フレッツ網におけるIPv6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/17 16:55 UTC 版)
フレッツ網におけるIPv6では、NTT東日本およびNTT西日本が提供するフレッツサービスにおけるIPv6の適用について記述する。
注釈
- ^ 以下、単に「狭義のインターネットのうちネットワーク層がIPv6であるもの」の意味で用いる。
- ^ なお、フレッツ・ADSL、フレッツ・ISDNユーザーについては、サービス自体にIPv6が提供されていない(ユーザ・網インタフェースがIPv4だけ)
- ^ ただし、NGNを介さず直接IPv6に接続する方式(フレッツサービスでは提供されない)をネイティブと呼ぶ立場もある。その立場からは「NGN ネイティブ」と呼ばれる。あくまでもフレッツサービス上でのネイティブ方式を言う。
- ^ a b (参考)世界的なIPv6移行技術の文脈においては、IPv4をIPv6によりカプセル化することを「トンネル」と称する(対して、IPv4-IPv6間のヘッダ翻訳を「トランスレーション」)が、日本のフレッツサービスの文脈においては、IPv6通信のフレッツ網上の通過方法の視点である事に注意。
- ^ VNE (Virtual Netrwork Enabler)。「ネイティブ(接続)事業者」とも呼ばれる。現状、NTT東西のフレッツ 光ネクスト(NGN)、しかも「ネイティブ方式」に特有のサービス事業者形態である。
- ^ a b ISP自身がVNEを兼ねる場合もある。
- ^ 2012年9月時点では、VNE接続事業者への参入枠が16事業者までに拡大されている。なお、事業者数が少数に制限されているのは、NTT東西が管理するところの、フレッツ網 (NGN) 上のルーティング経路に関する技術的制限とされている。
- ^ なお、IPv6インターネットの全経路がNGNに流される訳ではなく、NGN内ではあくまでも契約したVNE事業者と、v6オプションに参加するユーザーとの間の経路(v6オプション参加全ユーザー同士の経路を含む)だけが設定されるので、NGNがIPv6インターネットに開放されている訳ではない。これにより法律上の閉域網としての性格は維持されるとしている。
- ^ ISPがユーザーにとっての契約窓口となる(仮想固定通信提供者参照)
- ^ (参考)フレッツ網を利用した一般的なIPv4接続 (PPPoE) や、次項のIPv6 PPPoEでは、ユーザーCPEから、ISPとの相互接続点となる網終端装置〈NTT東西提供〉に対して、NGN網上でIPv4 (およびIPv6)のトンネルを張っている事になる)
- ^ 網構成によってはこれと異なる。[10]
- ^ a b c ISPとの契約、接続形態、方式およびCPEの機能もしくは構成にもよるが、IPv4通信をIPv4 PPPoE経由とする事も可能。
- ^ ただし、(IPv4通信の)網終端装置における輻輳については、全国的大手サービスとしてはNTT東西のフレッツサービスに特有の問題である。また、IPv4通信に関してはトンネリング (IPv4 over IPv6) の方式が各種あり(DS-Lite、MAP-E等)、ステートフル/ステートレス方式による差異、キャリアグレードNATによる負荷も含めて、今後利用ユーザーが漸増した場合にIPv6→IPv4トンネル出口での帯域幅が輻輳しよって通信速度低下が顕著となるかどうかは、各方式における帯域処理性能も含めて、未知数である。ただし、IPv6通信であればNAT/NAPTが基本的に行われないため、IPv4の速度低下が顕著になる場合にクライアントがIPv6通信を優先使用すると言う方策も有り得る。
- ^ 2016 - 2017年現在、DS-Lite、MAP-E等が営業サービスとして提供中。464XLATは試験サービス中。
- ^ a b c ONU、ONU一体型CPEまたはVDSLアダプタも必要
- ^ a b 通常、フレッツ 光ネクストにサービス変更した場合は300番台以降に取り替えられる。
- ^ 対応ルーターに関し、2016 - 2017年時点では、ISP(正確には、VNE)が指定する特定メーカーの特定機種に限られている場合が殆どである。また、前述のようにIPv4 over IPv6の方式にも複数の種類があるため、その方式が異なると「IPv6 IPoE」対応を謳っていても利用できない場合がある。(ISP側の接続サポートも、ISP指定ルーター利用を前提としているのが現状である)
- ^ a b さらに本方式 (IPv6 IPoE) は、次項の「IPv6 PPPoE」方式とは、IPv6関連技術としては大きな違いがあり、また2016-2017年時点で、IPv6 IPoEとIPv6 PPPoEの両方式をサポートするような、大手メーカーのコンシューマ向けブロードバンドルータはほぼ発売されていない状況であり、ISPの乗り換え等には注意を要する。
- ^ IPv6 IPoE方式においては、IPv6上でIPv4をトンネル/トランスレーションする(ただし必須ではない)が、本方式においてはIPv6をPPPoEトンネル化する。
- ^ ISPのサービス及びCPEとの組み合わせによっては、1つのPPPoEセッションでIPv4とIPv6の双方を同時接続し、よってセッションは新たに消費しない場合もある。
