教訓譚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 07:17 UTC 版)
「エリス (ギリシア神話)」の記事における「教訓譚」の解説
ヘーシオドスは教訓詩『仕事と日々』の中で、二種のエリスについて書いている。片方は忌まわしい戦いと抗争を蔓延させる残忍なエリスだが、もう片方はニュクスが生んだ長女であり、怠け者も相手への羨望によって切磋琢磨する闘争心を掻き立てる、益のある「善きエリス」がいるとした。 エリスは『イソップ寓話』にも不和や争いの寓意として登場している。ヘーラクレースが旅をしていると、狭い道に林檎に似たものが落ちているのを見て踏み潰そうとした。しかしそれは倍の大きさに膨れ、もっと力を入れて踏みつけ棍棒で殴ると、さらに大きく膨れ上がって道を塞いでしまった。呆然と立ちつくすヘーラクレースのもとにアテーナーが現れて言った。「およしなさい、それはアポリア(困難)とエリス(争闘)です。相手にしなければ小さいままですが、相手にして争うと大きく膨れ上がるのです」。 アントーニーヌス・リーベラーリス『変身物語集』では、パンダレオースの娘アエードーンと大工ポリュテクノスは仲の良い夫婦だったが「ゼウスとヘーラーよりも深く愛し合っている」と自慢したためヘーラーの怒りを買い、エリス(夫婦の不和)を送り込まれた。
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