国際 HapMap 計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/19 17:21 UTC 版)
戦略
フェーズ1では5,000base間隔でコモンSNPsをジェノタイピングした。 これは合計では百万個以上のSNPsである。 ジェノタイピングは10拠点のセンターで分散して行われ、 5種類の解析手法が使用された。 ジェノタイピングのクオリティー評価は、重複したサンプル間や 関連したサンプル間で行われ、共通のSNPsのセットをもつ拠点間で 定期的にクオリティチェックが行われた。
カナダのモントリオールのMcGill大学のThomas J. HudsonMontrealらのチームは 2番染色体と4pを解析した。 中国の北京、上海、香港を拠点としたHuanming Yangらのチームは3番染色体と8p、21pを解析した。東京大学の中村祐輔らのチームは 5、 11、 14、 15、 16、 17、19番染色体を解析した。イギリスのSanger InstituteのDavid R. Bentleyらは1、6、10、13、20番染色体を解析した。 米国は4拠点あり、サンディエゴのイルミナ社のMark Chee と Arnold Oliphantらは染色体 8q、 9、 18q、 22、 X、 ケンブリッジのBroad Instituteの David Altshulerらは染色体 4q、 7q、 18p、 Y ミトコンドリアを、 ヒューストンのベイラー医科大のRichard A. Gibbsらは染色体 12、 サンフランシスコのカリフォルニア大のPui-Yan Kwok らはchromosome 7pを解析した。
マップを作るために、まず約100万個のSNPsが標的とされたが、染色体の領域によっては SNPsが少なすぎたり、多くのSNPsが各種解析に使用するには頻度が少なすぎたりしたため 追加のSNPsのタイピングが必要となった。このため、コンソーシアムでは 数百万個のSNPsを追加することになり、その大規模なリシーケンシング作業のために 多額の予算を割り当てなければならなかった。プロジェクト開始時にdbSNPに 登録されていたSNPsが280万個であったのに対し、2003年9月には このプロジェクトにより280万個追加され、2006年8月には合計で1000万を超えている(PhaseII)。 このPhaseIIの時点で900-1000万SNPsのうち25-35%のものがMAF≥0.05のCommon SNPsであった。 [1] プロジェクトの開始時に300万弱のSNPsのうち10%程度のSNPsにしか多型がなかったことからすると、 各種解析(ゲノムワイド相関解析、連鎖不平衡、組換え、自然選択)に利用できるSNPsは 大幅に増加した。
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