ブラック企業とは? わかりやすく解説

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ブラック企業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/10 00:11 UTC 版)

ブラック企業(ブラックきぎょう)またはブラック会社(ブラックがいしゃ)とは、法的には明確な定義は無いものの、「従業員を違法または劣悪な労働条件で酷使する企業」のこと[1]。ネット由来の言葉である[2]。世間では「ブラック企業」という言葉が安易に用いられいるものの[1][2]、実態としては過重労働パワーハラスメント・違法な長時間労働・達成困難なノルマ・賃金未払といった、働く先として避けるべきとされている企業の総称[1][3][4][5][2]。反対の概念はホワイト企業


注釈

  1. ^ 企業舎弟や反社会的な企業を意味するかつての用例は、例えば[10][11][12][13]など。
  2. ^ 研修会社自ら「地獄」と謳っている[PR 3]
  3. ^ 軍隊式、自己否定と人格改造を主眼とした外部研修会社の研修の内容の様子がテレビで放映された[PR 4]
  4. ^ ICレコーダーなどのデジタル機器による録音(MP3などの形式)ではコンピュータで音声を容易に改竄できるため、裁判時の証拠として認められない場合もある。
  5. ^ クライアント側のブラウザで、プライバシーモード(プライベートブラウジング)にすれば履歴やキャッシュが残りにくくなるが、サーバ側でアクセスした端末のIPアドレス・日時・サイトが記録されるため、完全には履歴を消去できない。
  6. ^ もっとも、2000年代後半になってから労働組合の無い会社でも個人で加入できるユニオンが誕生してきている。
  7. ^ 芸能人の「付き人」制度自体も、付き人が「労働者」か「手伝い」なのか立ち位置がはっきりしていないため、ブラックといわれている。
  8. ^ 営業社員が自社製品を自分や家族名義を用いて自腹で購入したり契約を結ぶ隠語のこと。悪質なものになると金銭だけを支払わせて「購入した」事実だけを作り、製品を渡さない場合もある。
  9. ^ 悪質なものになるとノルマの達成・未達成にかかわらず給与の自主返納が社内全体の暗黙のルールのようになっており、それが「当たり前」になっている場合もある
  10. ^ 離職率などを公開し、自らをブラック企業と称した採用サイトも存在する[PR 8]
  11. ^ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく「遊技場」にはゲームセンター雀荘カラオケボックスなども含まれるため、「遊技場」の適用範囲が広くなる。
  12. ^ 「年齢の下限」による制限がある場合(18歳以上でないと普通免許や国家資格が取得できない)など。
  13. ^ 派遣後に正社員や契約社員などとして派遣先企業に直接雇用を前提としているため、個人特定行為が認められている。
  14. ^ これは「内定切り」として卒業寸前の大学生や専門学校生などが企業の内定を得ていながらリーマンショックや東日本大震災など不況によって多くの学生が内定切りを受けて社会問題化したのが有名である。
  15. ^ そのような会社で社員がコロナウィルスに感染して入院や自宅待機となった時は、感染・罹患した社員に対し「社員自身の健康管理の問題」などと感染拡大の責任を擦り付けたうえで即時解雇したり、クラスター感染になった場合は感染・罹患して出勤不能になった社員らに対し、解雇したうえで「会社に大きな損害を与えた」などと損害賠償を請求するなどして責任を社員らに擦り付け、感染対策の不備に対する会社側の責任を逃れようとするケースもある。
  16. ^ ただし、「裁量労働制」「みなし残業」を導入していたり、残業の指示が無いのに残業を行なった場合などは残業代が出ない場合がある。コロナ禍でテレワーク、残業代は請求できる? 弁護士が教える対処法
  17. ^ 「職場でのできごとを毎日書き込むことで、『しごとダイアリー』はそのまま強力な「法的証拠」になります。・・・・つまり、ブラック企業と実際に戦うための最良の武器なのです」[45]

