光る紙ができるとのこと
- ^ 印象的な役だが、台本にも役名なし
- ^ 台本では順番が違うが、アドリブか「そしてコブザル」も付け加えられている
- ^ もとの台本では奴隷商人の末弟・李小竜という役だったが、最終的には大幅にストーリーが変更され、奴隷商人に捕まった被害者と設定が変わった。
- ^ 台本では壁に頭からめりこみ、穴を開ける予定だったが、ただ投げられるだけに変更。堺正章が後にバラエティ番組で語ったところによると、ベテラン俳優である小林重四郎がそのシーンに難色を示したためという。
- ^ 台本に食べた後のシーンがあるが、カットになった
- ^ 狂ったあとに、悟空を自分の息子と思って抱きしめるシーンが台本ではあったが、出番はカットされている。
- ^ 原作では霊山の麓にいた
貂鼠 () の化身 - ^ 「孫悟空」のアナグラム。なお、原作では金のひょうたんは、名前にかかわらず、返事をした者を吸い込む機能であったので、偽名を使う手は通用しなかった
- ^ 原作では兄弟であり、二人とも大王を名乗るが、銀角のほうが有能。ドラマでは王と王妃。
- ^ エンディングクレジットでは「新村ひでや」
- ^ エンディングクレジットでは「新村えつや」
- ^ 原作では
碗子山 () 破月洞 - ^ 原作では一人で登場し、姿は赤い髭と髪の青い顔で、黄金の鎧という風に、三色が備わっている。前世が天上界の二十八宿の一つ
奎星 () で、奎木狼 () といった。 - ^ 父親というのは、沙悟浄の前世の前世の話であり、人間に掠われた6歳のショウチンは、殺されたか、天上界に召されたらしい
- ^ 理由は不明。演じた中尾彬本人も当時を回想して不思議がっていた。
- ^ 正しくは
独角兕大王 () 。原作で悟空の手下だった独角鬼王とは別人 - ^ これは元来は太上老君の宝物で盗まれたもの。原作で独角兕大王は青牛の化身
- ^ 原作では牛魔王の弟で、道士である
- ^ パート1で人間に退治された唯一の例
- ^ 悟空は雲を動かす力をもつので二万四千里飛ばされただけで済んだ
- ^ このドラマで悟空と戦って倒したのは、このキャラクターのみ
- ^ 劇中で名前を呼ばないが、ドラマ台本のト書きより。
- ^ 歳は26〜7で独身の子持ちの妖怪という設定だが、ややサバ読み過ぎか
- ^ もともとの台本では悟空が術をかけて分数妖怪に子供達を蘇らせる結末だったが、分数妖怪の涙で蘇るという形に変更になった。このため中盤に殺した子供への後悔を見せるシーンがあり矛盾する
- ^ 平妖伝の登場人物がモデル
- ^ 登場した妖怪のなかで人間界を征服しようという具体的な野望を持つ唯一のキャラクター
- ^ カリテイモとハンジャを合わせた名前はこのドラマ独自のもの
- ^ 平妖伝の登場人物で、聖姑姑の息子。胡姓は狐の妖怪一族である
- ^ 平妖伝では、
胡黜児 () の変名で、弓矢で左足が不虞になったことに起因する名前だが、このドラマでは兄弟という設定 - ^ よってこの兄弟は沙悟浄よりも年長である
- ^ 第14話で登場した鬼女妖怪とこの話はだぶるが、こっちの方がオーソドックスなストーリーである。タイトルの異説とはそのことか
- ^ お尻をほぼ見せた全裸の後ろ姿。入浴シーンがあっても裸は一切見せないこのドラマでは異色のシーンである
- 1 西遊記の登場人物とは
- 2 西遊記の登場人物の概要
- 3 妖怪・魔物(登場順)
- 4 参考文献
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