ユルゲン・シュレンプとは? わかりやすく解説

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ユルゲン・シュレンプ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/29 16:34 UTC 版)

ユルゲン・エーリッヒ・シュレンプ(Jürgen Erich Schrempp、1944年9月15日 - )は、ドイツ実業家である。ドイツの自動車メーカーであるダイムラー・ベンツ取締役会会長ドイツ語版最高経営責任者(CEO)を務め、同社とクライスラーとの合併を実現させ、ダイムラークライスラーを設立したことで知られる。


注釈

  1. ^ ノルトマンは戦時中のエースパイロットとして有名な人物であり、戦友たちとの再会の集いをこの支社でたびたび催していた[4]。そこでトランペット吹奏に長けたシュレンプが特技を披露したことからノルトマンの目に留まり、やがて30歳近くも年の離れたシュレンプとノルトマンとの間で親交が結ばれた[4]
  2. ^ シュレンプにとって幸運なことに、オッフェンブルクの工学学校が1967年に工科学校(大学相当)に格上げされたことで、シュレンプの持つ卒業証書は自動的に学位として認定された[5]
  3. ^ この間、1968年から1969年にかけてシュレンプは徴兵期間となり、陸軍の歩兵隊と空軍で新兵として基礎訓練を受け、後に技術教官となり、水力学や軍用車両の電子工学の講義を担当した[6]
  4. ^ ユークリッドの売却交渉中の1983年10月にプリンツが急死したため、会長職を急遽引き継いだ[15]
  5. ^ この件についてダイムラー・ベンツは「一人も解雇しなかったが、市場圧力のもとで職務を廃止した」、「わが社の従業員はたがいの合意に基づいて社を去った」と説明した[37]
  6. ^ 2億8300万ドルで買収したが[38]、フォッカーは毎月1億ドル近い損失を出し続けた上[39]、再建には10億ドル、倒産させる場合もその債務処理などの手続きに13億ドル以上必要になることが買収後に発覚した[40]
  7. ^ ロイターはシュレンプの取締役会入りや、DASAの経営者就任を支持した恩人でもある[26][41]。しかし、シュレンプはDASA時代に大きな失敗に終わったフォッカーの扱いについて、その責任の大部分は自身にあったにもかかわらず、ロイターに責任転嫁するなどして、ロイターの追い落としを図る側に回った[42](ロイターは浪費を続けていたシュレンプのDASAを擁護し続けていたので、その点では責任があった)。
  8. ^ ロイター体制の1995年に計上した記録的な赤字から、翌年に黒字に急回復させた際のコメント[W 2]。このコメントは(フォッカーの地元である)オランダ人ジャーナリストの取材に答えたもので[46]、オランダの新聞紙『トラウ英語版』に掲載され[W 2]、物議をかもした。
  9. ^ 新会社の名称について、「クライスラー・ダイムラー・ベンツ」とする案もあったが、シュレンプは自分の会社の名前が2番目に来ることを許さず[50]、クライスラーのイートンが折れたことで「ダイムラークライスラー」という名称に落ち着いた[51]
  10. ^ ダイムラー・ベンツはフォードを第一候補と考え、クライスラーはBMWを第一候補としていたと言われている[55]
  11. ^ 合併からしばらく経った後にそう公言するようになった[57]
  12. ^ この年5月の株主総会で、クライスラーと三菱自動車が巨額の損失を出したことを報告した[60]。ダイムラークライスラーの監査役会からも同社の業績不振を問題視する声が挙がっていた。

