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小栗康平

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2009/12/20 16:34 UTC 版)

小栗 康平(おぐり こうへい、1945年10月29日 - )は、群馬県前橋市出身の映画監督である。群馬県立前橋高等学校早稲田大学第二文学部卒。

1981年に『泥の河』で映画監督デビュー。以降、ほぼ10年に1、2本のペースで作品を発表する。作品数こそ極めて少ないものの、その特異な作品世界が高く評価されている。中でも、フランスのジョルジュ・サドゥール賞を日本人として初受賞するなど、海外での評価が圧倒的に高い。

目次

来歴

大学卒業後、まずはピンク映画の世界に飛び込んだが、ほどなく浦山桐郎の下に弟子入りする。その後、フリーの助監督として、山本迪夫大林宣彦篠田正浩らの助監督を務めた。この間、1973年に、特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』で監督を務めている。

1981年1月に、宮本輝原作の『泥の河』を監督。大阪の安治川に暮らす人々の生活を、幼い少年の視点から、白黒の画面で切なくも端整に描いた作品である。特に、油を飲ませた蟹にマッチで火を付けて遊んでいた少年が、友人の母が男に春を鬻いでいる所を目撃してしまう場面は、鮮烈である以上に、叙情的で実に儚い。子役の演技力も相俟って、高く評価された。同作により、1980年代以降の日本映画の鬼才として認識されることとなる。外国語映画賞にノミネートされた第54回アカデミー賞では受賞を逃したものの、モスクワ国際映画祭では見事に銀賞を獲った。

1984年11月には、李恢成原作の『伽倻子のために』(かやこ -)を発表。在日朝鮮人の少年の恋愛と葛藤と苦悩をリアルに描いた、青春映画である。これまでの日本映画と完全に異なり、在日の人の物語を極めて自然に描くことに成功し、賞賛された。この作品で、フランスのジョルジュ・サドゥール賞を日本人として初受賞した。

1990年4月、島尾敏雄原作の『死の棘』を発表。小説家・敏雄の不倫を知った妻が発狂すると言う私小説を映画化した、非常にショッキングなドラマである。原作者の島尾は、大島渚や篠田等からの同作の映画化の依頼を、頑なに拒否していた。ところが処女作『泥の河』を賞賛し、小栗には映画化を認めたのだ。松坂慶子の迫力溢れる熱演と岸部一徳の異様な存在感も手伝って、傑作として高く評価された。同年5月の第43回カンヌ国際映画祭では、見事に審査員特別グランプリ「グランプリ・カンヌ1990」と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。

1996年2月、役所広司主演の『眠る男』が公開。意識不明となって延々と眠る男を巡る、不思議なドラマである。群馬県が製作(全額出資)し、群馬県中之条町で撮影された異色作で、ご当地映画のパイオニアと位置付けられている。第47回ベルリン国際映画祭では芸術映画連盟賞を、第20回モントリオール世界映画祭では審査員特別大賞を受賞した。

2005年6月、『埋もれ木』を発表する。坂田明浅野忠信ら、異色のキャストにより、田舎を舞台に不思議な話が語られるファンタジーで、同年5月に第58回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品された。

学歴

監督作品

  1. 『泥の河』1981年。
  2. 『伽倻子のために』1984年。脚本兼任。
  3. 『死の棘』1990年。脚本兼任。
  4. 『眠る男』1996年。脚本兼任。
  5. 『埋もれ木』2005年。脚本兼任。

DVD

  • 『DVD-BOX 小栗康平監督作品集』販売元:松竹株式会社ビデオ事業室
  • 『埋もれ木』販売元:松竹株式会社ビデオ事業室

著書

2005年12月号より、グラフ文化誌『風の旅人』(ユーラシア旅行社)に「見ようとする意思」連載中。

受賞歴

  • 1981年 - 『泥の河
  • 1982年 - 『泥の河』で、第5回日本アカデミー賞最優秀監督賞、優秀作品賞。
  • 1984年 - 『伽倻子のために』
    • ベルリン国際映画祭 国際アートシアター連盟賞。
    • ジョルジュ・サドゥール賞(フランス、日本人初受賞)。
  • 1990年 - 『死の棘
  • 1991年 - 『死の棘』で、第14回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞。
  • 1996年 - 『眠る男』
    • 第47回ベルリン国際映画祭 芸術映画連盟賞。
    • 第20回モントリオール世界映画祭 審査員特別大賞。
    • 第38回毎日芸術賞。
    • 第20回山路ふみ子文化賞
    • 第70回キネマ旬報日本映画監督賞。
  • 1997年 - 『眠る男』で、第20回日本アカデミー賞優秀監督賞。
  • 2006年秋の紫綬褒章を受賞。

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