出典

  1. ^ a b c INC, SANKEI DIGITAL (2021年11月29日). “【安藤政明の一筆両断】「ブラック企業」と「ブラック労働者」にご用心(1/4ページ)”. 産経ニュース. 2023年7月20日閲覧。
  2. ^ a b c d 「ブラック企業」に「黒人差別」の指摘 どう思いますか:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2020年7月28日). 2023年7月20日閲覧。
  3. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年5月13日). “【就活リサーチ】9割がブラック企業を意識(1/2ページ)”. 産経ニュース. 2023年7月20日閲覧。
  4. ^ 【ブラック企業だと思う職場の特徴ランキング】500人アンケート調査”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年2月10日). 2023年7月20日閲覧。
  5. ^ “説明会や就活サイトより「ブラック企業」見抜けるアイテム”. AERA dot.. AERA (朝日新聞出版). (2014年1月15日). https://dot.asahi.com/articles/-/120525 2018年3月27日閲覧。 
  6. ^ 武神健之 (2017年10月26日). “ブラック企業に就職してしまった! まさかの事態に産業医が勧める3つの処方箋”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2017年11月8日閲覧。
  7. ^ a b c 谷本寛治『CSR 企業と社会を考える』NTT出版ライブラリーレゾナント25、2006年、71頁
  8. ^ a b 池田信夫 (2013年3月5日). “日本の会社はなぜ「ブラック企業」になるのか”. ニューズウィーク. https://www.newsweekjapan.jp/column/ikeda/2013/03/post-643.php 2018年12月2日閲覧。 
  9. ^ a b ブラック企業とは”. コトバンク. 2021年5月9日閲覧。
  10. ^ 丸山邦男「〈集団の発見⑫〉 ハッピー・シェルター商会」『現代の眼』第12巻第11号、現代評論社、1971年11月、218頁、ISSN 0435-219XNDLJP:1771701/111 NCID AN00079143。「あらためて問いただすまでもなく、この珍商売あきらかに〈恐怖〉を売るブラック企業であり、『沖縄返還』に象徴される日米安保軍事体制下の昭和元禄にヤイバを突きつけるためのブラック・セールスだということだ。」(南川泰三が当時立ち上げた防空壕を販売する企業についての取材記事、文字強調は引用者による)
  11. ^ 「真相海流 病院建設ゴリ押しで反対運動を告訴した戸田建設側が告訴取り下げ」『財界展望』第30巻第8号、財界展望新社、1986年8月、29頁、NDLJP:2699091/15 NCID AN10197317。「同じく反対表明する北区医師会では『建築許可はでているが病院開設許可申請もしていないブラック企業に関わるどころか加担するとは、企業責任を問いたい』と強硬だ。」(東十条病院の建設を巡り施主のオリンピックビルと建設業者の戸田建設が反対運動グループを告訴した民事訴訟に関する報道、文字強調は引用者による)
  12. ^ 大原幹弘「財界えんま帖 乱脈融資でコゲつき多発 千代田生命経営危機!」『政界』第15巻第1号、政界出版社、1993年1月、59頁、ISSN 0918-0044 NCID AA12279658。「神崎社長は企業舎弟といわれるブラック企業にも、直接、間接に資金供給していたのではないか、とみる向きもある。」(文字強調は引用者による)
  13. ^ 資金洗浄マネー・ローンダリング対策遅れ また世界の孤児に」『金融ビジネス』通巻129号、東洋経済新報社、1996年2月、60頁、ISSN 0911-1239 NCID AN10029094。「バブル経済期に銀行が巨額の融資を流し込んだ先には、マル暴関連のブラック企業も少なくない。」(文字強調は引用者による)
  14. ^ a b 「ブラック企業」ってどんな会社なの?|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト 厚生労働省
  15. ^ 「ブラック企業」批判は資本主義の精神を傷つける”. ザ・リバティweb. 幸福の科学出版 (2013年9月26日). 2013年10月31日閲覧。
  16. ^ 今野晴貴『ブラック企業―日本を食いつぶす妖怪』文春新書、2012年、187頁
  17. ^ 희망고문·수당 없는 노동…당신 회사도 블랙기업?
