ヨイク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 13:44 UTC 版)
ヨイク (芬: Joiku、英: joik あるいは yoik) は、サーミ人の文化における伝統歌謡あるいはその歌唱法のことである。 luohti、 vuolle、 leu'dd、 juoiggus などとも表記される。ヨイクという語は元々はいくつかあるサーミ人の歌唱法のうちの一つを差していたが、英語表記の joik は一般にサーミ人の伝統歌謡全般を指す。現在まで文化の中で生き続けている伝統歌謡としてはヨーロッパで最古の部類であり、サーミ人の民謡といえる[1]。ヨイクは歌詞やその文化に特有の意味を持たないという点でイヌイット以外のカナダ先住民 (ファースト・ネーション) の詠唱と共通点が見られる[2]。サーミ人のキリスト教化の過程でヨイクは罪深いものとされ、またノルウェーへの同化政策においても教会組織から罪と関連づけられたため、ヨイクは衰退した。1950年代にはサーミ人の居住地域では学校教育においてヨイクが禁止されていた。ヨイクには宗教的側面があり、ノアイデやキリスト教以前の原始宗教との関連が深かったことも、当時に論争の対象となった原因となった。しかし弾圧されている間も、ヨイクはサーミの文化に非常に深く根ざしていたために完全に途切れてしまうことはなかった。現代でもヨイクは歌い継がれ、さらに新しい音楽にも影響を与えている。
注釈
- ^ サーミ人の宗教儀式にのみ用いられるサーミドラムではない。
出典
- ^ a b Tradisjonell klassisk joik - Traditional Classical Sami Yoik - Arbevirolas Luohti Archived 2008年8月29日, at the Wayback Machine.
- ^ Wimme Saari Archived 2004年12月14日, at Archive.is Shamanistic chant meets modern electronics
- ^ Yoik of the Wind Archived 2011年7月28日, at the Wayback Machine. Shamanistic chant meets modern electronics
- ^ Same etnam. A brief introduction to traditional Sami song and the modern music.
- ^ Joanna Lumley chills in the Land of Northern Lights The Times. 6 September 2008
- ^ Voigt 1966: 296
- ^ Szomjas-Schiffert 1996: 56, 76
- ^ Voigt 1966: 145
- ^ “Vikingatidens och medeltidens musik”. Fotevikensmuseum.se. 2012年2月3日閲覧。
- ^ Szomjas-Schiffert 1996: 64
- ^ a b Derfor skal man ikke joike i kirka
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