新聞配達 集金

新聞配達

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/04 16:06 UTC 版)

集金

概要

新聞購読している各家庭を回り、新聞購読料を徴収する作業である。作業時期は主に毎月の月末に集中する。家庭毎に様々な生活パターンがあるために、必然的に作業時間帯が不規則になる。最近は口座自動振替クレジットカード払いが増加しており直接支払う家庭が減る傾向にあるが、読者を縛る(縛り=購読契約の継続)ためのコミュニケーションとして対面による集金が重視されている。

業務区分

集金担当者は、配達と同様に区域毎に担当者が分かれており、多くは配達担当者本人または代配が行う。集金専門の場合もある。集金業務には以下のような作業がある。

購読料の徴収
購読者から一定の購読料を受け取り、引き替えとして領収書を渡す作業。集金作業のメイン業務である。
届け物
PR刊行物や古紙袋の手渡し。いずれも届け物の正式名称は新聞の銘柄に依って呼び方は異なる。
契約
営業と作業が重複するが、この場合にはあくまでも「集金中のついで」に既存の客へ契約の更新を確認し、継続の意志があれば契約書にサインして貰うのみに留まる。集金中の付随業務と見なして、本来は営業を行わない新聞奨学生にも行わせている販売店が多い。
拡材提供
依頼された拡材(購読に対するサービス品)を届ける。プロ野球のチケットや、洗剤、ビール券などがある。感覚的には「付け届け」や「ばらまき」である。
領収書配布
購読料と引き替えに手渡しする領収書とは別に、口座自動振替の家庭を回り領収書を投函する。既に購読料が引き落とされているため、直接手渡しする手間を掛けることはまずない。
伝達事項の連絡
集金の際に、客から直接要件を伝達される場合がある。この内容を販売店へ連絡する。時間のない配達中とは異なり、比較的込み入った要件が多くなる。

作業時間の特殊性

概要にも示した通り、家庭毎に生活パターンの違いがあるため、集金する者も購読料徴収のために、ある程度それに合わせて作業時間帯を調整することが要求される。特に、独身の独り住まいや、出張の多い家庭から集金する場合、日中に訪問してもまず対面できないため、深夜に訪問することになる。逆に、高齢者の独り住まいや、小さい子供のいる家庭では、遅い時間帯に訪問することはクレーム対象にもなりかねないので、早めの時間帯に訪問することになる。このように、実質的な拘束時間が増え、不規則な作業時間帯となるために、集金作業は他の新聞配達業務よりも負担が大きいと言われる。

この作業時間上の負荷を軽減するために、各新聞社では口座自動振替を奨励しており、増加傾向にあるが、手続きの煩わしさや、店員と直接対面することによる顧客側のメリット(拡材提供などのサービス)が減ることもあり、あまり大きくは進んでいない。

集金手当

一定期日までに担当区域の集金を済ませれば、新聞販売店から数千円から2万円程度の手当を支給される場合が多い。しかし、客によっては期日までにどうしても購読料を支払えない事情がある、また新聞購読契約上の問題や、訪問しても不在がちであるなどの事情により、集金担当者が徴収できない場合がある。このような時には、集金担当者が自腹を切って、「みなし」で集金達成を行う場合が多い。あくまでも客の都合による部分が大きいために、新聞販売店もそれを黙認している傾向があり、中には自腹を切ることを半ば強要している新聞販売店もある。自腹を切って他の日に購読料を徴収できればいいが、場合によっては結局徴収が不可能なままで、集金担当者が購読料を負担しているケースも多々見受けられるのが実情である。

その他

  • 客の都合により、集金の期日や時刻を指定される場合がある。
  • 直接新聞販売店へは連絡せずに、客から集金担当者へ直接値引きを要求される場合がある。
  • 不在がちな家庭に対しては、催促する書面を投函したり、電話で催促したりすることとなる。
  • 不在がちな家庭へ早朝に集金を行う事を「朝駆け」、逆に深夜に集金を行う事を「夜駆け」という。
  • 締日までに集金できなかった契約を「残証(ざんしょう)」、集金を諦めて取り立てもしないことにした契約を「廃証(はいしょう)」という。
  • 事情により購読料を支払えない客に対しては、配達を停止することとなる。「残証崩れ(ざんしょうくずれ)」「廃証崩れ(はいしょうくずれ)」または単に「崩れ」と呼ばれる。
  • 領収書の片割れは「証券(しょうけん)」と呼ばれ、集金時にメモ代わりに使い、店舗に戻った後リストの記入「消し込み(けしこみ)」に使用する。






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