  18. ^ ヤバすぎブラック企業……「生理休暇申請」のために人事担当者がトイレ同行、経血量をチェック! サイゾー公式サイト
  19. ^ 2013年12月29日南日本新聞社説「[ブラック企業] 根絶へ向け対策を急げ」
  20. ^ a b c 谷本寛治『CSR 企業と社会を考える』NTT出版ライブラリーレゾナント25、2006年、80頁
  21. ^ 谷本寛治『CSR 企業と社会を考える』NTT出版ライブラリーレゾナント25、2006年、92頁
  22. ^ 谷本寛治『CSR 企業と社会を考える』NTT出版ライブラリーレゾナント25、2006年、93頁
  23. ^ 2013年7月5日産経新聞記事「「ブラック企業」広まった背景は 社会問題に“成長”したスラング」
  24. ^ 2013年12月18日朝日新聞社説「ブラック企業 根絶のために行動を」
  25. ^ 今野晴貴『日本の「労働」はなぜ違法がまかり通るのか?』星海社新書、2013年、207頁
  26. ^ 現役教師が「このままでは過労死」と訴える“ブラック部活”の実態 週刊女性2017年6月6日号
  27. ^ a b 『ブラック企業の闇』
  28. ^ 「役員は名ばかり、解雇は無効」労働審判申し立て 大阪
  29. ^ ビルメンテ会社の「名ばかり役員」に労災認定、月143時間の残業で「脳出血」発症
  30. ^ 部下を追い詰める「クラッシャー上司」に気をつけろ! ダイヤモンド・オンライン
  31. ^ 11日間のブラック研修を経験した新卒社員(23)の体験談 「同期が過呼吸で搬送された」「頭は冷静なのに涙が止まらない」 2018年9月17日 キャリコネニュース 2019年4月11日閲覧
  32. ^ 当直の割増賃金求め提訴 刈谷の女性医師「規定外の分娩、手術」 中日新聞2010年9月22日[リンク切れ]
  33. ^ a b “低い新人の定着率 情報開示で離職抑制”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年11月7日). https://www.nikkei.com/article/DGKDASGC02015_W2A101C1EE8000/ 2017年10月29日閲覧。 
  34. ^ 「ブラック企業」見分け方学ぼう 就活学生、研究し自衛 1/2 2/2 朝日新聞2011年1月14日
  35. ^ a b c d e "就活の落とし穴! "ブラック企業"にご用心". 週刊ニュース深読み. 1 December 2012. NHK総合
  36. ^ 今野晴貴. “睡眠は平均たったの1時間…新卒23歳が受けたヤバい「洗脳研修」の実態”. 週刊現代. 2020年10月27日閲覧。
  37. ^ ブラックバイト:横行 「契約無視」「試験前も休めず」1/2 2/2 毎日新聞2013年8月8日
  38. ^ 労働者に感染危険地域への私的旅行禁止の可否
  39. ^ マスク非着用で雇い止めは「違法」
  40. ^ 「マスク着用強要は違法」 ぜんそく社員が日本郵便提訴―大阪地裁
  41. ^ マスクつけず会議出席、大阪の専門学校が「買えなかった」嘱託男性を懲戒処分 讀賣新聞オンライン2020年4月29日 2021年6月11日閲覧
  42. ^ 「ワクチン打つよう強制」看護師が断ると、病院は退職届へのサイン迫る 接種巡る労働相談相次ぐ
  43. ^ 米デルタ航空、ワクチン未接種の従業員から月2万円余を徴収へ デルタ株対策で AFP(日本語版)2021年8月26日
  44. ^ 米ユナイテッド航空、ワクチン未接種者の解雇手続き開始 WSJ(日本語版)2021年9月29日
  45. ^ 今野晴貴監修『しごとダイアリー2』、堀之内出版)
  46. ^ ブラック企業4000社の実態調査へ 厚労省、9月から :日本経済新聞
  47. ^ 勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の概要” (PDF). 厚生労働省. 2022年5月26日閲覧。
  48. ^ 自民が「ブラック企業」公表提言へ 参院選公約 :日本経済新聞
  49. ^ “自民、民主が公約盛り込み見送る ブラック企業「社名公表」”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2013年7月5日). https://www.j-cast.com/2013/07/05178868.html?p=all 2017年10月29日閲覧。 
  50. ^ 共産・山下氏「ブラック企業調査を」焦点採録・代表質問 - 朝日新聞デジタル


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