広東システムとは? わかりやすく解説

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広東システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/18 06:52 UTC 版)

広東システム(カントンシステム、:Canton System)は、中国清朝中期から後期(1757年 - 1842年)における、清国とヨーロッパ諸国(のちに米国も加わる)との間で行われた貿易管理体制である。「カントン体制」「広東貿易体制」などとも。ヨーロッパ商人との交易を広東広州)1港のみに限定し、独占的商人を通じて行った貿易体制であり、日本江戸時代のいわゆる「鎖国」体制における長崎出島での管理貿易体制(長崎貿易)と類似する。従来の中華帝国の交易スタイルであった「朝貢」貿易の一形態と見なされることも多いが、実際は朝貢形式の儀礼コストを省略し、広州現地における商人どうしの通商行動を重視した「互市」システムと理解する方が的確である[1](後述)。


注釈

  1. ^ 広東十三行と言うが必ずしも13の商人から構成されていた訳ではなく、明代からの伝統的な呼称がそのまま用いられたものである[5]
  2. ^ 公行(コホン)とは、価格統一のため結ばれたギルドのことである。通説では、EIC資料を分析した20世紀前半におけるアメリカの中国史学会の研究を元に、公行は1720年に結成され南京条約締結まで続いたものとされている。しかし近年では中国側の史料をもとに、公行の活動は1760年から1771年までとする研究も出されている。[19]

典拠

  1. ^ 籠谷2009、11頁。
  2. ^ 岩井2009、38頁。
  3. ^ a b 岩井2009、43-47頁。廖2009[要ページ番号]
  4. ^ a b c d 『東洋史辞典』。
  5. ^ a b c d e 上田2005、360-362頁。
  6. ^ 岡本1999、70頁。渡辺・杉山2008、119頁。
  7. ^ 岡本1999、11-12、70-71頁。
  8. ^ 岸本・宮嶋1998、295頁。渡辺・杉山2008、120頁。
  9. ^ a b c d e 『アジアの歴史と文化5』14頁。
  10. ^ 岡本1999、151、154頁。
  11. ^ 岡本1999、12、14、92頁。
  12. ^ 岡本1999、92-93、148、152頁。
  13. ^ 並木・井上1997、41-43頁。
  14. ^ 羽田2007、345頁。
  15. ^ 川口・村尾2008、177-180頁。
  16. ^ 坂野1975、257-258頁。
  17. ^ 渡辺2009、73-74頁。
  18. ^ 岡本1999、93頁。
  19. ^ a b 岡本1999、第二章。
  20. ^ 渡辺2009、74頁。Karsh(2008), p10。
  21. ^ 渡辺2009、74頁。Bernstein(2008), p287。
  22. ^ 『アジアの歴史と文化5』15頁。
  23. ^ 渡辺2009、74頁。Bernstein(2008), p288。
  24. ^ 『アジアの歴史と文化5』15-16頁。
  25. ^ a b 『アジアの歴史と文化5』16頁。
  26. ^ 渡辺2009、75頁。Bernstein(2008), pp.288-289。
  27. ^ 渡辺2009、75-76頁。Karsh(2008), p13。
  28. ^ 渡辺2009、76頁。Karsh(2008), p74。
  29. ^ 『アジアの歴史と文化5』16-17頁。
  30. ^ 浜下1997、102頁。浜下・川勝1991、42頁。
  31. ^ a b 並木・井上1997、50-51頁。
  32. ^ a b 『アジアの歴史と文化5』17頁。
  33. ^ 羽田2007、325頁。
  34. ^ a b 渡辺2009、77頁。
  35. ^ 1834年1月25日付パーマストン書簡。渡辺2009、77頁。
  36. ^ 渡辺2009、77-78頁。
  37. ^ 渡辺2009、78頁。
  38. ^ 岡本1999、24頁。
  39. ^ 岡本1999、163-166頁。
  40. ^ 『アジアの歴史と文化5』22-23頁。
  41. ^ 浜下1990。岡本1999、79-81頁。川島2004、40-42頁。杉原2009[要ページ番号]など。
  42. ^ 川島2004、224-233頁。同2005[要ページ番号]
  43. ^ a b 岡本・川島2009、16頁。
  44. ^ 川島1999、189頁。
  45. ^ 川島2004、213-224頁。
  46. ^ 古田1999、137-157頁。
  47. ^ 坂野1975、260頁。
  48. ^ 坂野1975、263-264頁。
  49. ^ 坂野1975、261-262頁。





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