秩父竜胆
チチブリンドウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/24 16:52 UTC 版)
チチブリンドウ(秩父竜胆、学名:Gentianopsis contorta (Royle) Ma[1])は、リンドウ科シロウマリンドウ属に分類される一年生植物-越年草の1種[4][5][6][7][8]。種小名(contorta)は「回旋状の」を意味し、蕾がねじれていることに由来する[5]。シノニムがGentianella contorta (Royle) Harry Sm.[2]とGentiana contorta Royle[3]。本種は日本では、1952年に清水大典が秩父山地の十文字峠付近の石灰岩地帯で最初に採取した[9]。1955年に佐竹義輔がこれを新種と考え調査していると、中国東北産のヒロハヒゲリンドウ(Gentiana yamatsutaeKitag.)と同種であり、ヒマラヤ産の(Gentiana contorta Royal)と同種であることが分かり、さらにリンドウ属とは萼の性質が異なり、花冠裂片の間に副片がないこと、花筒内面の基部付近に腺体があること、柱頭がとさか状になることなどから、シロウマリンドウ属(Gentianopsis Ma)の種であることが分かり[4]、チチブリンドウという和名がつけられた[9]。ほとんどの高山系リンドウ科植物が高山帯の草地を好むのに対し、本種は渓谷上部の霧の多い石灰岩地帯を好むため、目立たず、発見が遅れたとみられている[9]。タカネリンドウと共にシロウマリンドウ属に属し、独特の形態をしていて、近縁種は発見されていない[9]。別名がヒロハヒゲリンドウ[5][6]。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “チチブリンドウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月18日閲覧。
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “チチブリンドウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月18日閲覧。
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- ^ a b c d e f g h i j k l 佐竹 (1981)、32頁
- ^ a b c d e f g h i j k 豊国 (1988)、206頁
- ^ a b c d e f g 清水 (2014)、305頁
- ^ a b c d 小野 (1987)、211頁
- ^ a b c d 久保田 (2007)、88頁
- ^ a b c d e 豊国 (1980)、34頁
- ^ a b c 大場 (2000)、118頁
- ^ a b c 大場 (2000)、117頁
- ^ a b 今井 (1999)、200頁
- ^ a b “環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2021年9月18日閲覧。
- ^ a b “植物レッドリスト(2018年部分改訂版)” (PDF). 群馬県. pp. 102. 2021年9月18日閲覧。
- ^ a b “埼玉県レッドデータブック2011 植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 141. 2021年9月18日閲覧。
- ^ “長野県版レッドリスト(植物編)2014”. 長野県 (2020年11月30日). 2021年9月18日閲覧。
- ^ “「レッドリスト(植物編)改訂版」”. 岐阜県 (2015年9月16日). 2021年9月18日閲覧。
- ^ “ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例”. 滋賀県 (2021年5月10日). 2021年9月18日閲覧。
- 1 チチブリンドウとは
- 2 チチブリンドウの概要
- 3 種の保全状況評価
- 4 外部リンク
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