マツ綱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/05 10:20 UTC 版)
マツ綱(マツこう、Pinopsida)は現生裸子植物を構成する綱の1つであり、グネツム類 Gnetidae、マツ類 Pinidae、ヒノキ類 Cupressidae の3群[注釈 1]からなる単系統群である[2]。このうちグネツム類とマツ類が姉妹群であり、それをまとめたクレードとヒノキ類が姉妹群をなす[2]。また、ヒノキ類とマツ類は球果を形成するため、球果植物(球果類、針葉樹類、Coniferae)と呼ばれた[3][4]。現在ではこの2群をまとめた分類群は側系統と考えられており、針葉樹類をグネツム類も含む単系統群(=マツ綱)に拡張して扱う考えもある[5]。
注釈
- ^ Yang et al. (2022) ではこれらの分類階級は亜綱に置かれる。
- ^ タイプ属は Cheirolepidium であるが、これを音写した科の和名はない。
- ^ Cheirolepis をタイプとする Cheirolepidaceae は Cheirolepis Schenk. が Cheirolepis Boiss. (1849) の後参ホモニムであるため非合法名で、Cheirolepidiaceae Turutanova-Ketova, 1963 が有効である[21]。
- ^ なお、学名には諸説あり、ケイロレピディア科 Cheirolepidaceae のタイプ属 Cheirolepis Schimp. (1870) はキク科の現生属 Cheirolepis Boiss. (1849) の後参ホモニム(命名法上。分類学上は Centaurea L. 内の節名として用いられる。)であるため、タハタジャンが Brachyphyllum muensteri Schenk. をタイプとして新属 Cheirolepidium Takht. (1957) を設立した。しかし、Doweld (2020) によると、Cheirolepidium müensteri (Schenk.) Takht. (1957) はICN (2018:Art. 41.5) に基づき、バシオニム Brachyphyllum muensteri Schenk.への直接かつ完全な言及を欠いているため、置換名としては有効に発表されたとみなすことができない[注釈 3]。そのうえで、Doweld (2020) は先取権のある Hirmeriella Hörhammer (1933) を使うべきだと主張し、Hirmeriellales 目の Hirmeriellaceae 科に分類している。それとは別に動物にも同名のケイロレピス Cheirolepis(ケイロレピス科 Cheirolepidae)が存在するが、こちらは別々の命名規約に準拠するため問題ない。
- ^ なお、セコイア属 Sequoiaでは遊離核分裂は起こらない[23]。
出典
- ^ McLoughlin 2020, pp. 476–500.
- ^ a b Yang et al. 2022, pp. 340–350.
- ^ 田村・堀田 1974, p. 207.
- ^ 西田 2017, p. 204.
- ^ a b 長谷部 2020, p. 199.
- ^ a b ICN 2018. Art. 16.1.
- ^ Cronquist, Takhtajan & Zimmermann 1966, pp. 129–134.
- ^ 西田 2017, pp. 297–298.
- ^ a b Christopher J. Earle. “Gymnosperms”. The Gymnosperm Database. 2023年6月29日閲覧。
- ^ a b 西田 2017, p. 297.
- ^ Zimmermann 1959, p. 426.
- ^ Shi et al. 2021, pp. 223–226.
- ^ Andruchow-Colombo et al. 2023, pp. boad027.
- ^ Pattemore & Rozefelds 2019, pp. 181–214.
- ^ 矢部・柴田 2011, pp. 77–88.
- ^ ルグラン・西田 2017, pp. 61–67.
- ^ ルグラン 2022, p. 42.
- ^ 巌佐ほか 2013, p. 1644.
- ^ 西田 2017, p. 206.
- ^ Escapa & Leslie 2017, pp. 322–334.
- ^ a b Doweld 2020, pp. 1092–1098.
- ^ a b c 長谷部 2020, p. 208.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 482.
- ^ a b ギフォード & フォスター 2002, p. 444.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 450.
- ^ a b 長谷部 2020, p. 201.
- ^ 長谷部 2020, p. 200.
- ^ a b 長谷部 2020, p. 203.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 474.
- ^ a b c 長谷部 2020, p. 206.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 339.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 471.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 472.
- ^ 西田 2017, p. 298.
- ^ ギフォード & フォスター 2002, p. 457.
- ^ a b 河原 2014, pp. 15–22.
- ^ a b 小林 1966, pp. 107–131.
- ^ a b c d e f g 清水 1990, pp. 25–30.
- ^ a b c d e f g 磯田 2010, pp. 1–2.
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