- ^ なお、ISPとのPPPoE接続に失敗した場合、ISPが配布するIPv6プレフィックスの代わりにLAN上の機器にユニークローカルユニキャストアドレスのプレフィックスを広報することで、NAT機能によりNGN内の機器と通信可能になる。
- ^ IPv6 PPPoEについては、前項の「IPv6 IPoE」方式とは、v6関連技術としては大きな違いがある。契約するISPのIPv6 PPPoEサービスで、ホームゲートウェイやアダプタ(MA-100)が利用できるかどうか、または、契約するISPが指定する特定機種を利用(入手)できるか否かなど、ISPが指定するCPEに関しISPの乗り換え等には注意を要する。
- ^ 2012 - 2013年にNTT東西がHGWにてアダプター機能を搭載する以前は、トンネルアダプター (MA-100) は必要であった
- ^ ホームゲートウェイでは無く、かつIPv6 PPPoE非対応のもの
- ^ ホームゲートウェイが、IPv6 PPPoEの接続IDに ".hgw6" を固定的に付加する仕様であるため
- ^ Bフレッツやフレッツ 光プレミアムなど
- ^ さらに、NTT東西がフレッツ閉域網を通じて「フレッツ・スクウェア」サービスによりクローズドなネットワークサービスの提供を企図した事も遠因にある。「フレッツ・スクウェア」は縮小されて2011年に「サービス情報サイト」に変更された。
- ^ ただし、IPv6接続サービスの利用を開始する場合は、元に戻す必要がある。端末によってはIPv6オフロード設定が困難な場合もある。
- ^ これはHTTP1セッションにおける値である(#フォールバックのタイムアウト時間とフレッツ網側対策)
- ^ かつ、グローバルユニキャストアドレスが割り当てられるネットワーク
- ^ それにより、IPv6インターネットと疎通できるグローバルユニキャストアドレス等を端末に割り当てる。
- ^ TCPヘッダのRSTフラグを1にしたもの
- ^ DNS等を遮断すると問題が起きるため等
- ^ これは、マルチプレフィクスであり、かついずれのプレフィクスもグローバルユニキャストアドレスが属するプレフィクスである場合の、IPv6端末の一般的仕様である。
- ^ 宛先ホストは、受け取ったパケットの送信元アドレス(=フレッツ網内アドレス)に対して返信パケットを送信する。
- ^ 厳密には、同一のNIC
- ^ 端末がIPv6マルチプレフィクスとならない方式の場合は、この限りではない。
- ^ フレッツ網のISPとの相互接続点 (POI) に設置される網終端装置への接続費用(これはNTT東西側のコストでもある)、ISP側設備としてPPPoEスタック、RADIUS等
出典
- ^ a b 小川 & 久保田 2020, p. 26.
- ^ “IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会(第18回)配布資料”. 2012年5月28日閲覧。
- ^ 『日本におけるIPv6の普及状況』(プレスリリース)IPv6普及・高度化推進協議会、2017年6月16日 。2021年2月1日閲覧。
- ^ a b 小川 & 久保田 2020, p. 25.
- ^ a b c d e “「フレッツ 光」でのIPv6インターネット普及に向け“ネイティブ枠”拡大など”. 2017年4月11日閲覧。
- ^ “「フレッツ 光ネクスト」のIPv6ネイティブ接続事業者枠を16社に拡大へ”. 2017年4月11日閲覧。
- ^ “朝日ネット、IPv6ネイティブ接続のローミング事業に参入、4社目のVNEに”. 2017年4月11日閲覧。
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 3, 31, 33–34.
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 88.
- ^ “ネイティブ方式入門(第3回):ネイティブ方式のネットワーク構成を知る”. pp. 1-2. 2017年4月12日閲覧。
- ^ 小川 & 久保田 2020.
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 31–32.
- ^ “フレッツ 光ネクストのIPv6接続、PPPoEアダプター不要に、宅内装置に一体化”. 2017年4月11日閲覧。
- ^ “AAAAフィルター”. 2017年4月11日閲覧。
- ^ “Windows 8 で IPv6 を使って接続する”. 2012年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月18日閲覧。
- ^ “フォールバックの問題について”. 2021年2月15日閲覧。
- ^ “ISPにおけるAAAAフィルタの適用状況及びMVNOにおけるIPv6提供状況と課題” (PDF). 2021年2月15日閲覧。
- ^ a b c 小川 & 久保田 2020, pp. 26–31.
- ^ “NGN IPv6 ISP 接続<トンネル方式>用 アダプタガイドライン” (PDF). 2021年2月15日閲覧。
- 1 フレッツ網におけるIPv6とは
- 2 フレッツ網におけるIPv6の概要
- 3 概要
- 4 閉域網としてのIPv6サービス
- 5 IPv4、IPv6二重投資問題
- 6 外部リンク
- フレッツ網におけるIPv6のページへのリンク