三炭素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/07 05:04 UTC 版)
三炭素(Tricarbon)は、20世紀初頭にウィリアム・ハギンズによって彗星の尾の中で初めて分光学的に観測され、続いて恒星大気の中でも見つかった小さな炭素のクラスターである。三炭素は、星間空間でも見られ、レーザーアブレーションと呼ばれる方法で実験室内でも生成できる。三炭素や二原子炭素のような小さな炭素のクラスターは、すすの前駆体と考えられ、工業的なダイヤモンドやフラーレンの製造とも関わる。三炭素の基底状態の分子構造は線形である。結合長は129から130pmで、アルケンの結合長に相当する。イオン化エネルギーは、実験的に11から13.5電子ボルトと測定された[1]。線形の三炭素原子と対照的に、C3+カチオンは屈曲した構造である。
- ^ Nicolas, Christophe; et al. (2006). “Vacuum Ultraviolet Photoionization of C3”. J. Am. Chem. Soc. 128 (1): 220–226. doi:10.1021/ja055430. PMID 16390150.
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