満洲国の国歌
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満洲国の国歌は、国務院佈告として正式に制定された二曲があり、その前にも国歌として製作された一曲がある。
注釈
- ^ 満洲国建国宣言後の1932年3月8日に、執政となる愛新覚羅溥儀が長春入りした際、『東京朝日新聞』は軍楽隊によって「新満洲国国歌」が演奏されたとする記事を掲載している[1]。この「新満洲国国歌」については児島襄も著書に取り上げている[2]が、実際に演奏されたのは同年2月に朝日新聞社が選定した軍国歌謡『満洲行進曲』だったという[3]。なお、溥儀が執政に就任した3月9日にも「新満洲国国歌」が演奏されたとする新聞記事が別途存在する[4]が、こちらの「新満洲国国歌」の詳細は不明。
- ^ 『東京朝日新聞』は6月3日付朝刊で、国歌の歌詞が完成したこと及び作曲を山田耕筰に依頼したことを報じている[8]。
- ^ ロサンゼルスオリンピック参加申請時点での、満洲国体育協会会長・満洲国オリンピック委員会代表でもあった。
- ^ 『東京朝日新聞』は、7月19日付朝刊で国歌の完成を報じた[10]。
- ^ 総務庁弘報処長で新国歌制定にも関与した武藤富男は、新国歌制定の理由について以下のように述べている[21]。もともと満州国歌は建国早々、初代の総理鄭孝胥の作詞によるもので、儒教精神に溢れていたが、帝も王も現れず国民とその守るべき道義が核心をなしていた。(中略)
この歌を奏じつつ感ずるのは、「これは帝政国家のものではなく、儒教的民主主義の歌である」ということであった。建国神廟は創建され、満州国は日本の「親邦」と呼ばれるようになったのに、国歌にはそれが現れていない。国家的行事が行なわれる場合も、外国へ使節が送られた時にも、学校で儀式が行われる際にも「天地内有了新満州」で、満州国は鄭孝胥の国家観により支配されているとも言いうる。 - ^ 武藤富男は「1942年4月に自ら新国歌制定の計画を武部六蔵総務長官に提案し、翌5月に国歌制定委員会が制定された」としている[21]が、これについて岩野裕一は新国歌制定の議論を報じる1941年7月の雑誌記事[23]の存在を指摘し、「(武藤の回想は)記憶違いあるいは勇み足であろう」としている[24]。
- ^ 日本音楽文化協会の機関紙『音楽文化新聞』によれば、1942年7月時点の「草案」における日本語詞は、最終連が「あまつみわざ おこしまつらむ」となっている[20]。
出典
- ^ 「溥氏晴れの長春入り 駅頭にわく群衆の歓呼」「歓迎の民衆渦巻き 新国歌に踊り狂う その日の新国都長春」、東京朝日新聞1932年3月9日付朝刊、2頁。
- ^ 児島襄『満州帝国』 2巻、文藝春秋〈文春文庫〉、1983年、87-88頁。
- ^ 岩野 1999, p. 95.
- ^ 「溥元首夫妻を擁して 新興国首途の万歳」、読売新聞1932年3月11日付夕刊(10日発行)、1頁。同記事は、日本電報通信社による配信記事に基づく。
- ^ 満洲建国十年史 1969, p. 892-893.
- ^ 満洲建国十年史 1969, p. 893.
- ^ 満洲建国十年史 1969, p. 893-894.
- ^ 「建国の精神を伝う満洲国の国歌成る 鄭総理会心の作」、東京朝日新聞1932年6月3日付朝刊、3頁。
- ^ a b 岩野 1999, p. 97.
- ^ a b 「満洲国国歌の作曲成る=山田耕筰氏 歌詞は鄭総理の作」、東京朝日新聞1932年7月19日付朝刊、10頁。同記事では、楽譜の写真も掲載されている。
- ^ 「昭和歌謡大全(戦前・戦中編)」 - ウェイバックマシン(2014年5月18日アーカイブ分)
- ^ 「SP盤時代名鑑」(遊々庵) - ウェイバックマシン(2007年10月8日アーカイブ分)
- ^ 満洲建国十年史 1969, p. 894.
- ^ a b 岩野 1999, p. 100.
- ^ 中央観象台 編『時憲書』 康徳6年、国務院、1939年、1頁。NDLJP:1116856/4。
- ^ 岩野 1999, p. 101.
- ^ “満州国政府公報日訳 大同2年3月分” (PDF). 国立公文書館デジタルアーカイブ. 国立公文書館. p. 22. 2023年7月6日閲覧。
- ^ 岩野 1999, p. 254.
- ^ a b 音楽文化新聞b 2011, p. 38, 第23号(昭和17年8月20日付)、4頁「建国十周年慶祝の新国歌に日本語 従前の国歌は建国歌として保存」.
- ^ a b 音楽文化新聞a 2011, p. 282, 第20号(昭和17年7月10日付)、10頁「日本音楽文化協会々報 満洲帝国の新国歌作曲募集」.
- ^ a b 武藤 1988, p. 374-375.
- ^ 岩野 1999, p. 249.
- ^ 白根晃「音楽 : 音楽活動の概観」『観光東亜』第8巻第7号、日本国際観光局(ジャパン・ツーリスト・ビューロー)満洲支部、1941年7月、87頁。
- ^ 岩野 1999, p. 248.
- ^ 岩野 1999, p. 249-252.
- ^ 満洲国法令輯覧 第3巻
[続きの解説]
「満洲国の国歌」の続きの解説一覧
- 1 満洲国の国歌とは
- 2 満洲国の国歌の概要
- 3 滿洲國國歌(その二)
- 4 脚注
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