神戸製紙所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 08:43 UTC 版)
神戸製紙所(Kobe Paper Mill)は1877年(明治10年)[† 1]、神戸において日系アメリカ人ウォルシュ兄弟によって創設された製紙会社。日本の製紙業低迷期の6社[† 2]の一つであり、また唯一外国人が経営した製紙会社である[1]。1879年には丸網抄紙機1台をもって洋紙製造を始め、上質紙を得意とした。1888年には長網抄紙機も増設するなどした。創立当初から三菱岩崎家との縁は深く1897年のウォルシュ兄弟のひとりジョン・ウォルシュの死去を機に1898年岩崎家はこれを引き継いだ。三菱製紙の始まりである。三菱製紙はその社史に置いて神戸製紙所(Kobe Paper Mill)を前身としている。ウォルシュ兄弟時代の正式名称はKobe Paper Millで神戸製紙所は通称だったが、三菱岩崎家の買収後には神戸製紙所が正式名称になっている。1901年には工場を兵庫県高砂市に移し1904年には社名も三菱製紙に改称している。
注釈
- ^ 前身であるJapan paper Making Co.の創設は1875年(明治8年)だがJapan paper Making Co.時代には製造にこぎつけていない
- ^ 日本で最初の製紙会社有恒社、および抄紙会社(王子製紙)、蓬萊社、三田製紙所、パピール・ファブリック、とこの項目の神戸製紙所。それと6社に加えて大蔵省印刷局も製紙機械を導入して紙を抄いている。
- ^ 明治時代の1円の価値は換算する基準によって大きく異なるものの人件費を基準にすると現代の2万円程度、物価を基準にすると3800円程度と換算する向きもある[8]。
出典
- ^ 製紙業の100年、89頁。
- ^ 三菱製紙百年史、3頁。
- ^ a b c 三菱製紙百年史、17-18頁。
- ^ a b 成田1959、14-20頁。
- ^ 成田1998、174頁。
- ^ 成田1998、175頁。
- ^ 三菱製紙百年史、18頁。
- ^ “man@bou日本と世界のお金の歴史 雑学コラム 明治時代の「1円」の価値ってどれぐらい?”. 野村ホールディングス、日本経済新聞. 2015年12月15日閲覧。
- ^ a b c d 三菱製紙百年史、15,18-20頁。
- ^ 製紙業の100年、87頁。
- ^ a b 三菱製紙百年史、21頁。
- ^ 三菱製紙百年史、22頁。
- ^ 三菱製紙百年史、20頁。
- ^ 三菱製紙百年史、24頁。
- ^ 三菱製紙百年史、10頁。
- ^ a b 三菱製紙百年史、29-36頁。
- ^ 三菱製紙百年史、39頁。
- ^ a b 三菱製紙百年史、38-39頁。
- ^ 三菱製紙株式会社・沿革
- ^ 三菱製紙百年史、42-45頁。
- 1 神戸製紙所とは
- 2 神戸製紙所の概要
- 3 合資会社神戸製紙所
- 4 脚注
- 神戸製紙所のページへのリンク