薪買い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/01 10:23 UTC 版)
吉四六の家の前を、ちょうど薪売りが通った。吉四六は彼を呼び止め「薪一束全部もらおう」と告げる。薪売りは喜んで家に持ち運ぼうとするが、そのとき吉四六は「門をくぐる時は、根元の方から入れてくれ」と注文を付けた。薪売りは変わり者がいるものだと首をかしげつつも薪を家に放り込もうとするが、如何せん根が引っかかって悪戦苦闘、その間に出っ張った根元がばらばらとほぐれていく。何とか苦労して薪を収めて、薪売りが100文の値段を付けると「高い、1文に負けろ」と無茶を言う。薪売りは「そんな安値で売れるわけないだろう」と言い返すと、結局吉四六は買うのはやめだと告げて薪売りを怒らせて返してしまった。しかし、薪は根の広がり部分がすっかり削ぎ落とされており、吉四六は大喜びで散らばった根元の細切れを掻き集めるのだった。
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