出典

  1. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.309
  2. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.307
  3. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.36
  4. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.37
  5. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.38
  6. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.169
  7. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.40
  8. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.254
  9. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.256
  10. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.60
  11. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.62
  12. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.257
  13. ^ a b c d ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.27
  14. ^ 合併(アベル1999)、p.56
  15. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.258
  16. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.63
  17. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.64
  18. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.73
  19. ^ a b ダイムラー・クライスラー(ヴランシック2001)、p.194
  20. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.74
  21. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.75
  22. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.85
  23. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.86
  24. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.340
  25. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.89
  26. ^ a b 合併(アベル1999)、p.57
  27. ^ ダイムラー・クライスラー(ヴランシック2001)、p.195
  28. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.91
  29. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.134
  30. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.166
  31. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.261
  32. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.172
  33. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.173
  34. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.174
  35. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.239
  36. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.240
  37. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.245
  38. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.118
  39. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.124
  40. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.122
  41. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.97
  42. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.98
  43. ^ ダイムラー・クライスラー(ヴランシック2001)、p.198
  44. ^ 合併(アベル1999)、p.89
  45. ^ ダイムラー・クライスラー(ヴランシック2001)、p.212
  46. ^ a b 合併(アベル1999)、p.59
  47. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.264
  48. ^ a b c 合併(アベル1999)、p.62
  49. ^ 合併(アベル1999)、p.64
  50. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.273
  51. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.278
  52. ^ a b MB 栄光の歴史(ハイリッグ/増田2000)、p.126
  53. ^ 合併(アベル1999)、p.92
  54. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.281
  55. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.274
  56. ^ 合併(アベル1999)、p.65
  57. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.14
  58. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.328
  59. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.331
  60. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.210
  61. ^ 合併(アベル1999)、p.63
  62. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.276
  63. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.21
  64. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.22
  65. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.56
  66. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.44
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  68. ^ a b c ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.260
  69. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.23
  70. ^ ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.346
  71. ^ a b ユルゲン・シュレンプ(グレスリン2001)、p.168
  72. ^ a b 合併(アベル1999)、p.54
  73. ^ 合併(アベル1999)、p.55
  1. ^ a b c d e f g h Prof. Dr. h. c. Jürgen E. Schrempp. CEO 1995-2006” (英語). Mercedes-Benz Group Media. 2022年1月30日閲覧。
  2. ^ a b c d Andrea Rothman (1998年5月9日). “Profile: Jurgen Schrempp - A gamble with Germany's pride” (英語). Independent. 2022年1月30日閲覧。
  3. ^ Daimler-Benz AG: new organizational structure” (英語). M@RS – The Digital Archives of Mercedes-Benz Classic (1997年4月1日). 2022年1月30日閲覧。
  4. ^ Karl Ludvigsen (2001年). “Racing for Business: Mercedes-Benz in the 1990” (英語). Atlas F1. 2022年1月30日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k Dietmar Hawranek (2005年8月1日). “The Story Behind the Departure of DaimlerChrysler's CEO” (英語). Spiegel. 2022年1月30日閲覧。
  6. ^ a b c d e Jürgen Schrempp”. Britannica. 2022年1月30日閲覧。
  7. ^ 三菱自動車、クレーム隠しによる販売不振が懐を直撃!! 特別損失も計上”. Response (2001年3月28日). 2022年1月30日閲覧。
  8. ^ a b c Stephen Power and Neal E. Boudette (2005年3月4日). “Daimler Goes Its Own Way” (英語). The Wall Street Jornal. 2022年1月30日閲覧。
  9. ^ 【緊急発表】ダイムラークライスラーが三菱自動車から撤退へ!!”. Response (2004年4月23日). 2022年1月30日閲覧。
  10. ^ 400万台クラブへの挑戦(1999年)”. Gazoo (2014年4月4日). 2022年1月30日閲覧。
  11. ^ 理由…ダイムラークライスラーが三菱自動車との資本提携を解消”. Response (2005年11月11日). 2022年1月30日閲覧。
  12. ^ Arne Stuhr (2005年7月29日). “Der kleine Bruder” (ドイツ語). manager magazin. 2022年2月19日閲覧。
  13. ^ Schrempps kleiner Bruder verlässt Daimler” (ドイツ語). Spiegel (2010年3月18日). 2022年2月19日閲覧。
  14. ^ a b Marco Dalan (2005年7月29日). “Lydia Schrempp - die Frau hinter "Rambo"” (ドイツ語). Welt. 2022年1月30日閲覧。


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