第1章 睦月――椿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/20 13:07 UTC 版)
1月の終わりに、民宿〈遠山荘〉を営む珠子は、京都の大原にある宝泉院を訪れる。珠子は、宝泉院にある血天井を眺めるのが好きだった。珠子は、4年前の3月に、〈枡屋〉という旅館を経営していた父と、婿養子であった夫を同時に事故で亡くした。父と夫が車で大原へ向かっていたとき、車ごと川に落ちた。車を運転していたのは、憲仁だった。母は珠子が高校生のときに病気で亡くなっていたため、珠子は天涯孤独の身になった。 ある日、男女1組の客が〈遠山荘〉を訪れる。それは、その少し前に昼間からところ構わず身体を寄せ合っていた2人だった。その日の夜、珠子は、客の男女が床をともにしているらしい客室の前で立ち聞きをする。翌朝、客の男、羽賀から女が東京へ帰った、と告げられる。珠子は、昨夜はあれほど睦み合っていたのに、何故、女は帰ってしまったのか、と不思議に思う。珠子は、羽賀に大原を案内することになり、来迎院へ行く。そこで、昼間に女とキスをしているところを珠子が見ていたことに、羽賀は気づいていた、と知らされる。その後、珠子は、羽賀から〈富しば〉のジャムをおすそ分けでもらう。その夜、珠子は羽賀に「あなたに欲情した」といわれ、抱かれる。
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